自立援助ホームを退居した若者たちの多くは、家族等の支援もなく、生きづらさを抱えながら自分で生計を立て、ギリギリの生活を送っています。少しのつまづきで生活は壊れ始めます。そのような彼らを、私たち自立援助ホームは支え続けていきたいと思っています。
退居者支援のための「青少年自立援助資金貸付事業」
私たち自立援助ホームは、社会に飛び立ち、様々な困難を抱えながらも、懸命に生きる退居者に対して、彼らから関係を断ち切らない限り、こちらから関係を断ち切ることなく継続して支え続けます。全国自立援助ホーム協議会では、各ホームが行う退居者支援のサポートを行っています。
彼らの生活状況は厳しく、低賃金で貯蓄もできず、常にギリギリの暮らしをしています。このような状況の中、怪我や病気、精神的不調、仕事の減少、転職、引っ越し、妊娠、事故、金銭トラブル等、収入が途絶えたり想定外の出費が発生するととたんに生活が圧迫され破綻に向かいます。
このようなSOSに応えるための公的な金銭的支援は希薄で、状況によっては受けられないことも多く、申請にも時間がかかります。時間がかかりすぎてしまうと彼らの生活は耐え切れず破綻します。
自力での生活を継続するための費用、例えば携帯電話料金、家賃、水光熱費、転居費用、バイクや車の維持費用、通院費用、トラブル解決費等、今すぐに金銭的支援を行えば、生活をスムーズに立て直せるケースが多くあり、これまで各自立援助ホーム長やスタッフが自己資金を投入してきました。しかし、これには限界があり、充分な支援が行えませんでした。
そこで、生活に問題が発生し緊急的に資金が必要となった退居者を対象に、無利息で返済期限のない形での貸し付け、生活を立て直し再スタートを応援するための事業「青少年自立援助資金貸付事業」を2021年度より創設いたしました。この基金は、やむを得ない理由で生活が苦しくなり貯蓄もない退居者に対して、住居費や食費、水光熱費や携帯電話等のライフライン費用や通院費、転居費、交通費等、生活立て直しに必要な資金を10万円を限度に貸付けを行います。