活動・団体の紹介
令和6年5月12日、石川県輪島市鳳至町の曹洞宗永福寺に一つの看板が掲げられました。
能登半島地震による大規模火災によって焼失した朝市通りの復興に向け観音堂の移動を目指すプロジェクトです。動画(台湾語、Formosan)
永福寺は今回の被災で本堂と庫裏(居住区)が公費解体される運びとなりました。早ければ半年先に境内の建物のほぼ全てが撤去され更地になります。
能登全域は隔てなく被災している現状の中、お寺の再建がどのようにあるべきかを考えたとき、ある思いが浮かんできました。それは毎年一月から一か月にわたり行われる寒行托鉢で四十年以上巡ってきた朝市通りでした。
朝市の路地の裏の裏まで歩いて、誰がどこにいるか身体が覚えています。そういう人たちの惨状を目の当たりにしたとき、自然と、お寺の復興の道のりがそのまま、朝市や地元の再生復興のお役に立てないかという想いになりました。
そこで奇跡的に被害を免れた当方の観音堂と観音像を朝市に移転し、心の拠り所にして頂けないか。また境内を朝市の店舗に利用して欲しい、そんな在り様を思い浮かべています。
プロジェクトの発足以来、地道に托鉢をし協賛者を募っていたところ、これまでに多数の協賛を頂戴することが出来ましたが、まだまだプロジェクトの実行には資金的課題があります。そこで、インターネットを通じてより多くの人にプロジェクトを発信して、さらなる支援をお願いしたいと思っています。能登復興のため、ぜひご支援をお願いします。
活動の背景、社会課題について
輪島市だけではない日本の人口減少は震災以前から指摘されているところ。同じ石川県でも地域格差が著しく、災害復興遅延の問題要因にもなっている。半島特有のインフラ復興整備の再検討が指摘されたりもしている。地場産業にも大きな痛手を受けた今回の震災。朝市もまた地場産業の一役であり、地域の復興抜きにして朝市復興も難しい
活動内容の詳細、実績について
一、活動内容の周知を行っています。輪島市・朝市を皮切りに県内・県外で托鉢をしながら出会った方々に趣意書をお渡しし、事業内容についてご理解頂きます。当ホームページ含めSNSを利用して情報発信を続けています。また有縁の寺院を通じて全国に発信しております。
二、「朝市観音プロジェクト」と書かれた幟をもって、各地を勧進托鉢(御椀を持ち鈴を鳴らし喜捨を受けて歩く)して回ります。これまでに輪島市・金沢市で繰り返し托鉢を行っています。尚、被災地での喜捨はお断りしております。また複数の協賛者より県外地元にて托鉢の要請もあり、今後は県外での活動も視野に入れています。
三、協賛者・寄付者の公開。企画に協賛頂き寄付をされた方々を別ウェブサイトにて公開しています。今後、本サイトにて公開することも検討しています。尚、これまでに200名を超える個人・法人・団体の協賛者様より寄付を頂いております。しかし、事業の実行にはさらなる支援が必要です。
代表者メッセージ
朝市観音プロジェクトは地域のこころの拠り所であるお寺としての布施行でもある。地域再生とはこころの再生でもある。そうでなければならない。神仏を敬う宗教心なくして地域の活性、再生はありえないだろう。地域の再生とは人間らしさの再生でもある。幾多の困難を乗り越えてきた人類の歴史。今回も又例外ではない。自然との共生を謙虚に学び直すことが求められている。そこに過疎も地方も都市もない。宗教とはいのちの話である。いのち縦軸を深く掘り下げ、根を張り、揺らぎぶれることのない「宗なるもの」「芯なるもの」を育み、社会といういのち横軸へ往還するのである。
今回の朝市観音プロジェクトが、輪島市民のいのち縦軸の再構築の一助になれば本望であり、それが永福寺の再興でもあることを私は疑わない。今こそ、輪島市民だけではなく、日本全国民に申し上げたい。「仏のこころを取り戻せ」と。地球という星の、日本という島国の、能登半島という最果ての地に、今を生きる同朋として、朝市観音プロジェクトへのお志を切に願うものである。合掌。朝市観音プロジェクト
鳳来山 永福寺 東堂(前住職) 市堀 玉宗
寄付金の使い道について
朝市観音プロジェクトは朝市周辺の一区画を手に入れて、観音堂を建立し、その境内を朝市に開放するというものである。観音さまは永福寺所縁のものであり、且つ長い歴史のある地域との所縁のあるものでもある。寄付金はそのプロジェクト達成のために、永福寺本堂再建、観音堂移転費用、境内地を譲り受け、境内整備のため資金として使われる。