













【事務局長のコメント】
民族とは何か。わたしも学生の頃に悩みました。でもその悩みは国民国家のメンバーシップに入れるか否かの身を切られるような悩みではなく、ぼんやりしたアイデンティティの空虚さを埋めるための(それはそれで何か対処が必要だけれど)、今から思えばあまり深刻ではない悩みだったと思います。「なぜわたしは地元の祭りに参加しないのか?」をマジメに考えたほうがもっと実りはあったろうなと今なら思います(なんじゃそりゃ)。
「アイデンティティ・ポリティクス」とか、口にしただけで唇が切れて血が出そうですが、とにかく「民族」って語りにくい。くり返しますが、「民族かどうか」が社会保障とか行政サービスへのアクセスといった物理的な死活問題になるからです。
メンバーシップを別の言い方でいえば、「あいつを仲間に入れるか入れないか」です。世界中が移民や難民の受け入れで揉めています。三歩進んで二歩下がる、いや四歩下がる、みたいなことをくり返しています。
これも不思議なもんで、「語りにくい」というからますます語りにくくなるので、はじめからそんな不安なんて感じずに、好奇心の赴くまま、素直に調べたり、紹介したりできないものかなと思うのですが、もうわたしには無理っぽい。…(来世でできるかな)
だから学生たちから「すごくたくさん民族がいる!調べて紹介したい!」といわれたとき、少し気分が軽くなりました。
さいきん、よく考えるのですが、私たちは個人として長生きしてもせいぜい100年くらい。身体的に活躍できるのはもっと短いでしょう。どんどん世代が変わっていく。
いい意味でも、わるい意味でも、みんなが知る記憶はつぎつぎ失われていく。
つまり、本当のところはわからなくなっていく。
だから何度も同じことをくり返します。なぜかというと、一度自分ごとにするためには、それそのものを自分が経験しないとわからないから。
でも、まったく同じことをくり返しているようで、少しは変化していると信じたい。
同じところをぐるぐる回っているのではなくて螺旋になって少しずつ上に向かっているんだと願っています。
さて、何がいいたいかというと、学生インターンたちには時間がないなかで、難しいテーマに果敢に明るくチャレンジしてくれて感謝です。
取り組んでみた感想を聞く反省会を録音しました。後日紹介できればと思います。
追伸)
なんと目標額47%に到達しました! ご支援に厚く感謝申し上げます!
励みになります。がんばります。