ブリッジ エーシア ジャパン
認定NPO法人

ミャンマー支援募金「あきらめない未来」地震と内戦、それぞれの現場で支援を続けたい!

支援総額
162,000
54%
目標金額 300,000
サポーター
14
残り
8
2025年09月30日 23時59分 まで
夏募金キャンペーンでクラウドファンディングをおこないます。テーマはミャンマー支援です。地震と内戦、それぞれの現場で何が起きているのか率直に情報発信します。これからも活動をつづけていくためのご支援とご協力を何卒よろしくお願いします。
2025-09-22 18:51
【特別公開】会員さんの被災地レポート①
6月上旬にミャンマーの被災地視察に同行してくださった個人会員の方(Nishidaさん)の出張レポートをご紹介します。当時の記録としての紀行文(6月下旬に執筆)として素晴らしいですし、土木技術職の観点から見た被災地の風景がとても貴重です。ぜひご一読ください!

こんにちは、新石です。土曜のシェア祭り、ありがとうございました!!
本日は、いつか皆さんにご紹介したかったレポートをついに公開。6月のミャンマー出張に同行してくださった個人会員の方(Nisidaさん)の紀行文です。当時の現地の状況やミャンマーの雰囲気がよく伝わる文章ですので、ぜひともご一読ください。それでははじまり~!

ミャンマー被災地レポート(2025年6月29日) NISHIDA Koichi

6月3日から5日間、事務局長のミャンマー出張に同行させていただき、ミャンマー地震の被災地を回ってきました。地方自治体職員として、また土木技術職としての視点から被災状況の報告をします。   

2025年3月28日12:50(ミャンマー標準時)、マンダレー近郊を震源地として、マグニチュード7.7の地震が発生。

太古にインド大陸がユーラシア大陸に衝突した際にできたといわれる、長さ1,000㎞に及ぶザガイン断層が、ミャンマー中央部を南北に走っている。その断層に沿ってヤンゴン、ネピドー、マンダレーと大都市が分布している。今回の地震は、この断層が横ずれを起こしたことが原因。国土地理院の発表では、ネピドー北部で最大6mのずれが発生したとのこと。

(上図像:国土地理院記者発表資料より)

地震による死者は、4月時点での政府発表で3,700人以上とのことだが、内戦の影響もあり未だ被害の全容は把握できていないと思われる。

ヤンゴン到着翌日、朝5時出発で、BAJヤンゴン事務所の車でネピドーへ向かう。
ヤンゴン郊外に出ると田園が広がっている。この辺りの土は赤土のようだ。と言っても日本の赤土よりずっと赤い。鮮やかなレンガ色である。

ヤンゴンとネピドーを結ぶ国道1号は有料道路で、広い中央分離帯を挟んで片側2車線のハイウェイだ。ネピドーまで240マイル、約400キロの道のりだ。路側帯は未舗装の草地で車道よりも広い。将来拡幅する用地と思われるが、よくウシを見かける。

(上写真:国道1号ハイウェイ、広い路側帯は復旧時の作業ヤードにもなっていた)

ネピドーに近づくとともにハイウェイにも地震の爪痕が見られるようになる。地震で路面が沈下したため、橋梁ジョイント部に段差ができている。舗装で応急復旧されているが、中には大きな段差が残っているものもあり、橋梁が見えるたびに速度低下を強いられる。

(上写真:橋梁取合部の破損が著しい)

復旧作業中の橋も多くあり、橋ごと作業進度が異なるために、いくつか通過すると作業工程が見えてくる。一つ一つの現場に多くの作業員が投入されており、この道路の復旧がいかに重要であるかがうかがえる。

段差部分の補修は、下がった舗装面の上に高さ調整の砂利を敷く。日本で用いられる0~40mmの切込砕石ではなくて、100mm位の平割石を並べる。これを作業員が手で並べるのだ。この仕事は女性労働者の仕事のようで、4人ほどが横一列に並んで隙間なく成形しながら割石を並べる。作業服は支給されていないらしく、みんな私服である。中には編み笠の人も。

(上写真:砕石を人力整正する女性作業員。ここは橋梁上で調整している)

砂利敷設の次はプライムコート。アスファルト舗装との付着をよくするためにタールを散布する作業である。焚火の上に半割ドラム缶を置いてアスファルト溶材を煮詰める。それを作業員が一斗缶ですくって散布する。一斗缶の底には穴が1列あいていて、すくったそばから、そこから滴り落ちるので、作業員が一気に疾走する。タンデムローラは見かけたが、ディストリビューターは見かけなかった。

ヤンゴンから165マイル地点にある長大橋では、南行き車線がすべて落橋していて、北行きも1スパン落橋していて仮橋が架けられていた。片側交互通行のため長い待ち時間となる。

(上写真:落橋した南行き車線とその向こうに広がるエーヤワデー川の支流)

一車線の仮橋をゆるゆる進む中、タイヤの真横の狭い空間で女性作業員が人力作業をしている。危険な作業だと思う。

(上写真:1スパンが落橋し仮橋を交互通行する北行き車線)

首都の入口には検問所が設けられ入域する者の身分を確認している。検問所の向こうの草っ原ではウシが3頭ほど優雅に草を喰んでいる。

検問所を抜けると、片側4車線の広い道路が続く。道路脇の街路樹の背が高いのと、建物はみな敷地のずいぶん奥に建っているせいで、道路からは建物がほとんど見えない。敷地に余裕があるので、高層ビルも必要ないのだろう。

(上写真:ネピドーの高規格道路。交通量は少ない)

広い道路の傍らに激しく被災した集合住宅を目にした。聞けば公務員宿舎とのこと。犠牲者も何人か出たとも。住宅の横に青いテントが並んでいて避難生活を強いられていることが伺える。別の場所に仮設住宅が作られているのも目にしたが、まだ供用には至っていないようだ。

とある交差点で道路法面の復旧現場を見にした。ブロック積み斜面が崩壊したように思えたが、よく見ると表面のコンクリート版が剥がれ落ちて切土面が露出しているように見える。切土面に見えたがブレーカーで破砕しているところから胴込めコンクリートなのかもしれない。これがこの地方での一般的な斜面対策工法なのだろうか。基礎が路面よりも大きく浮き上がっている点も気になるが、停車する訳にもいかなかったので原因は不明のまま。

【つづきはまた明日!】

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