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11年前のクリスマスの夜、学生だった私はアルバイトの面接のためにBankART Studio NYKのオフィスを訪れ、そこで池田修さんに初めてお会いしました。突如現代アートに関する質問をいくつか投げかけられるも、一つも答えることができず、池田さんからは「赤ちゃんだな」と言われましたが、それでも採用いただいたことが嬉しかったのを覚えています。それ以来、アルバイトと様々な事業を手伝ったり、作家として展示に参加するなど、BankARTとの関わりを深めていきました。BankARTと出会わなかったら、こんなにも現代アートに触れることもなかっただろうし、地元横浜をここまで好きになることはなかったと思います。
そしてなにより、今の私はBankARTが結んでくれた数多くのご縁によって作家活動を続けることができています。これはあのクリスマスの日から続く、池田さんからの終わらないプレゼントのようなものだと感じています。
20年間、アーティストや創造都市の活性化のために歩んできたBankARTが今、クラウドファンディングという形で支援を求めています。私にとってそれに応えない理由はなく、微力ながら寄付をさせていただきました。ただ、自身を含め誰もが潤沢な寄付金があるわけではありませんし、支援の形はクラウドファンディングだけではないとも思っています。
そこで、今自分に出来ることをやりたいという気持ちから、アーティストを中心とした有志でBankART Station最後の展覧会「アライブ!展」を企画しています。展覧会を通じて、作家として作品を出展すること、コレクターとして作品を購入すること、集まった人々でBankARTのこれからを語り合うこと。さまざまな形で、BankARTの未来を祝し、支える一歩になる場所が作れたならと試行錯誤中です。こちらも一人でも多くの方にご参加いただければ嬉しいです。大切な活動がこれからも続きますように。
山本愛子
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