2004年、横浜市の創造都市構想のリーディング事業として始まったBankART1929は、歴史的建造物や港湾倉庫等を文化芸術活動の拠点として活用し、移転を繰り返しつつも、都市とアートを開く活動を継続してきました。しかし2024年11月に横浜市から発表された、2025年度以降のBankART Stationの場所(新高島駅B1F)の運営者公募にBankART1929は採択されず、来年度から市の補助金が打ち切られることが決定、BankART Station 及びKAIKOは今年度末をもって終了することになりました。 20年にわたる横浜市との関係性を変えざるを得なくなった現在の課題として、3月末までに既に決まっている事業を展開しながら2施設を完全撤収するために荷物の移動先と資金を自前で調達しなければならないこと、同時に来年度以降の活動拠点と経済構造を急ピッチで再構築しなければならない、という差し迫った状況があります。
現在のBankARTはこれまで活動を共にしてくれたアーティストやクリエイター、関係者や観客の皆様方とともにつくってきた運動体です。その蓄積を未来につなぎ、さらに自由に拡がっていくため、芸術活動やまちづくりを大切にしている多くの方々と共に活動継続していくために、初のクラウドファンディングに挑戦します。このピンチをチャンスに変えるべく、ご支援の程よろしくお願い致します。
2025-02-08 18:00
野田邦弘さんから応援メッセージをいただきました!
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応援メッセージ Vol.26
野田邦弘(元文化芸術都市創造事業本部創造都市推進課担当課長)
本文はこちら→
BankARTとは何か
横浜市は2004年創造都市政策をスタートさせる。そのリーディング・プロジェクト「歴史的建築物文化芸術活用実験事業」には20を超える団体が応募し、選考の結果BankARTが選ばれた。
2つの元銀行の建物におけるこのプロジェクトの目的は、「文化芸術分野で活躍する市民やNPOのアイデア、活動力、創造性を活かした文化・芸術活動に関する具体的な事業運営を行う」ための運営ソフト開発であった(募集要項)。
BankARTは、事業開始早々旧富士銀行から立ち退くことになる。その後、BankART Studio NYK、ハンマーヘッドスタジオ(新港ピア)、BankART Home、R16 studio、BankART SILK、BankART Station、BankART KAIKO、BankART Temporaryなど、場所を転々としながらアート活動を継続した。BankARTの活動は、北仲BRICK & 北仲WHITE、本町ビルシゴカイなど民間ビルの集合アトリエ化を促進した。一方で、当時横浜市が活用法を検討していた関東財務局ビルがZAIMとして整備され、横浜トリエンナーレ2005の拠点となるなど、市文化政策にも影響を与えた。
横浜市が当初期待した「歴史的建築物でアートプロジェクトを行うソフト開発」は達成され、次のフェーズとして芸術不動産の取り組みも始まっている。これまで20年間培ってきた、国内外とのネットワークを活かして、今後は、横浜市18区へ対象領域を拡大すると同時に、海外との交流といったグローバルな展開も充実させて欲しい。
野田邦弘
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