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2015年初めてBankART Studio NYKを訪れた。港のすぐそばの倉庫をリノベーションしたコンクリートと大きな柱のスタジオ。博物館にありそうな古い大きな什器と積まれたたくさんのセレクト本、波と街の景色が見える風の通るパブ、人が集いワインやビール、コーヒーを片手にそれぞれの時間を過ごしている、かっこいいっ、コーヒーは200円だった、貧乏な私たちも気ままに好きなだけ気持ちよく過ごせた。2階や3階のギャラリー、図書室や川俣ホール、バルコニーには巨大なギプスの足のようなよく分からないけど大きな存在感のある作品が置かれていて、どの場面を思い出して切り取っても、さりげなくてドカンドカンとしていて、強くて丁寧でシンプルで潔く清々しい場所がつくられていて、現代美術とかを街の界隈で活動発信して、沸いている、、、最高じゃないですかっ。こんなかっこよくておしゃれで居心地のいい、人が集まる場所があるなんて、横浜すごすぎるっと思ったのがBankARTとの出会い。
2016年の春、私たちは横浜での短期滞在を終え、行くあてもなくお金もなく途方に暮れていたとき、BankART でスタジオプログラムがあると聞き参加した。噂によると中の人は怖いらしい、1週間くらい通って制作していると怖いと噂の池田さんがにこにこ話しかけてきた、それからビールやワイン、きのうのカレー、育てたシソごはんとかをご馳走してくれて、一緒に飲みながら横浜の歴史やプロジェクトの話を聞いた。面白かった。わくわくした。予想もしなかった見たかった景色をBankARTが見せてくれた。それからBankARTが繋いでくれた縁や蒔いてくれた種で制作発表する機会に恵まれ、わたしたちは今まで美術を続けて生きてこれた。BankARTがあったから横浜の近くに住もうと思い、BankARTの活動をいつも楽しみにして、時々参加した。BankARTがあるから、希望と、これでいいのだという勇気と、出会いをたくさんもらった。そしてこれからもまだまだ絶対続けてほしい。
片岡純也+岩竹理恵
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