2004年、横浜市の創造都市構想のリーディング事業として始まったBankART1929は、歴史的建造物や港湾倉庫等を文化芸術活動の拠点として活用し、移転を繰り返しつつも、都市とアートを開く活動を継続してきました。しかし2024年11月に横浜市から発表された、2025年度以降のBankART Stationの場所(新高島駅B1F)の運営者公募にBankART1929は採択されず、来年度から市の補助金が打ち切られることが決定、BankART Station 及びKAIKOは今年度末をもって終了することになりました。 20年にわたる横浜市との関係性を変えざるを得なくなった現在の課題として、3月末までに既に決まっている事業を展開しながら2施設を完全撤収するために荷物の移動先と資金を自前で調達しなければならないこと、同時に来年度以降の活動拠点と経済構造を急ピッチで再構築しなければならない、という差し迫った状況があります。
現在のBankARTはこれまで活動を共にしてくれたアーティストやクリエイター、関係者や観客の皆様方とともにつくってきた運動体です。その蓄積を未来につなぎ、さらに自由に拡がっていくため、芸術活動やまちづくりを大切にしている多くの方々と共に活動継続していくために、初のクラウドファンディングに挑戦します。このピンチをチャンスに変えるべく、ご支援の程よろしくお願い致します。
2025-02-21 19:00
伊東純子さんから応援メッセージをいただきました!
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応援メッセージ Vol.50
伊東純子(デザイナー/アーティスト)
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今年1月から、BankART1929と株式会社横浜都市みらいが共同運営している、ExPLOT Studioの実証実験事業に入居アーティストの一人として参加しています。元アンパンマンミュージアム、2020年ヨコトリの会場にもなったPLOT48の建物は、外観が船のようで、高い建物が増えどんどん空が狭くなっているみなとみらいの端っこに、夢の名残りのように泊っています。ここをアーティストのシェアスタジオにしようなどという考えは、BankARTならでは。広大ながらんとしたスペースは、スタッフのマジックであっという間に居心地の良い素敵な空間になりました。
これまでもBankARTのあるスペースは、とにかく大きくて広くて、包容力のある印象深い、大好きな場所ばかりでした。アートを体験できるだけでなく、制作の過程を含めアーティストを守ってくれる、アートへの深い愛を感じられる、BankARTという大きな存在がなくなるなんて考えられません。
私は、古い着物をほどいて洋服に仕立て直す「着物服」プロジェクトを続けていますが、それぞれの家庭からいただく古い着物には、家族の歴史と生活の名残も一緒に付いて来たりします。「九十九(つくも)神」というように、モノは100年近くなるともはやモノではなくなるそうです。BankARTの20年という歳月で、アートの愛に触れられた方々が、今こうして協力できる機会につながっている訳で、どんな形であれ、BankARTはきっと存続し続けると信じて、心から応援しています。
この銀行BANKは、お金では買えない、アートの素晴らしさや優しさ、人々の想像力を、何倍にも増やしてくれることと思います。
伊東純子
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