私たち「ちばのWA地域づくり基金」について
ちばのWA地域づくり基金は、あらゆる人たちが主体的に地域の未来を担い合うために必要な資源(人・もの・資金・情報)を循環させる仕組みをつくり、持続可能な地域社会の実現に寄与することを目的とした市民コミュニティ財団です。
千葉県唯一の市民コミュニティ財団として、市民や企業からの寄付をお預かりし、地域や社会の中で困っている、苦しんでいる、孤立する方々を支えようとする活動に対し、助成金・組織基盤強化などで支援しています。2012年の設立以来、多くの市民公益活動団体のみなさんといっしょに、千葉県内の課題解決に向けて取り組んできました。
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この寄付キャンペーンについて
当財団では、すべての子どもが夢をあきらめずに将来を選択できる社会を実現するために、2014年に「子どもの今と未来を支える基金」を設置し、これまで23団体・総額約700万円の助成を行ってきました。
さまざまな困難さを抱える千葉県内の子どもたちを助成を通じて支援していく中で、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大や物価高騰は、経済的困難を抱える家庭の子どもたちの「格差」をより深刻なものにしていることが見えてきました。
例えば、課題解決の最前線にいる団体の方からはこんな声を聞くことが増えています。
「親御さんの失業以降、居場所に来なくなってしまった子がいて…。親子で孤立しているのではないかと心配しているんです」
「家の経済状況が悪化して塾や習いごと、部活を辞めなければならなくなった。という子の話をよく聞きます」
「海や山でのイベントの参加者を募集すると、『靴やウエアが買えないから参加できない』という子が一定数います」
このような現場の声を受け、私たちは「子どもの今と未来を支える基金」を、「体験の格差」というコロナ禍・物価高騰を機に顕在化しはじめた子どもたちの課題解決に活用したいと考え、2023年2月6日から3月31日まで第1回の寄付キャンペーン「経済的困難を抱える家庭の子どもたちの未来を支えたい」にチャレンジ、115名の方から総額1,493,000円のご寄付をいただきました。その後、「経済格差を『体験の格差』につなげないための助成プログラム」を実施し、審査を経て5団体の事業を採択。2023年7月からは、子どもたちの体験の格差の解消を目指し5団体が本助成金を活用して事業を行っています。
2024年度も引き続き経済的困難を抱える家庭の子どもたちの「体験の格差」の解消をテーマとして助成プログラムを実施するために、この第2回寄付キャンペーンでご寄付を募り県内で子どもたちのために活動する団体のさらなる拡充を図りたいと考えています。
「格差」で取り残される子どものいない千葉を実現するために、あなたのご支援が必要です。
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経済格差を「体験の格差」につなげないために
子どもたちの「体験の格差」が顕在化しています。
保護者の経済状況や保護者自身の体験の多寡に依るところが大きい学外での体験活動においては、コロナ禍前の活動を取り戻し始めた子どもたちがいる一方、経済的事情により「体験」や「学び」の機会を得られない・がまんしなければならない子どもたちもいます。「経済格差」は「体験の格差」につながっているのです。
長引くコロナ禍と原油価格・物価高騰により経済的困難を抱える家庭が増えるなか、「体験の格差」は今後ますます広がっていくと考えられます。
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なぜ、子どもたちに「体験」が必要なのか
令和2年度「体験活動等を通じた青少年自立支援プロジェクト」 青少年の体験活動の推進に関する調査研究によると「小学生の頃に体験活動(自然体験、社会体験、文化的体験)や読書、お手伝いを多くしていた子どもは、その後、高校生の時に自尊感情(自分に対して肯定的、自分に満足している、など)や外向性(自分のことを活発だと思う)、精神的な回復力(新しいことに興味を持つ、自分の感情を調整する、将来に対して前向き、など)といった項目の得点が高くなる傾向が見られること」「小学校の時に体験活動を十分に行っていると、家庭の経済状況に関わらず良い影響が見られること」が明らかになりました。
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上記のように、経験した内容(体験、読書、遊び、お手伝い)によって良い影響が見られる意識が異なること、さらに良い影響があらわれる時期も異なることから、ひとつの体験・経験だけでなく、さまざまな体験・経験を継続的に得ることが大切であるといわれています。
しかし、千葉県内で活動をする団体からは、ネグレクトや低所得世帯など家庭に困難を抱える子どもの多くは、旅行や習い事だけでなく、料理をつくることや衣類を洗濯したりアイロンをかけるなどの「家の中でのお手伝い」を経験する家庭環境にない場合が多く、その結果周囲となじめず学校でもいじめや仲間外れの対象となったり、孤立してしまう傾向がある、という現状を聞いています。
私たちは、経済的困難を抱える家庭の子どもたちが未来をあきらめることなく成長するには、衣・食・住の充実だけではなく、豊富な体験を通して非認知能力(※)を獲得することが重要であると考えています。
※非認知能力:「認知能力」とはIQや学業達成など、学力テスト等で測定可能な能力を指しており、「非認知 能力」とは自制心、勤勉性、外交性、協調性などその他の要素を指す。(日本財団「家庭の経済格差と子どもの認知・非認知能力格差の関係分析」(2018年)より)
「最近、新聞やテレビで『体験格差』という言葉をよく聞く」と感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
東洋経済オンライン 5月28日 「世帯年収による差が2.6倍、学力格差にもつながる『子どもの体験格差』とは
毎日新聞 8月7日 広がる子どもの「体験格差」
朝日新聞 8月9日 子どもの「体験格差」、将来にも影響? 専門家、大切なのは「質」
このように、さまざまなメディアで「体験の格差」が取り上げられることが増えてきました。関心の高まりを一時的なものに終わらせないために、私たちはこの課題を解決するための助成プログラムを2024年度も実施したいと思います。
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ちばのWAがこのプロジェクトで目指すこと/実現したいこと
- 経済的困難を抱える家庭の子どもたちの「今」を、子どもたちへの「体験」「学び」の機会を提供する複数の団体といっしょに支え、千葉県内における「体験の格差」の解消を目指します。
- 子どもの健やかな成長を確かなものにしていくためには、ひとつだけでなく、多様な経験をすることが必要です。一人でも多くの子どもに「体験」「学び」の機会を届けるために、千葉県内での子どもの「体験」「学び」の機会の充実を図ります。
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2023年度に実施した助成プログラムでは1事業あたり20万円を上限に申請していただきましたが、事業総額は7団体で合計約240万円でした。前回の助成プログラムを通じて「5~10団体で事業総額240万円程度は必要である」ということが把握できたので、今回の第2回寄付キャンペーンでは170万円のご寄付を募り、第1回寄付キャンペーンでのご寄付と併せて総額240万円の助成プログラムを実施いたします。
寄付金の使途/想定する団体/助成スケジュール
ご寄付は以下のように使わせていただきます。(第1回寄付キャンペーン+第2回寄付キャンペーン=合計240万円の使途)
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想定する団体(下記①②のいずれにも該当する団体を想定しています)
①困難を抱える家庭の子どもたちに、以下の「体験」「学び」の機会を提供する団体
例えば、キャンプ、ハイキング、美術・音楽・映画・博物館・演劇鑑賞、プレーパーク、読書、職業体験・見学、創作、工作、スポーツ観戦、ものづくり、プログラミング、実験、演奏 など
②行政など地域のステークホルダーとの連携を計画できる団体
例えば、行政やスクールソーシャルワーカーを通じて家庭や子どもたちとつながる、活動地域における行政へのつなぎ役 など
助成スケジュール(予定)
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実績
第1回の寄付キャンペーンは実施中からメディアの関心も高く、
2月21日(火) チバテレ「ちば朝ライブ・モーニングこんぱす」
3月 2日(木) チバテレ「newsちば」
3月 3日(金) 東京新聞千葉版「子どもの『体験格差』解消へ」
などで、取り上げていただきました。
そして、第1回の寄付キャンペーンでいただいたご寄付を原資に、以下の助成を実施いたしました。
子どもの今と未来を支える基金(経済格差を『体験の格差』につなげないための助成プログラム)
公募期間:2023年4月25日(火)から5月31日(水)
申請件数:7件 採択件数:5件 助成総額:760,000円
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7月には贈呈式も行い、各団体の皆さんから「ご寄付をどのように活用していくのか」や「抱負」、「事業や受益者への想い」をお話しいただきました。
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この日の様子も、東京新聞千葉版に取り上げていただきました。
7月12日 東京新聞千葉版「校外の『体験格差』解消へ 千葉市の公益財団法人」
現在、5団体が子どもたちの体験の格差の解消を目指し採択事業を実施しています!
ご支援をいただいた方には
ご支援をいただいた皆さまへは、感謝の気持ちを込めてささやかなお礼をいたします。
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税制優遇について
ちばのWA地域づくり基金は、千葉県より公益財団法人としての認定を受けています。
当財団へのご寄付は、申告によって、所得税、住民税などの控除を受けることができます。また、相続や遺贈、法人からのご寄付においても税制面での優遇措置があります。
代表者メッセージ
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皆さまにはいつもご支援、ご協力をいただきまして、ありがとうございます。
12月は「Giving December寄付月間」です。1年の締めくくりの時期に、さまざまな社会の課題に向き合い、心を寄せること、寄付でその気持ちを届けるキャンペーンです。ちばのWA地域づくり基金では「経済的困難を抱える家庭の子どもたちの未来を支えたい」と考え、寄付キャンペーンを実施しています。
経済的な理由で「体験活動」や「学びの場」を得にくい子どもたちに、豊かな体験活動を届ける活動を支援したいと考えています。経済的に困っているご家庭では食べることもままならない、ましてや体験活動(自然体験、社会体験、文化的体験)は二の次になってしまいがちです。
子ども時代の豊かな体験活動は、健やかな成長につながり、大人になった時の自己肯定感を育みます。
未来を担う子どもたちに、今必要とする「体験活動」を届けるために、どうぞご寄付をよろしくお願い申し上げます。
公益財団法人ちばのWA地域づくり基金 理事長 牧野昌子