1,NPO法人「チャイルドラインなら」とは
本法人の特徴は子どもからの相談を一般社会人に加えて、可能な限り多く大学生ボランティアに担ってもらおうと考えていることです。全国的に見て活動期間が短期になりがちな大学生ボランティアを積極的に採用しているチャイルドラインは少ないのですが、奈良では子どもの側に立って行動する若者の育成も同時に行いたいと考えています。直接子どもとのやり取りを担当する「受け手」と受け手を支える「支え手」が協力して相談活動を行っています。
2,活動の背景
いじめ・不登校・虐待・孤立化.....etc. これらの子どもたちの成長上の課題は、パワハラやセクハラ・経済効率重視による人間関係の希薄化など大人の姿を映す鏡だと言われています。子どもの話を聴いていると青少年期に通る一般的な戸惑いに加えて、多様性を認めない子ども社会で発生するいじめ、人目が気になり学校でも演技を続ける自分の姿、保護者の不理解から来る自信喪失、経済的な困窮、を訴える場合が多く見られます。本来であれば子どもの周囲に、このような状況を理解し見守る大人の存在が必要だと思われますが、連絡を取って来る子らの周囲にはそのような大人を発見できないようです。電話やチャットの話だけでは現実問題の解決には至らないことを子どもたちは良く知っています。それでも今日も電話がかかってきます。
3,活動の紹介
「チャイルドラインなら」で聴き取った子どもの声を、個人を特定できないような形で紹介します。
・虐待を受けて今施設にいます。将来困っている人を助けたいので法律関係へ進みたいです。(10代男)
・今日、学校を休みました。私抜きで友達が楽しそうに下校する姿を見て、自分は不必要なのかなと思います。(小学校女)
・援助交際を続けています。やめたいのですがやめられません。そして、どうして死にたい気持ちが消えないのでしょうか。(10代女)
・何をしても母に叱られます。「お前は感情を持つな。」と言われてきました。もう諦めました。(中学校男)
私たちは指示を行わず、子どもの声を聴きます。もし子どもたちが『この人は信頼できるかも』『もしかしたら自分は孤立していないのかも』と思ってくれたら、泣いていた子どもの話が「〇△してみようかなあ」という風に変化していきます。傾聴の力は人に寄り添う力です。子どもに限らず、寄り添ってもらった人は少し勇気が出ます。
なお活動の詳細は「チャイルドラインなら」のホームページ(ページ下部にリンクあり)に活動報告を記載していますのでご覧ください。
4,寄付金の使い道について
お寄せいただいた寄付金の使途は「チャイルドラインなら」のホームページの活動計算書に記載した通りですが、私たちは事務経費に加え次の3つの項目を重要視しています。
〇無料の「受け手養成講座」の継続............本法人では多くの大学生の方々に電話の受け手になっていただいています。彼らは子どもに年齢が近く、お兄さんお姉さんの感覚で電話を受けてくれます。大学生さんや一般ボランティアさんに経済的な負担をかけないように無料で「受け手養成講座」を開催しています。相手の顔が見えない・初めて出会う・次に同じ人と話せるかわからない....という特殊な電話相談の世界を学んでいただくために、毎年各分野の専門家をお招きし約20時間の研修を行っています。
〇「駅近の公民館」での活動継続............特に女性の電話受け手さんに安心して活動場所に来ていただくために、電車駅に近い公民館で活動しています。日が暮れてからの活動も行いますので「受け手」ご本人とご家族の心配も軽減したいです。現在公民館の借り受け費が団体の経費を圧迫しています。
〇交通費の支給増額............大学生さんには交通費全額を支給しています。 現在片道交通費で活動場所までおいでいただく社会人ボランティアさんへの交通費を増額したいです。
5,お礼
単発・毎年に関わらず年間5000円以上のご支援をいただいた場合、領収書を発行しメールにて年度末と年度中間に活動報告を送付いたします。公式な報告書に掲載できなかった子どもの声・電話受け手さんの声や活動の裏話などを掲載いたします。このような形で子どもたちから聴き取った事柄や私たちの思いを皆さんにお伝えできるのは、私たちの喜びであるとともに、社会還元の一環と考えています。