①Aさん
ブラジル学校の高校を卒業後、工場で昼夜交代の仕事をしながらお金を貯め、英語力を高めました。その後、介護ヘルパーとして働きながら進学の準備を続け、見事に総合型選抜で大学に合格しました。さらに、外国にルーツを持つ子どもたちを支援する有名な奨学金にも合格。エッセイは何度も書き直しながら挑戦を続けました。将来は、外国にルーツを持つ子どもたちを支える心理士になることを目指し、大学院への進学も視野に入れています。
活動・団体の紹介

こんにちは。
私たち特定非営利活動法人希望の光は、ブラジルルーツのスタッフが中心となり、「ことば」でつなぐ、誰も取り残さない学びを実現しています。代表理事である山家ヤスエ自身がブラジルルーツであることから、当事者として子どもたちの苦悩や夢を身近に感じながら、母語と日本語を活かした教育支援に全力で取り組んでいます。

希望の光では、現在「進学支援プログラム」「KIBOUクラブ」「KIBOUフリースクール」「ブラジル学校エスコーラネクター」の4つの活動を軸に進めています。
希望の光公式サイト:https://npokibounohikari.com/i...
外国ルーツの子どもたちはなぜ困っている?

みなさんの学校には外国ルーツの同級生が何人いましたか?
私たちの活動拠点である愛知県豊田市は、自動車産業の担い手として外国人労働者が多く、なかでもブラジル人が多く住んでいます。
愛知県全体で見てみると、11,920人の子どもたちが日本語で勉強することができず、そのうち4,827人がブラジルルーツの子どもたちです。これは非常に深刻な問題です。
例えば、以下の問題を翻訳ツールを使用せずに解いてください。(ポルトガル語)
Hanako-san comprou três maçãs por 100 ienes. Quanto é que pagou por elas?
答えはわかりましたか?
これは小学校低学年レベルの簡単な問題です。けれども、急に言われたら、読めないし、解けません。焦りや挫折感、やるせなさを感じている子どもたちが、今も全国各地で苦しんでいます。
実際に、この状況から自力で勉学に励むことは難しく、ブラジルルーツの子どもたちの進学実績は日本人の子どもたちと比べて低いのが現状です。母国語であれば優秀であった子どもたちが、日本語という壁で苦しんでいて、支援を必要としています。
今、未来の多文化共生社会をリードしていく子どもたちの人生に、希望の光が必要なのです。私たちは、そんな子どもたちをポルトガル語と日本語の両方を用いながらサポートをしています。
昨年度の実績について~進学支援プログラムより~

私たちの活動の1つに「進学支援プログラム」があります。このプログラムは、進学に必要な日本語教育とキャリア教育*を提供することで、外国ルーツの子どもたちが自らの可能性を広げ、社会で活躍できるように支援するものです。
※外国ルーツの若者を対象とした進学支援を提供する任意団体Carreira no Japão を運営する東京都立大学吉岡ラファエラ特任助教がプログラムの設計および進学コンサルティングを担当。
今の時代、大学や専門学校への進学はかなり一般的になってきました。しかし、ブラジル学校の子どもたちの進学率はまだまだ低く、ここに私たち日本人とのギャップが確かに存在しています。
実際に、今年度の説明会でこんな感想を書いてくれた子がいました。
「自分の将来について考えるきっかけを与えてくださってありがとうございます。大学に進学することは自分には無理だと思っていたので、「希望の光」の進学支援プログラムの話を聞いたとき、あまりにも感動して、教室で涙が出そうになりました。勉強を続けようという前向きな気持ちと、明るい未来に向けて頑張ろうという気持ちを感じさせてもらったことに感謝しています。」
この子は、私たちの説明会に参加後、今年度のプログラムに参加する意思を伝えてくれました。ブラジル学校から大学・専門学校に進学する子どもはほとんどいません。みんなできないと思っているのです。けれども、学ぶ意思があれば、ひとりひとりに適した学びのサポートがあれば、そんなことはありません。
ここで、実際に昨年度のプログラムに参加し、見事合格を果たした生徒さんを紹介します。
②Bさん
ブラジルの高校を卒業後すぐに来日し、日本語を独学で学びながらN2レベルまで習得。英語力を武器に、有名私立大学に見事合格。さらに、海外の大学からフルスカラシップのオファーも受けていたが、日本でのキャリアを見据え、有名私立大学への進学を選択した。将来は大学院へ進学し、英語講師として日本の教育に貢献することを目指している。
昨年度は10人の生徒さんが志望校に合格しました!みなさん、本当によく頑張ってくれました。合格おめでとう!

そして、今期の進学支援プログラムには、10人のユースたちが参加してくれます!みんなの今後の成長を全力でサポートしていきたいと思います。
進学支援プログラムは無償で行っている活動です。みんなの人生に希望の光を照らす活動に一緒に参加していただけると嬉しいです。
将来のお話

私たちは、誰も取り残されない多⽂化共⽣社会を目指し、活動を行っています。ブラジル学校エスコーラネクターに関しては、開校30周年を迎えました。今後も、困っている子どもたちがいなくなるまで、私たちの活動は続きます。
学ぶ意思はあるのに日本語の授業についていけない子、文化的なギャップに苦しむ子、進学の意思がありサポートを必要としている子。さまざまな問題を抱える子どもたちにとって、私たちは常に見方であり続け、支援をしたいと考えています。
「かわいそう」や「同情」ではなく、子どもたちが前向きに、明るい未来の話ができる環境を私たちとともに整えていきませんか?
みなさんのお力添えをお願いしたいです。
寄付金の使い道について

今回頂いた寄付金は、主に進学支援プログラムやブラジル学校エスコーラネクターの運営費に充てられます。
1,000円の定額寄付を30名の方からいただければ、進学支援プログラムで週に2回、10人の子どもたちに日本語の授業を提供し続けることができます。
さらに、5,000円の定額寄付を10名の方からいただければ、学校に通えていない15歳以上の子ども2名が、貧困のサイクルから抜け出し、進学の機会を得られ、明るい未来を目指すことができます。
また、定額寄付はハードルが高いという方もいらっしゃると思い、単発での寄付も募集しています。外国ルーツの子どもたちが抱える問題について、ともに考えていきませんか?
みなさんのあたたかいご支援をお待ちしております。