「社会的養護」と「自立」
「社会的養護」とは、何らかの理由で親の元で生活をすることが難しい状況にある子ども達を、公的な責任のもと、社会全体で育てる仕組みのことをいいます。
対象児童は全国に約45,000人。児童養護施設や自立援助ホーム、乳児院、里親家庭やファミリーホームなどで生活しています。
社会的養護下にある若者は、その多くが高校卒業と同時に自立します。親を頼ることのできない彼ら彼女らは、家賃や生活費を自分で稼がなければならないため、進学ではなく就職という選択をすることが多いのが現状です。
しかし、東京都の調査によると、児童養護施設退所者の最初に就いた仕事の1年以内離職率は約43%。さまざまな理由から仕事を長く続けることができない若者が数多く存在しています。
早期離職はその後の生活にも大きな影響を与えます。非正規雇用や低収入に繋がりやすく、ワーキングプアなどの厳しい生活状況に陥るケースも少なくありません。
子ども達が安心して社会に巣立ち、自立していくために
当団体では以下の活動に取り組んでいます。
1. キャリア教育
- 各種検査の提供
職業適性検査(GATB)や職業興味検査(VRT)などの検査により、得意なことや苦手なこと、関心があることなどを可視化して最適な職業選択に繋げます。本人も知らなかった新しい可能性を発見することもあります。
- 会社見学の機会提供
世の中に数多く存在する職業の中から「自分に合っている仕事」や「やりたい仕事」を見つけるためには、まず知ることが大切です。若者本人が広い視野で職業選択が出来るようにコーディネートします。
- 就労体験の機会提供
実際に仕事を体験したり、職場で働く方々と交流したりすることで見学だけは分からなかったことが見えてきます。仕事内容や会社の雰囲気が自分に合っているかを事前に把握して早期離職を防ぎます。
2. 就職のあっ旋
人材育成に想いがあり、子ども達が置かれている状況に理解のある企業の開拓を行います。また、本人の希望や適性などを考慮しながら、そうした職場で働けるように就職をサポートします。
※有料職業紹介の資格を持つ株式会社フェアスタートが担当しています。
3. 就職後のアフターフォロー
就職後には生活環境がガラリと変わります。慣れない仕事に加え、施設での集団生活から一人暮らしに変わったことで孤独感を感じて仕事を続けられなくなる若者もいます。こうした悩みを抱え込んでしまわないように相談に乗ったり、仲間づくりの場として食事会やイベントを開催したりしています。「職場」と「児童養護施設・里親家庭等」の2者とも連携を取りながら本人の自立を支え、安定して就労を続けられるようにフォローします。
※感染症拡大予防の観点から現在はイベントの開催は自粛しています。
活動実績
団体設立当初は神奈川県や東京都での活動が主でしたが、皆さまのご支援のおかげで徐々に全国へと広がっています。
※1 主な利用施設:児童養護施設、自立援助ホーム、児童自立支援施設、児童心理治療施設、母子生活支援施設、シェルター
※2 神奈川県、東京都、千葉県、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県、福島県、静岡県、岡山県 における累計
(2022年5月時点)
ご支援の使い道
皆さまから頂いたご寄付は、就労支援の活動費として大切に活用させていただきます。
<寄付金の使途例>
- 職業適性検査・職業興味検査などの検査用品購入費、各施設への郵送費、実施対応費
- 就職相談対応や会社見学・就労体験のコーディネート費
- 施設訪問や会社見学・就労体験同行時などの交通費
- 施設職員向け就職支援勉強会の開催費
- 退所者等のインタビュー冊子「エール」の発行費(印刷製本費、ライター謝金、施設への配送費など)
領収書について
領収書をご希望のマンスリーサポーター様には、1年分のご寄付をまとめた年間領収書を翌年の1月下旬頃にお送りしております。
年間領収書の対象は、1月1日から12月31日の間に決済いただいたご寄付です。
※ご寄付の受領日について
クレジットカードによるご寄付につきましては、「クレジットカード決済日」が受領日(領収書に記載する日付)となります。
※法人の方へ
決算などのご都合により、年間領収書の送付時期や対象期間の変更が必要な場合には弊団体事務局までご連絡ください。
※年度の途中でご解約された場合
最後のご決済の翌月末頃にそれまでの寄付合計額の領収書をお送りいたします。
社会的養護下の子ども達・若者達の自立をぜひ一緒に支えていただけたら幸いです。
皆さまからのご支援をお待ちしています。
団体概要
特定非営利活動法人フェアスタートサポート
代表者 代表理事 永岡鉄平
住 所 神奈川県横浜市中区北仲通3-33 関内フューチャーセンター214
電 話 045-319-4675
メール info@fair-start.org