活動・団体の紹介
飛騨春慶ネイル倶楽部です。
私達は飛騨春慶塗の塗師職人と共同で飛騨春慶ネイルの活動を通して、伝統工芸である「飛騨春慶」を守り育てるための活動をしています。
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主な活動は、ネイリストの佐藤直子が普段のサロンワーク(sucre nail.)とは別で、ネイルデザイナーとして職人と共同で作品をつくり、国内外へのランウェイショーへ参加・出展する際に「飛騨春慶ネイル」を披露しています(実績は下記へ)。
ちなみにネイルチップは「木」。飛騨春慶の木地の技術(曲げ・ろくろ)ではネイルの構造を再現することが難しかった為、ネイリストの佐藤が木地師のかわりとなり、木のブロックをネイルで仕様する道具や彫刻刀でネイルのカタチに削っています。
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最近では、NHKでドキュメンタリーが放送されたり、新聞等メディアに取り上げられる機会も増えたため、飛騨地域での認知も広まりつつあり、地域で展示をさせていたく機会も増えてきました。
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作品をつくりショーで披露する・メディア露出が増えるだけでは、まだまだ現状は何も変わらないことに気づき、飛騨春慶連合協同組合さまへご挨拶に伺い、まずは活動のご説明に上がらせていただいたきました。高山市・飛騨春慶連合協同組合・飛騨春慶ネイル倶楽部の3者で「飛騨春慶を飛騨地域の生活で使ってもらう仕組みづくり」をするという高い視座をもって活動をしなければ、この循環する仕組みづくりは完成されないと感じたからです。
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Hidasyunkei nails are the collaboration between Toshihiko Kawahara, a lacquerware craftsman of Hidasyunkei and Naoko Sato, a nail artist. The youngest craftsman of traditional crafts of Hida Takayama, “Hidasyunkei” is 63 years old. Born and raised in Hida Takayama, Sato has started this project in tandem with Kawahara in 2023, aiming to save Hidasyunkei from the crisis of lacking successors. The challenges of Kawahara and Sato have just started. Please take this Hidasyunkei and Hidasyunkei nails in your hands to have a good look and enjoy the best luster. Hidasyunkei Nail Collection 2024 in Hida Takayama:; currently the event is in preparation.
Instagram @hidashunkei_nail
活動の背景、社会課題について
活動の背景は、ネイルデザイナーの佐藤がコロナをきっかけに日本のネイリストを海外で価値創造するネクストキャリアを目指すコミュニティ「爪華師(そうかし)」に加入したことからはじまります。
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爪華師では2019年より、4大コレクション〈パリ・ミラノ・ニューヨーク・ロンドン〉の4都市で開催されるファッションウィークでネイルのランウェイショーを行っています。そこに持っていくネイル作品として「飛騨春慶ネイル」をつくり始めました。
▼東京@The Prince Park Tower Tokyoでのネイルランウェイショーの様子(44:57〜「飛騨高山の自然をモチーフにしたネイル/飛騨春慶ネイル」佐藤直子作品)
https://www.youtube.com/live/DB87XAAKbSg?feature=share
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「せっかく世界に行くなら、わたしにしかつくれない作品にしたい」そう思った佐藤は、自身が生まれ育った飛騨高山の伝統工芸に着目します。“飛騨春慶とはどんなものか”“どのようにつくられているのか”学ぶために訪れた工房、それが職人との出会いです。
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まず訪れたのは、川原春慶工房の塗師職人の川原俊彦さん。春慶とはどういったものか、どのようにつくられているのか丁寧に教えていただきました。それと合わせて、飛騨春慶のリアルな現状を知ることになります。「時代のせいなのか漆器が売れない」「有名なデザイナーとコラボする話もあったが、継続したためしがない」「弟子はいるけども食べていけるか心配だ」
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木地職人の川上さんの工房へもお邪魔しました。ろくろの機械を実際に回し、木地をつくってくださったり、春慶のコップでホットコーヒーもだしてくださいました。川上さんも弟子を育てられ、ご自身も木工スクールで講師を勤めていたりと職人としてアツく、やさしい方。
川上さんもまた、同じ課題感をお持ちのようでした。
このような現状を知った上で飛騨の町や自分の家、ご近所さんのお家を見てみると、意外や意外春慶がたくさん。家紋を一位一刀彫と飛騨春慶でコラボでつくったオブジェが飾られていたり、山田春慶店さんには飛騨春慶のアクセサリーがあったり、福井県永平寺の仏具が飛騨春慶でつくられていることや、20年来の友人のお父様が一刀彫の職人だった...。などなど高山の町に飛騨春慶が溢れていました。
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※永平寺の飛騨春慶の仏具:正宗寺様よりお写真お借りしました。
「使ってもらってこそ職人冥利に尽きます」と言う職人さん。
では、椀や箸、皿が多い飛騨春慶は家庭の食卓にならんだことがあるだろうか?と振り返ると、NO。まだまだ、水に濡らしてはいけない。洗剤で洗えない。ナマ物はのせてはいけない。かぶれる!と扱いが難しくなってしまう誤解が根付いていたりします。故に、大事に箱にしまったままタンスの肥やしになっていたり、安価にかわいくて使い勝手の良いお椀や食器も手に入る時代なので、わざわざ飛騨春慶を使う機会も減ってまうのはいたしかたないことなのか...。
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守り育てるには、まずは子どもたちの手にとってもらうこと。大人が当たり前に飛騨春慶をつかうこと。飛騨の人は春慶を“あえて”使っている。そんな人がひとりでも増えていけば、伝統工芸が循環する、素敵な地域づくりに一役買えるのではないか。そう考えたのです。
塗りなおして使えば、長く使えるのが飛騨春慶の漆器のいいところです。
長く自分に合ったコトと暮らす、ウェルビーイングの時代にも合っています。
いいお皿を買う。長く使えるものを選ぶ。その選択肢に「飛騨春慶」が選ばれることを願って。
活動内容の詳細、実績について
▼ランウェイショー
🇮🇹Milano Nail Fashion Week 2023 S/S(2022.9)
🇫🇷 Paris Collection backstage (2022.10)
🇺🇸New York Nail Fashion Week 2023A/W(2023.02)
🇯🇵JAPAN NAIL FASHION WEEK 2023A/W(2023.04.24)
🇫🇷Paris exhibition @Espace Japon(2023.09)
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▼メディア
NHKまるっとぎふ「東海すごいぜ!」“飛騨春慶ネイル”を世界へ!
中日新聞|2023.6.19「飛騨春慶塗ネイル,米で大反響 岐阜県産ヒノキの付け爪に業界注目」
中日新聞|2023.08.23「春慶塗ネイルの可能性をアピール デザイナー佐藤さんら、高山市長に活動報告」
代表者メッセージ
「やってみなきゃわからない」わたしがチャレンジを辞めない理由です。
高校生の頃から海外で働くことが夢でしたが、当時の私はその夢を諦めてしまった過去もあり、30年以上たった今こうして夢を叶えています。
今は私ひとりの夢ではなく、私が海外へ行ったり、夜遅くまで作品に向き合っている時間を許してくれる家族をはじめ、いつもネイルの施術中に話を聞き応援してくれるお客様、メディアを見て「よっ!世界のなおちゃん、がんばって〜!」と応援してくれる飛騨の方々、職人の川原さん。みなさんのお陰で目的を持つことができて、守り・育て叶えたい夢に変わっています。
ただ現状をみると、私自身もサロンワークの隙間や終わった後でつくる作品づくり、職人の川原さんもご自身の仕事の合間をみて塗ってくだっています。はじめたばかりのことなので、塗っていただく費用すらも安くしていただいていたり、飛騨春慶が必要な場面では費用を出してくださることも。
そして関わってくださっているクリエイティブのチームはみなボランティアです。寄付を募り更にクオリティの高い作品づくりにすることも必要な中、このままでは組合や地域を巻き込んで、事業を大きくしていく術がありません。個人の作品を海外へ持っていく以上のコトにするには支援と仲間が必要だと判断しました。
ぜひ、応援よろしくお願いしたします。
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寄付金の使い道について
■飛騨春慶×ネイルの世界発信するための作品制作
→プラスチックの代用品や模造品での作品づくりではなく、ダイヤや金での作品が必要。
→特別で室の高いギフト需要に答えたい=活動資金の柱に
■飛騨春慶×ネイルを世界に発信するための動画等のクリエイティブ制作
→現在はボランティアで進めている。
■飛騨春慶工房ツアーの企画・実施
→本当に終わっていってしまうかもしれない現状を肌で感じ知ってほしい。
■子どもたち対象の飛騨春慶ワークショップ開催
→自分が住む町の伝統工芸をきちんと知ってほしい。タンスに眠っている飛騨春慶を掘り起こそう!
■飛騨春慶連合協同組合へ飛騨春慶を継続的に発注するための資金
※なにをつくってどう普及させるかは職人さんや市と要相談
(学校給食や成人式の記念品、卒業のお祝いで飛騨春慶連合共同組合から出せるような形にしたい)
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