活動・団体の紹介
公益財団法人 岩城留学生奨学会は、日本とアジア諸国との友好親善に寄与することを目的として1985年3月に設立され、これまでアジア諸国から日本の大学に医学・薬学・化学等の勉学・研究のために留学する学生に対し奨学助成を行ってきました。
この度、令和6年能登半島地震で被災した学生に対し、奨学助成事業を行うこととしました。
活動の背景、社会課題について
<地震により失われたもの>
令和6年能登半島地震により、石川県能登地域に住む皆さんは大きな被害を受けました。住宅等の建物の倒壊、道路・上下水道などのライフラインの途絶、生活の糧を得るための「なりわい」の消失など、市民の生活に与える影響は計り知れません。最も被害が大きかった自治体のひとつである珠洲市では、発災後一ヶ月以上が経過しても、市内にある約10,000軒の家屋等のうち、約8,000軒が準半壊以上の被害を被ったことが判明しており、水道が復旧している世帯は約5,400世帯のうち35世帯のみという状況でした。
そのような直接的な被害はもちろんのことですが、何よりも大きな被害は、市民それぞれの将来の夢や計画が失われてしまったことです。被災地の市民は「一年の計は元旦にあり」と、1月1日の午前中に「どのような1年を過ごすのか」を想い描いたことでしょう。しかしその計画は、数時間後に発生する能登半島地震によって粉々に打ち砕かれてしまいました。
特に大学受験を控えた被災地の高校3年生にとって、能登半島地震はまさに人生を大きく変えてしまうような酷い災害となりました。被災地の高校生の8割は1月13日と14日に実施された共通一次試験の受験を受験できませんでした。経済的な理由で、そもそも大学への進学を諦めた高校生もいると聞いています。能登半島地震は、未来溢れる若者の人生の一部を削り取っていってしまいました。
岩城留学生奨学会は、能登半島地震で被災し、日々不安を抱えながら学業に勤しんでいる学生たちに、将来の不安を少しでも緩和し、学業の継続を諦めることなく、専念できるように奨学助成することとしました。若い人たちが、能登復興と新しい能登に力を発揮してくれることを期待しています。
活動内容の詳細、実績について
<被災地出身の大学生等に奨学金を>
現在大学等に在学中の被災地出身の学生は、今後、経済的な理由で学業の中断を余儀なくされる可能性があります。
能登半島地震からの復興には、数年単位の長い時間がかかることが予想されます。そして、高齢化率50%を超える能登地域の「未来の描き手」となり「復興の担い手」となるのは、被災地出身の若者をおいて他にありません。被災地出身の若者には、能登半島の復興に間接的に携わりながら学業などを通して自分の知識・経験を積み、そして大学等を卒業・終了後に地元である能登半島に戻り具体的な復興に携わる、そんな人財になって欲しいと考えています。
能登半島地震で被災した、大学、大学院、専修学校、短期大学、高等学校、高等専門学校に在籍する学生に対し、年間120万円(月額10万円)の給付型奨学金を支給します。
代表者メッセージ
公益財団法人 岩城留学生奨学会は、日本とアジア諸国との友好親善に寄与することを目的として1985年3月に設立され、これまでアジア諸国から日本の大学に医学・薬学・化学等の勉学・研究のために留学する学生に対し奨学援助を行うとともに、アジア諸国の医学・薬学・化学等の振興に寄与する教育・研究等に対して助成を行ってまいりました。
また、当財団ではこのたび、令和6年能登半島地震に伴い被災した学生に奨学援助を行うことといたしました。能登半島地震で罹災し、日々不安を抱えながら学業に勤しんでいる学生たちに対し、将来の不安を少しでも緩和してもらうこと、また、学業の継続を諦めずに少しでも専念できる機会を支援することが重要であると考えております。また、いずれは能登の復興、新しい能登の担い手となることを期待しております。
基金にご寄付を頂く法人および個人の方も広く募集いたしております。皆さまの温かいご支援をお待ちしております。
寄付金の使い道について
皆様からの寄附金は全額能登半島地震で被災した学生への奨学金として使用させていただきます。