活動・団体の紹介
私たち「就労準備型放課後等デイサービス自由帳」は、大阪府和泉市で中高生を対象とした放課後等デイサービスを運営しています。特徴は大きく二つあります。第一に、小学生高学年から高校生までの年代に特化していること。思春期の子どもたちが安心して過ごせるよう、環境の変化を最小限にしています。第二に、地域の企業様と連携し、実際の職場での体験を提供していることです。これにより、子どもたちは社会の一員としての自覚や将来への具体的なイメージを育むことができます。
自由帳の理念は「君の未来は自分で描く」。ただ安心して過ごす場ではなく、子どもたちが「自分を説明する力」「SOSを発信する力」「自分で決める力」を身につけ、自立に必要な準備を整える場所です。7年間で30名以上の卒業生を輩出し、一般就労や福祉就労など多様な進路へと進んでいます。地域に根差した活動を続ける中で、企業の障がい者雇用への理解も広がり、子どもたちと社会をつなぐ役割を果たしています。
活動の背景、社会課題について
社会的には企業が雇うべき障がい者比率(障がい者雇用率)は毎年高くなっていっています。しかし、現状は障がいを持つ方が働くための経験を得るための社会資源が不足している現状と、企業自体についても多様性を理解し障がいを持つ方が働きやすい環境を準備出来ている会社がまだ少ない現状があります。
解決策としては①障がいを持つ方が中高生の時期から働くことに興味を持ち社会との接点を増やすこと②企業が障がい者を含めた多様性について学ぶ機会を増やすことが大切と考えています。就労準備型放課後等デイサービス自由帳は①の障がい児と社会の接点を作る役割を担っています。
活動内容の詳細、実績について
就労準備型放課後等デイサービス自由帳では、子どもたちが将来社会に出ていくために必要な力を育む多様なプログラムを展開しています。日々の活動では、自己紹介やあいさつ練習、グループワークを通じて「自分を説明する力」や「SOSを発信する力」を磨いています。さらに、地域企業様と連携し、実際の職場での実習や体験活動を行うことで「自分で決める力」や社会性を養います。
これまでに7年間で30名以上の児童が自由帳を卒業し、企業での一般就労や福祉就労に進んでいます。卒業生は就労後の定着率が高く、自由帳での学びが長期的に活きていることが地域からも評価されています。また、自由帳の存在を通じて「進路は就労継続支援B型でいい」という受け身の選択から、子ども自身や保護者が将来の可能性を積極的に模索するようになりました。さらに、職業体験を受け入れる企業様の中には、障がい者雇用に前向きな姿勢を持つようになったという声も増えています。
自由帳の活動は、子どもたちの自立支援にとどまらず、地域全体の意識や環境を変える取り組みへと広がりつつあります。
代表者メッセージ
私は理学療法士として障がい児リハビリや福祉事業に携わってきました。若い頃は「体が自由に動けば幸せになれる」と信じて障がいを持つ子ども達の治療に打ち込んでいましたが、就労継続支援B型の運営を任された経験でその考えは大きく変わりました。利用者の多くは体に不自由がなくても、「誰にも理解されない」「誰も助けてくれない」と悩み、自己決定ができず他人に責任を押し付けて苦しんでいました。その根底には、幼少期から自分で決める経験が少なく「自分を説明できない」「困ったときに助けを求められない」という課題があると気づいたのです。大人になってから人が根本的に変わるのは難しい。だからこそ、子どもの時期から「自分を説明する力」「SOSを発信する力」「自分で決める力」を学ぶことが必要だと確信しました。その思いから、私は就労準備型放課後等デイサービス「自由帳」を立ち上げました。子どもたちが社会に出る前に必要な力を身につけ、自分らしい未来を描けるよう全力で支援しています。
寄付金の使い道について
①児童の職業実習にかかる費用(参加費、交通費、材料費など)
②児童の活動に使う機器などの購入や修理費用(パソコン、3Dプリンタなど)
③児童が外出する際にかかる費用(入場料金、交通費など)