第26回日本成人先天性心疾患学会・学術集会を2025年1月10日(金)から12日(日)まで大阪国際会議場にて開催させていただくことになりました。
先天性心疾患患者の多くは幼少期に手術を含めた治療を経験し、先天性心疾患とともに様々なライフイベントを経験します。日常生活の維持には医療との伴走がかかせません。
そのような方々の看護を含めた医療体制や病態解明など様々なトピックを本学会で議論します。今後の医療体制構築の基盤となるよう、現在もプログラムを含め心を込めて準備中です。
更に、今回の学会テーマを「Something four in ACHD」と致しました。
これは英国のある詩の一節から引用させて頂いた言葉です。
伝統的な結婚式の演出で花嫁に幸せをもたらす「4つの物」、即ち、新しい物、古い物、借りた物、そして青い物です。
ACHD患者の将来のQOL向上(幸せ)にもそれらが必要と感じています。
常に新しい知見を求め(something new)、偉大な過去の知見を踏まえ(something old)、他領域との知見と連携のもと(something borrow)、誠実な思いで(something blue)ACHD患者の診療を心がける。
今回のプログラムもこの4つのsomethingを意識した内容で構成させていただきました。
有意義な議論と様々な想いを展開していただければ幸いです。
成人に達する先天性心疾患患者は急増しています
100人に1人の割合で先天性心疾患を有した子供が出生します。医学の進歩に伴い、そのうち約9割が成人に達することが可能となっています。実際には年間約1万人ずつ成人に達する先天性心疾患(ACHD)患者は増加しており、2020年には総患者数は50-55万人に達しています。
しかし、ACHD患者を取り巻く医療診療体制や日常生活を支える支援体制は、残念ながら発展途上で十分とは言えない状況にあります。
そのため、医療体制の整備の一貫として、本学会開催を通して、現状や今後の課題について議論を深めるとともに、最新の知見の発信と共有を通して、今後の支援体制の構築の一助となるよう開催を予定しています。
プログラム詳細
学術シンポジウム
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シンポジウム1 右心不全を理解する。どう診断し評価する?
- シンポジウム2 ACHD の心不全薬物療法:利尿薬、RAAS 阻害薬、ß 遮断薬、SGLT2 阻害薬
- シンポジウム3 ACHD の不整脈:薬物とアブレーションの役割
- シンポジウム4 ACHD-PH の治療:病態分類からのアプローチ
- シンポジウム5 ACHD の ACP
- シンポジウム6 ACHD のカテ治療:RVOT 治療の現状
- シンポジウム7 高リスク妊娠から学ぶ ACHD 出産:期待と限界
- シンポジウム8 ACHD の移植:いつ考慮? 適応と限界
- シンポジウム9 ACHD 医療の現状と均霑化:地方の取り組み
会長企画
- 会⻑企画1 Double switch 手術は本当に有益か? 遠隔期からの考察
- 会⻑企画2 重症合併症をどう乗り切る? 症例から学ぶ(IE、血栓、AKI、肝不全)
- 会⻑企画3 心エコー図:ACHD の心機能を診る。
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会⻑企画4 遠隔期の外科治療の挑戦:三尖弁
- 会⻑企画5 ACHD 看護の特殊性
- 会⻑企画6 成人 HLHS の QOL の現状
- 会⻑企画7 ACHD の生活習慣病と管理:肥満、高血圧、糖尿病、CKD
- 会⻑企画8 フォンタンと妊娠
- 会⻑企画9 難治性 PLE をどう管理する?
- 会⻑企画 10 ACHD の CRT:どう評価し、どう治療する?
- 会⻑企画 11 体循環(Arch)、肺循環(PAVF、VVC)へのカテ治療の現状
- 会⻑企画 12 ASD カテ治療の限界: 解剖と PH
その他企画
1. 3学会共同研究会(FALD)
2. アイゼンメンジャー症候群
3. ACHD画像の最前線
4. 研究部会セッション
5. 厚労科研報告会
会期中には市民公開講座を開催しACHD患者の認知度普及を図ります。
心臓病のこどもを守る会より2023年生活調査アンケート調査の報告も予定しています。
詳細
開催日時:2025年1月10日(金)から1月12日(日)
会場:大阪国際会議
寄付をいただくことでできること
第26回日本成人先天性心疾患学会総会・学術集会の会場費を含めた運営費用といたします。医療従事者および企業の方以外の参加は無料となっています。
皆様からのご支援をお待ちしております。