こんなことまでできるんです。身体障がい者の心と生活のパートナー、介助犬
介助犬(補助犬)は、ドアの開閉や衣服を脱ぐ手伝いをしてくれたり、携帯電話やテレビのリモコンなど特定の物を手元に持ってきたり、起き上がったり車いすへ移ったりする際の支えになってくれたりなど、肢体不自由者の日常動作を細かくサポートしてくれます。
▼「介助犬はこんなことができるんだよ。」動画で詳しくご紹介!
さらに、緊急時に助けを呼びに行ってくれたり、転びそうになった時は支えてくれたりと、介助犬は身体障がい者の命を守る仕事もしてくれる”パートナー”です。
当協会で多くの介助犬を訓練してきました
当協会では、今まで22頭の介助犬を訓練し、現在は4頭の介助犬を訓練しており、日本の介助犬育成に貢献してきました。2020年度・2021年度の介助犬育成・認定数は日本一です。
※参考:当協会が訓練の認可を受けた2006年以降で、全国で認定された介助犬の総数は153頭(2022年10月1日現在 厚生労働省調べ)。
介助犬が誕生するまで
介助犬のトレーニングには犬の陽気な気質を活用します。犬はとても賢いので基本動作や介助作業的な訓練はどんどん覚えますが、一番重要なのは「人間社会のルールを覚えてもらうこと」です。それを覚えさせるには多くの時間が必要で、しっかりとした介助犬を育成するには訓練だけで1.5〜2年、候補犬探しから、認定までを含めると2−3年を要する場合が少なくありません。
■介助犬に向いている犬
性格が「やんちゃ」過ぎると訓練にならないし、逆に少なすぎると介助動作に興味すら持たないので、介助犬に向いているのは、「ほどほどの好奇心」を持っている子です。
もちろん適さない犬種もいますが、犬種ではなく、貸与するユーザーの身体障害に合わせて体格を決めます。一般的に介助犬の適性があるとされるラブラドール・レトリーバー以外の、シェパード、ボーダーコリー、小型犬のパピヨン等も介助犬になった事例があります。
まずは訓練所での訓練で、犬に人間社会のルールを教えます。
■①基本訓練
「待つ」「座る」「伏せる」「気を散らさない」などの訓練がありますが、ここだけは基本中の基本ですので、普通の家庭犬よりはかなりの忍耐力が求められます。それでも犬たちは一生懸命に耐えて訓練を乗り越えてくれます。その姿は本当に立派で、介助犬達がプライドをもって訓練に取り組んでいるのだと感動させられます
■②介助動作訓練
介助動作訓練は、遊びの延長で教えるので伸び伸びと訓練をしていますが、一つの動作を確実に習得するまでには何百回と同じ動作を訓練します。場所も変えて何回も特訓しますが、一つの動作が出来たときの介助犬達の表情は自身に満ち溢れたものとなります。
↑介助犬ウィリーのゆる〜い訓練の様子1日
③合同訓練
人と犬が合同で訓練を受けるものですが、基礎訓練が終わっている犬と、基礎訓練を知らない人間(介助犬使用希望者)がペアになりますので、ここで頑張らなくてはならないのは人間の方です。犬はあくまでの人間の指示に従って行動するので、人間が犬への指示の出し方を学ばなくてはならず、実はこれが一番難しい部分です。
介助犬を希望する方には「頼まなくても犬がなんでもやってくれる」と思い込んでいる方がとても多いのですが、これは全くの誤解です。いくら訓練を受けた犬でも使用する人がしっかりとした知識を習得していないと3日で介助犬はダメになってしまいます。そのことを覚えていただくのが最大の難所であり、ここも相当の時間と忍耐が必要です。
犬は、来る日も来る日もトレーナーと共に練習を積み重ねて行くことで、ようやく立派な介助犬に成長します。創意工夫が求められる訓練を乗り越えて一人前になった介助犬たちは、一生懸命に身体障がい者のために働いてくれるようになります。
当協会では、介助犬としての基本動作を教えることはもちろん大切ですが、より大事なのは犬自身が介助犬としての自覚を持って、人に世話を焼くことを楽しむことだと考えています。
そのために一番大切なことは、犬が安心して過ごせる環境を整えること。
ユーザー(パートナー)に必要とされている充実感が、安心感や幸福感を犬の心に芽生えさせ、その結果として優秀な介助犬が誕生するのです。
減り続ける介助犬に歯止めを。1,000頭の介助犬を届けたい
私たち日本介助犬福祉協会は、一人でも多くの身体障がい者が介助犬と生活し、毎日笑顔で過ごせるよう、介助犬の育成・認定活動を行っています。
日本で介助犬を希望する肢体不自由者は約1,000人は下らないということが当会独自のリサーチによりわかっていますが、実働している介助犬の数は全国でたったの53頭です。(令和4年時点)
介助犬の実働頭数は2017年の75頭から減り続けており、介助犬を希望している待機者の方になかなか介助犬を届けることができません。
私たちはこの状況を打破し、1,000頭の介助犬を全国に届けるため、皆さまからのご支援が必要です。
なぜ介助犬の数が増えないのか?
官に頼った育成体制の課題
私たちが行っている介助犬は、一般的には「身体障害者補助犬育成給付事業」と呼ばれている厚生労働省が主導する地域生活支援事業の一部に含まれている補助具の一種です。つまり、介助犬の育成にかかる費用の一部がこの予算からでます。但し、ここでの介助犬使用希望資格は身体障害等級が1-2級の方に限られています。
しかし、各都道府県で1年間に給付される介助犬給付枠は基本的には約1~2枠です。介助犬育成事業者として委託を受けたとしても、枠を超えて、年間の介助犬育成に関わる費用をカバーするには、必要な資金が大きく不足しています。(弊団体でも1頭あたり約150〜200万円弱の金額が不足している実情があります。)
寄付によって育成を加速させることができます
介助犬育成に最もネックとなっているのは、資金面の問題です。この状況を打破し、1,000人の身体障がい者に介助犬を提供するには、官に頼らず、これまでと違う形での育成資金の確保が重要です。
私たちはこれからは市民や民間の企業の皆さんの応援を受けて市民の力で介助犬を育成し、必要としている方に届けていきたいと思っています。
(※欧米諸国はそもそも民による支援のみで成り立っています。)
※厚生労働省の補助金を利用して育成した介助犬は、制度上1級・2級の身体障がい者の方にしか介助犬を届けることができませんが、民間の支援で育成した介助犬は、障がいの等級に縛られることなく、介助犬を希望する方々に届けることができます。
一刻も早く介助犬を届けたい
介助犬使用者は、内臓疾患などの身体の不調も抱えている方がほとんどで、私が今までにお会いしてきた方々の多くは「自分の寿命はいつ終わっても不思議ではないから、今日1日を必死に生きています。」と話される方ばかり。
それでも「自分が生きている証として新しいことに挑戦したい」「新しい生活をしてみたい」「介助犬と暮らすことが夢だ」などの希望を胸に毎日を必死に過ごされています。そんな現状を知ってしまうと、私は今の制度では限界があると危機感を抱きました。
私たちは、このような状況を打破し、より多くの介助犬を育て提供するためにも、補助金とその待機時間を気にすることなく、一刻も早く介助犬を全国の希望者に届けたいと考えております。
介助犬の育成に必要なお金
2~3年をかけて1頭の介助犬を育てるのに約300万円が必要となります。
医療費や餌代の他、ユーザーの障がいに合わせた動作をサポートできるよう、多い時には週4日以上、使用希望者の生活圏まで出向いて訓練をこなさなければならないため、多額の交通費もかかります。
また、介助犬は約9歳で引退します。それまで一生懸命働いてくれた介助犬に、老後を幸せに過ごさせてあげるのも育成団体としての役割です。
<介助犬の育成に必要な費用> 介助犬候補犬購入費 介助犬餌代 介助犬医療費 狂犬病予防接種、混合ワクチン、フィラリア薬、ノミ・ダニ薬、健康診断、避妊・去勢手術、怪我や病気の治療費 介助犬トレーナー人件費(新人育成費含む) 介助犬育成施設維持管理費 介助犬訓練の交通費 車輌費用(購入、維持管理費等) 介助犬希望者の出張面談(全国) 引退犬飼育管理費および医療費 介助犬が亡くなった場合の葬儀(火葬)費用 ※一頭の介助犬の育成に約300万円の費用がかかります。 ※少しでも多くのお金を介助犬の育成費用に充てるため、当会は少ないスタッフで運営し、限られた犬の育成にとどめながら活動しています。 |
皆様からのご寄付でできること
皆さまからいただくご寄付は、より多くの介助犬を育てるために大切に使わせていただきます。
上記の介助犬育成にかかる費用の他、介助犬の普及啓発活動にも使用させていただきます。
皆様からのご寄付をいただくことで、今後、介助犬の認定数をこのように伸ばしていきたいと考えています。
介助犬ベガとユーザーの相田様
ベガがいる安心感が自信につながりました
私は筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)という病気と17歳から闘っております。ここ数年は症状がより悪化傾向にあり、日常生活を送るのもままならない状態です。そんな生活を変えてくれたのが、介助犬の試験に合格したベガです。電動車いすでの生活を余儀なくされていますが、物を落としたら拾う、洗濯物を洗濯機の中に入れる、靴下を脱がしてくれるなど助けてくれます。また動けない場合などの緊急時には、携帯電話を探して持ってきてくれます。
頼りになる介助犬のベガがいることにより安心感や自信になり、行動範囲が格段に広がりました。外出時に介助犬のベガがいることにより周りの方が以前より暖かく声をかけて下さりサポートしていただける機会が増え、介助犬という存在をとても大きく感じています。
介助犬のモグとユーザーの青野敬一様
周りの助けがなければ生活できなかった自分が、介助犬の力を借りて他の誰かを元気付けるような存在へ
4年前に病気で倒れてから車椅子の生活ですが運良く介助犬を貸与されまして、生きる希望となっています。将来は介助犬モグと共にボランティアで病院や施設を訪問するような活動もしてみたいと思っています。今まで周りの助けがなければ生活できなかった自分が介助犬の力を借りて自立した生活を送りながら他の誰かを元気付けるようなことができれば夢のようです。その夢の実現に向けて阿吽の呼吸で動いてくれるような関係を作るため私のように介助犬を必要としている方は大勢いると思います。介助犬がもっと増え、幸せな生活を送れる人が増えるよう、皆様も日本介助犬福祉協会さんの活動をぜひ応援してください!
当協会 理事長 藤田英明より
犬は人間社会に生きる動物として何千年も前から人と関わりを持ちながら過ごしてきました。現代も介助犬などの様に使役犬として進化を続けています。
犬がいると不思議と心が癒されるという経験をした方ならお分かりだと思うのですが、犬達は本当に健気に飼い主に寄り添ってくれますよね。介助犬も当然ながらユーザー(使用者)に寄り添いながら(寄り添ってくれるだけでも心が癒されるのに)、身の回りで起きる不便を(可能な限り)解消してくれます。
介助犬の介助によりユーザーが喜べば、介助犬達も嬉しくてたまりません(尻尾を見れば一目瞭然!)。そして、共に長く暮らせば暮らすほどユーザーと犬との心の絆が強くなり、数年もすれば、何も言わなくても介助犬自らが判断してどんどん介助してくれる様になります。ユーザーにとっても、とても心強い存在です。
「日本で介助犬を希望する肢体不自由者、1,000人に介助犬を届ける」
これは決して不可能な数字ではありませんが、当協会だけでは絶対に達成することが出来ない目標です。当協会で行った推計によると、高効率で介助犬育成を行った場合に一頭当たり約350万円ほどのコストが必要だという結果が得られました。介助犬は約9年で引退しますので、その分の実働頭数は減っていきます。そのことも踏まえて育成数を増やすとすると、将来の年間育成費用は1億円を超えることが考えられます。そこで、最低でもその50%をマンスリーサポーターの方々からの支援で補いたいと考えております。今こそ3,000人の仲間の力が必要です。
私たちは、「21世紀は介助犬が大活躍する時代」だと確信しています。人と犬とがさらなる進化を遂げて共存できる社会の実現を目指します。どうか皆様もご支援くださいますようお願い申し上げます。
日本介助犬福祉協会
理事長 藤田 英明
応援メッセージ
マイケル シェリダン さん
(タレント・マイケル富岡)
愛犬家です。私の家族はトイプードルのモコ(13歳の雄)。もう溺愛しています。そんなモコとの暮らしの中で、何か犬をとおして社会貢献ができないかと考えていたところ、知人から介助犬の話を聞き興味を持ちました。
介助犬は実働数が57頭しかいないと知って愕然! 介助犬のことをもっと皆に知ってほしいし、一頭でも多くの介助犬が、肢体不自由者の方の役に立てるように協力していきたいと思っています。
税制上の優遇措置
本プロジェクトは、税制上のメリット(控除)があります。
ご支援金は、社会福祉法人 日本介助犬福祉協会への寄付金として受領いたします。
寄付をしていただいた方は、次のような税制上の優遇措置が受けられます。
●法人の場合一般の寄付金とは別に、次のとおりの額を限度に損金算入することができます。
▽ (所得金額×6.25%+資本金等の額×0. 375%)×1/2
●個人の場合次のとおりの額が所得控除の対象となります。
▽ 寄付額-2,000円(寄付額は所得額の40%相当が限度額)
【例】年間所得が400万円で、1万円寄付した場合(400万円の40%である160万円までが控除限度額)
10,000円-2,000円=8,000円(控除額)400万円から8,000円を引いた額で所得税が計算され、所得税が少なくなります。
※法人・個人いずれの場合も、上記の優遇措置を受けるためには確定申告が必要となります。確定申告の際は当協会が発行する領収書の提示が必要となります。
※個人の場合は、その他地方税(個人住民税所得割)の控除や、相続税の控除を受けられる場合があります。詳しくは、管轄の税務署にご相談ください。
※さらなる詳細は国税庁「暮らしの税情報」でもご参照いただけます。
<領収書の発行について>
・都度寄付をいただいた際、寄付控除可能な領収書の発行をご希望の方に郵送で送付いたします。(※決済画面から選択ください)