活動・団体の紹介
NPO法人kokoimaは、大阪府堺市にある浅香山病院の元看護師たちによって2016年に立ち上がったNPO法人です。制度にのっとった「福祉事業所」の事業運営(就労継続支援B型と生活介護)と、こういった制度だけではカバーできない部分への取り組みとして自主的に行っている「プロジェクト」との2つの事業が両輪となっています。
【参考】NPO法人kokoimaの概要
https://kokoima.com/about/
活動の背景、社会課題について
精神疾患を持つ方で、病院に入院されている患者さんも多くおられます。
「日常生活に戻るため」
の入院のはずが、いつの間にか入院が日常生活になり、そのまま生涯病院で過ごす方も少なくありません。
*5年以上入院された方の1/4は死亡退院、転院か転科は実に1/2(平成26年度)
その背景のひとつに
「退院後に地域で暮らす不安」
が大きく横たわっています。長期の入院は、そのまま「地域生活のブランク」でもあります。身近な距離でちょっとしたことを話せる人が少なくなり、また病気への偏見があって理解も少なかったりと、孤立化しやすくなります。
「日常生活に戻るため」の退院のはずが「孤立に向かう」退院となり、結果的に入退院を繰り返したり、退院する勇気が持てなかったり、という現場を数多く見てきました。
さらには写真展を通じて、みなさんが「個人として」社会参加や社会貢献したいという気持ちが強い方がかなりいるということも見えてきました。
こういった中で、単に福祉施設を作るのではなく「退院したい人が少しでも安心できる環境」を作りたい。それは「事業所」という場に加えて、「まち」という場が重要なんじゃないか。
そこから、精神障がいを持つ利用者の方や地域の方と一緒に、浅香山に「ボーダレスなまちをつくりたい」という夢に具体化していきました
【参考】立ち上げのきっかけとなった「ココ今ニティー写真展」について
https://kokoima.com/project/ph...
活動内容の詳細・実績〜kokoimaの事業
kokoimaでは、利用者さんの働く場所として、カフェ、リユースショップ、アトリエ&ギャラリー、焼き芋屋など、実にたくさんの事業をしています。全てに共通しているのは「まちに開かれているかどうか」。
まちに開かれていると、まちの様々な人が「こんにちは」「なにしてるの?」と出入りしてちょっとおしゃべりをしていってくれます。濃く仲良くなるというよりは、ちょっと顔を合わせたことのある、という関係性が増えていきます。
まちの中に、このような接点や関係性がたくさんできることを大切にしています。
ずっと入院を続けていた人が通所後1回も入院をしなくなったり、薬が減って体調が劇的に快復した方もおり、関係性の力の大切さを改めて実感しています。
一方で「仕事の場」としての質の向上にも力を入れています。具体的には、事業の売上がしっかり立ち、利用者さんの工賃を上げることにも積極的に取り組んでおり、大阪府の「令和6年度就労継続支援優良取組表彰」を受賞させていただくことができました。また一般就労につながった方もおられます。
【参考】NPO法人kokoimaの事業
https://kokoima.com/work/
活動内容の詳細・実績〜kokoimaのプロジェクト
長年精神障がいを持つ方の支援に関わる中で、色んな人とのゆるやかな関係が作られる「日常」というものの大切さを強く感じてきました。
「まちに開かれている」福祉サービスの事業もしていますが、制度内のことをしているだけでは、なかなか目指したいイメージは届きません。それもあって、事業以外にも地域の行事やお祭りに参加して交流したり、短期のイベントやプロジェクトを行ったりもしています。また、地域にある大学と連携したプロジェクトも多数あります。
「香ヶ丘商店街は昔は大にぎわいやってんで。今は人通りが少なくなってしまって寂しい」というまちの声を聞いたことがきっかけに始まったのは「浅香山GENKIプロジェクト」。夏祭りのほかに、まちの不要なものを循環させるフリーマーケットや、まちの人や関西大学の学生と交流するクリスマス会など2017年から様々に実施しています。
他にも入院患者さんの心の葛藤に迫るドキュメンタリー映画「オキナワへいこう」の配給を行ったり、利用者さんや地域の方と一緒に服を作ってファッションショーを行ったり、直近では地域の方と一緒に街角で野菜を育てる「エディブルケアプロジェクト」を関西大学と連携して取り組む大がかりなものもあれば、利用者の方の絵画の個展を企画するなど、常に大小様々な自主プロジェクトが動いています。
【参考】NPO法人kokoimaのプロジェクト
https://kokoima.com/project/
寄付金の使い道について
国の制度として支給される費用で「事業所を回していく」ことは十分できるかもしれません。でも制度の大半は「利用者さんの直接的なケア」を想定したもので、報告書作成のなどの事務作業も含めると、日常的に回すことに精一杯になり、「環境を整えていく包括的なケア」とも言える地域への働きかけなどについては、後手に回ってしまいがちな状況があります。
私達が夢見る「ボーダレスなまちをつくりたい」ということを実現させるためには、制度に頼るのではなく、制度の枠の外にある大切なことに自主プロジェクトや日常の業務の中でもっともっとアプローチしていく必要があると感じています。今回はそのための活動を支えるための支援としての寄付をお願いできればと考えています。
【主に支援を必要としていること】
①カフェでの利用者さん主体でのイベント企画
利用者のみなさんは朝がとても早起き。でも事業所が開くまですることがない。それなら「自分たちでモーニング専門のカフェをしたらどうか」という企画が出ている。その企画の食材や運営費の支援
②利用者さん企画の雑誌「ねこにたのめ」の印刷費
利用者さんたちが「自分たちのこと、自分たちの活動のことを知ってほしい」とスタッフが入らずに始めた雑誌「ねこにたのめ」は第3号まで発刊中。この活動を継続するための支援として印刷費の支援
③キッチンカーを使っての出張販売のメニュー開発
店頭での販売に加えて、利用者さんがいろんな人と接点が持てるように堺市内の色んな場所にキッチンカーで販売しに行ってます。現状メニューが少なく、利用者さんと一緒に回しやすいメニューをもう1つ開発するための費用の支援
④アトリエふくもちの設備の購入
近隣の方からいただいた着物などを服や雑貨に利用者さんとリメイクをして販売しています。利用者さんには扱いやすく、仕事をしやすい環境をつくるために、ミシンや作業台などの環境を充実させるための費用の支援
大きく「どーん!」とわかりやすい活動ではないかもしれません。でも生活の中の小さなこと(いろんな人と出会う、安心して生活できる、やりたいことをやってみれる)こそ大切なんじゃないかと考えています。
kokoimaの理念を表すのに「障害のある人・ない人、関係ないない、みんなまちの人!」という言葉をよく使っています。そう、「まちの人」なんです、みんな。
まちの中にひとりひとりの生活があり、色々なタイミングや場で居合わせ、ゆるやかに混じり合っていく。利用者さん、まちの人、様々な人たちと関わりながら、そんな「日常」をまちの中につくることで、「ボーレスタウン」が実現していく。これを応援していただき、一緒につくってくださる方をお待ちしています。よろしくお願いします!
会員制度について
今回は寄付の募集ですが、NPO法人kokoimaでは継続的な形として賛助会員も募集しています。こちらは、1口3,000円(1年間)となっております。
「寄付をする」ボタンの次に出てくるフォームから、とりあえず今回だけ寄付をするという方は「今回のみ」を、また継続的な会員へのご入会をご希望の方は「毎年」を選択してください。
つづいて金額のところで「3,000円」の金額を選択してください。2口以上をご希望の方は、「その他の金額を入力」を選択していただき、金額を直接ご入力してください。
その後は、表示された項目通りにご入力ください。手続きが完了しましたら、改めてご連絡をさせていただきます。会員制度の詳細については、下記よりwebサイトをご覧くださいませ。
【参考】会員制度について
https://kokoima.com/about/
代表者メッセージ
病気、障がい、性差、年齢、生まれ、所得差などが人との交流に大きな壁とならないまち(ボーダレスタウン)。そんなボーダレスなまちづくりを福祉的ケアを核につくっていきたい。それがNPO法人kokoima の夢です。そのためには、まず楽しく愉快な開かれた場があること、そしてそこに集う人たち皆の力で、さらに愉快に広がっていくことをめざし、堺区香ケ丘町を拠点に活動しています。
この夢を、支え、共に活動してくださる方を広く求めています。
NPO法人kokoima
理事長 小川貞子



