「豊かで災害に強いふるさとの森づくり基金」とは
大規模な皆伐、鹿の食害、適正間伐の停滞などによって、山の荒廃が急速に拡大していることが度々指摘されており、令和2年7月豪雨災害後の球磨川流域での調査によれば、多くの山で表土流失が進行し、裸の斜面に岩がかろうじて乗っている危険な場所も多く確認されています。
地球規模の気候変動によって、今後も豪雨が全国各地で頻発することが予想されています。このため、保水力を持つ健全な山を取り戻す取り組みが、熊本県内でも求められています。
山・森の再生活動は多岐に渡り、長期的に対応するためにも、多くの民間団体の関わりと協働が必要とされています。これら実動を担う団体に、志金を託すための資金調達を一般財団法人くまもとSDGs推進財団が行い、長期にその活動を支援するために『豊かで災害に強いふるさとの森づくり基金』を立ち上げることにしました。
これは、SDGsの目標にある「陸の豊かさも守ろう」や「住み続けられるまちづくりを」を実現する取り組みの一つです。
なぜ今、山の再生活動への支援が必要なのか
手入れが行き届かなくなった人工林は、暗く、光が届かず、倒木も多く、生物も貧弱になり、生業としての林業も成り立たなくなっています。そして、人工林では皆伐地が広がっています。この皆伐は、山肌がむき出しになり、土砂崩れを容易に引き起こすきっかけにもなっています。
また、令和2年7月豪雨の際に、甚大な被害が出た球磨川流域では、急速に増加するシカの食害によって、広範囲で森の下草が消え、あちこちで深刻な土砂流出を起こしています。自然林・人工林を問わず森の荒廃によって保水力が著しく低下すると、降った雨は多くの土砂とともに川に流れ込み、川底を押し上げ、更に被害を大きくしてしまいます。
いま日本各地で起きている豪雨災害は、山の問題でもあるのです。私たちは、そんな山々の下流に住んでいることを認識しなくてはなりません。球磨川流域で起こった災害に学び、私たちは命と暮らしを守るために、1日も早く森を再生させる行動を起こさなくてはなりません。
寄付金の使い道について
すでに危機感を持ち行動している人達がいます。森の下草を蘇らせて活動をしている人たち。土砂崩れを起こさない林道づくりに取り組む人たち。持続可能な林業の在り方を研究し、実践しようとしている人たち。どのような木を植えれば山の保水力が回復するか調査をしている人たち。
この写真は、豪雨被害による影響を民間団体が調査しているところです。具体的には、次に掲げる支援や取り組みに対して、集まった寄付金を実行団体が活用します。
・山(森)の現状(豪雨被害による影響)調査 ・土砂崩れ防止の林道整備等 ・森再生や持続可能な林業の研修会 ・鹿の防護ネット張り ・植林、下草刈り ・山の保全に係る人材育成 など
※ご寄付いただいた額から管理費(事業実施のための諸経費)として、20%を差し引かせていただきます。ご理解いただければ幸いです。
このような活動がもっと広がり、熊本県内の山々において「豊かで災害に強い森」が増えるように、みなさまの寄付金を実動を担う団体に届けさせていただきます。
今も各地で頻発し、さらに増えると予想される豪雨災害から、私たちの命と暮らしを守るためにも、豊かな緑の山々を再生させる活動をご支援ください!
「豊かで災害に強いふるさとの森づくり基金」へ、みなさまのご寄付をお寄せください!!!
これまでご寄付いただいたみなさまありがとうございます。公開許可がある方のみ、お名前と応援メッセージを一部ご紹介させていただきます。非公開希望の方からも多数のご寄付とメッセージ、ありがとうございます!
・牧野 智子さま ・江頭 佳子さま ・田北 成樹さま ・風岡 宗人さま ・近藤 恵さま ・俵 恭子さま
応援メッセージを紹介します。 「応援しています!」 「ハチドリの一滴ですが森のいのちを守ることに少しでも役立つことになれば。」 「木材の価値もあがってきています。ぜひ地域産業に結びつけていただき全国に真似をされるような活動になることを期待しています。」
一般財団法人くまもとSDGs推進財団とは
私たち「一般財団法人くまもとSDGs推進財団」は、誰一人取り残されない持続可能な地域づくりのために、様々な地域課題や社会問題を、市民セクターや企業、行政等、全てのセクターとの共助により、熊本から解決していこうと決意し、2019年9月に熊本初、市民発で設立された財団法人(コミュニティ財団)です。
これまで、2020年の新型コロナウイルス禍にひとり親世帯への緊急支援として「くまもと命を守る基金」を実施。同年に起きた豪雨災害においては「熊本災害基金」立ち上げ、個人や企業から基金に届くご寄付を、支援活動団体へ届ける橋渡しを行ってきました。
「新型コロナウイルス禍対策くまもと命を守る基金」 ※助成総額 570万円
コロナ禍で経済的に苦しくなったひとり親世帯を支えるべく「社会福祉法人熊本県ひとり親家庭福祉協議会」と連携して実施し、同協議会に加入しているひとり親世帯に一時金の提供を行いました。令和2年7月豪雨災害で被災した地域のひとり親世帯には、別途進学支援金を提供しました。
「熊本災害基金(2020熊本水害支援)」 ※助成総額 約1,200万円
令和2年7月の熊本県南豪雨災害において、被災された地域の支援を行う民間非営利団体への助成金の提供を行いました。事業は3次助成まで行い、被災者への炊き出し、泥の書き出し、地域の見回り事業等を行う「延べ32団体」に助成を行いました。