性的指向および性自認に基づく差別を日本からも無くさなければならない。そのためには法律が必要だ。
2015年4月に発足したLGBT法連合会は、最初は呼びかけ団体6団体と事務局のみの小さな所帯でしたが、発足8年が経ち、今や全国各地100を超える賛同団体から成る全国連合会へと成長しました。
超党派議員連盟、各政党、各地の自治体、国内外の人権団体、教育機関、企業組織、などたくさんの方々からお声がけいただくことも増え、活動規模もぐっと大きくなりました。これまでのたくさんの活動が線となり、法律の改正案や自治体の条例などに性的指向および性自認の文言が含まれることも多くなってきました。
性的指向および性自認に基づく差別とは?
日本のどこかには、性的指向および性自認を理由としたいじめやハラスメント、不平等な取り扱いに苦しんでいる人が居ます。実際に、LGBTの当事者や、LGBTを身近に感じている人のうち、職場でLGBTであることを理由に解雇、左遷や退職に追い込まれるといった「差別的な取り扱い」を見聞きしたことがある人は約4割にのぼるというデータもあります。
※出典
日本労働組合総連合会
2016 『LGBT に関する職場の意識調査』
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20160825.pdf
同級生から、振る舞いが女っぽくて気持ち悪いといじめられたことを担任の先生に相談したら、学級会議の議題にされ、「こいつも男らしくしようと頑張っているんだ。」と、逆に振る舞いを直すように促された。
面接に戸籍上の性別と違ったスーツを着ていったところ、トランスジェンダーであることを理由に、開始5分で「お帰りください。」と言われ、面接を中断された。
レズビアンであることを理由に、職場でも孤立してしまい悩んでいたが、誰にも相談できず自殺してしまった。その家族は、娘がレズビアンであり、それを理由に悩んでいたことを遺書を通して初めて知った。
LGBTに関する差別を禁止する法律が整備されてない日本
性的指向および性自認に関係なく、日本全国、どこに住んでいても、どんな仕事をしていても、差別や不利益な取り扱いを受けずに平等に生きられるためには差別禁止法が必要です。
世界を見てみると、G7のうち、日本以外の全ての国で、LGBTに関する差別を禁止する法律が整備されています。
また、最新の精度の高い調査結果では、「(性的マイノリティに関して)いじめや差別を禁止する法律や条例の制定」に87.7%が「賛成・やや賛成」と回答したことが明らかになりました。内訳を見ても、日本の全ての年代で8割以上が賛成の意を示してしていることが明らかになっています。
※出典
釜野さおり・石田仁・風間孝・平森大規・吉仲崇・河口和也
2020 『性的マイノリティについての意識:2019年(第2回)全国調査報告会配布資料』 JSPS科研費(18H03652)「セクシュアル・ マイノリティをめぐる意識の変容と施策に関する研究」(研究代表者 広島修道大学 河口和也)調査班編
私たちが取り組むこと
LGBT法連合会は「性的指向および性自認に基づく差別を解消するための法整備の実現」を目指し、「政策提言活動アドボカシー」、「関係性ネットワーキング」、「共助エンパワーメント」の3つの活動を柱として活動しています。
当会の要である政策提言活動・アドボカシー
Pride7、Civil7、Women7等サミットへの登壇
G7には、G7 政府から独立した様々な分野のステークホルダーが提言等をとりまとめる「エンゲージメントグループ」というものが7つ存在します。その中のCivil7(Civil Society7:市民社会)とWomen7(Women7:女性)のサミットが2023年4月に開催され、当会メンバーからも複数名が登壇しました。
また、世界初となるLGBTQ+の人権保護・政策提言に関するG7に向けた新たなエンゲージメントグループ、「Pride7(P7)」が2023年2月に発足しました。Pride7日本実行委員会は当会を含む3団体で構成され、2023年3月に「Pride 7サミット 2023」を開催しました。
国際キャンペーン「EqualityActJapan‐日本にもLGBT平等法を」
2020年10月16日に、国際人権 NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」、スポーツと LGBT に関する活動を展開する「アスリート・アライ」とともに、日本で「LGBT 平等法」制定を求める国際署名キャンペーン「Equality Act Japan ‒ 日本にも LGBT 平等法を」を開始しました。
このキャンペーンは、性的指向および性自認に基づく差別やハラスメントを禁止する法律「LGBT平等法」(LGBT差別禁止法と同義)の成立を求めて、「106,250筆」の署名を2021年3月に各党に提出しました。
Equality Act Japan ホームページ:https://equalityactjapan.org/
2023年4月時点で日本国内の計57のLGBT関連団体からの賛同、計49の企業からの賛同を得ています。
予算要望等、各省庁への働きかけ
超党派「LGBT に関する課題を考える議員連盟」が開催する総会や、各政党ヒアリングへの参加、省庁への予算要望等、各政党や団体との情報交換を行っています。
LGBTに関連する報道について
2021年8月に行われた東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に際し、「スポーツとLGBT報道に関する5つのお願い」を作成し、報道機関や関係者に広く共有しました。
2022年4月には、性的マイノリティを取り巻く現状や課題について、「取り上げる」記者側、「取材を受ける」当事者側の双方の視点から要点をまとめた「LGBTQ報道ガイドライン – 多様な性のあり方の視点から」第2版を策定しています。(協力:一般社団法人fair、記者有志)。
第37回東京弁護士会人権賞受賞
これらの活動が評価され、2022年11月に第37回東京弁護士会人権賞を受賞いたしました。
東京弁護士会人権賞とは、1986年から続く賞で、人権侵害に対する救済活動や人権にかかわる立法への貢献又は阻止活動、新しい人権の確立のための活動等、広く人権に関する活動などを行う個人および団体に贈られています。
LGBT法連合会は性的指向および性自認にまつわる活動のなかで初めて、東京弁護士会人権賞を受賞いたしました。2015年の任意団体設立以来、法整備に向けて国内外の団体の皆様とともに歩んできた実績が、このような栄誉ある形で評価され、大変嬉しく存じます。これまで当会と一緒に活動してくださった賛同団体、そしてすべての皆様に感謝申し上げます。
関係性構築・ネットワーキング
全国各地の賛同団体とのコミュニケーション
LGBT法連合会は、全国100を超えるLGBT関連団体からの賛同を得て活動しています。
賛同団体向けのセミナーの開催、各地での政策提言活動の参考になる資料や知見の共有、賛同団体の状況を知るアンケート等を行っています。また、毎年12~3月には、各地域で賛同団体を集め地域会議を開催しています。地域会議には地元で活動する賛同団体の活動内容や近況を報告しあうとても重要な機会です。ともにLGBT差別禁止の法整備を目指す仲間として刺激しあっています。
共助・エンパワーメント
ランチタイムセミナー
アライ(Ally)サポーター向けにランチタイムセミナーを不定期で開催しています。ランチタイムセミナーでは、社会情勢に応じたテーマを取り上げており、テーマに関心のある方ならどなたでも参加可能です。
ご支援の使い道
皆さまからいただいた貴重なご支援は、法整備を訴えていくための活動に大切に使わせていただきます。
・1,000円で、2名が国会議事堂前駅まで往復できます。
・10,000円で、関東以外の地域で主に活動する当会の代表理事・理事の交通費を支援できます。
・30,000円で、差別を無くすべき理由を訴えるコンテンツをよりたくさん制作することができます。
・50,000円で、コンテンツを多くの人に届けるために、出稿などを通じて世の中に広めることができます。
・100,000円で、より多くの人から協力を得るためのコミュニケーションにかかる費用を賄うことができ、LGBT平等法の必要性や日本の変えるべき現状をより強く伝えていくことができます。
法整備の実現を目指して多くの方からの応援が必要です
LGBT法連合会は賛同してくださる皆さんと一緒に、LGBT差別禁止法の法制化を求めてこれからも活動を進めていきます。継続的な活動のためにも、全国から広くたくさんの方々からの応援を必要としています。
誰もが安心して生きられる社会を実現するために、私たちと共に歩んでいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
LGBT法連合会理事・事務局一同
アライ(Ally)サポーター(月額定期寄付会員)としてご参加くださる場合はこちらのリンクからお願いいたします。