NPO法人schootについて
NPO法人schoot(スクート)は、2019年に不登校の子どもたちとその保護者を支援する団体として設立されました。「この地域で暮らす子どもたちが、置かれている状況や背景にかかわらず、安心して過ごせる場所と学びとつながる機会を得られる社会をつくりたい」という思いから活動を始めています。
現在は、不登校の子ども・家族支援とヤングケアラー支援を軸としながら、以下の取り組みを行っています。
- フリースクールの運営
- 常設型の子どもの居場所の運営(子どもの居場所「まつなぎや」)
- 保護者支援
- 相談支援
- 関係機関との連携
また、日本財団および大村市と連携し、「ヤングケアラーと家族を支援する自治体モデル事業」の実施団体として、ヤングケアラー専用の相談窓口を開設しています。電話・対面・オンラインによる相談支援に加え、交流会や学習支援、関係機関とのケース会議などを通じて、子ども本人だけでなく、家族全体を支える地域の仕組みづくりに取り組んでいます。
子どもの居場所「まつなぎや」とは
「まつなぎや」は、NPO法人schootが2022年度より大村市内で運営している常設型の子どもの居場所です。ヤングケアラー支援を主な目的としていますが、ヤングケアラーに限らず、子ども・若者なら誰でも来て良い場所として運営しています。
予約や利用条件を設けず、ふらっと立ち寄れる「子ども版喫茶店」のような場所です。何らかの問題・課題を抱えている子も、そうではない子も、様々な子がやってきて、それぞれの過ごし方をしています。
活動内容
子どもたちの関係づくり
不登校の子ども、ヤングケアラー、学校には通っているが生きづらさを抱える子ども・若者など、背景の異なる人たちが自然に混ざり合って過ごしています。専門性を持ったスタッフが常駐し、スタッフとの遊び、雑談、食事、何気ない対話を通じて関係が少しずつ育まれていきます。
関係機関との連携
学校・行政・医療福祉施設との連携を積極的に行っています。現在も大村市の子ども家庭課と2週間に1度、情報共有を行うミーティングを実施しています。
活動の実績と見えてきた課題
こうした活動を続ける中で、以下のような子どもたちが非常に多いことが見えてきました。
- 行政支援の対象にならない、または途中で外れてしまう子ども
- 保護者が課題を抱えているため支援につながるきっかけを失っているケース
- 「困っている」と自覚や言語化ができないまま不安定さを抱える子ども
- 様々な特性により友人関係から孤立しがちな子ども
こうした子どもたちも含めて、現在は年間延べ2,000人以上の子ども・若者たちが「まつなぎや」を利用しています。この場所が、地域で暮らす子どもたちとその成長にとって欠かすことのできない「情緒的インフラ」になっているという実感があります。
活動の背景にある社会課題
個人や家庭だけの問題ではない
不登校やヤングケアラーといった課題は、しばしば「本人の問題」「家庭の問題」として語られがちです。しかし、schootが現場で向き合ってきたのは、それらが決して個人や家庭だけの問題ではなく、社会や地域の構造的な変化の中で生じている現象であるという現実でした。
不登校の背景
不登校の背景には、学校への適応の問題だけでなく、家庭が地域から切り離され、孤立していく過程があります。保護者は「正しい対応をしなければならない」「迷惑をかけてはいけない」というプレッシャーの中で、不安や葛藤を一人で抱え込みがちです。
ヤングケアラーの問題
ヤングケアラーの問題も同様に、家庭内のケア負担が外部から見えにくく、子ども自身が「助けが必要な状態である」という自覚を持たないまま、役割を引き受け続けてしまうケースが少なくありません。
地域の関係性の喪失
これらに共通しているのは、かつて地域に存在していた、日常的に顔を合わせ、ちょっとした異変に気づき、声をかけ合える関係性が失われ、社会関係資本が大きく減少しているという状況です。
行政や専門機関による支援は重要ですが、多くの場合、支援は「困りごとが明確になり、言語化された後」にしか始まりません。しかし現実には、支援が必要な子どもや家庭ほど、制度の手前で立ち止まり、誰にもつながれないまま孤立してしまっています。
「まつなぎや」の理念と実践
schootは、こうした構造的な課題に対し、「問題が起きてから対応する支援」だけではなく、問題として可視化される前から関係が続いている場所・人・時間を地域に残すことが必要だと考えています。
「まつなぎや」は、そのための実践の場です。
- 子どもや保護者が、相談を目的とせずに関われる日常的な居場所があること
- そこで専門性を持つスタッフが、関係性を土台に、気づき、つなぎ、見守り続けられること
この積み重ねこそが、不登校やヤングケアラーといった課題が深刻化する前に、子どもと家庭を支える地域のインフラとして機能すると、schootは考えています。
現在の運営状況と今後の課題
現在、「まつなぎや」は日本財団の助成によって運営を続けていますが、2026年4月より団体単独での運営へ移行することとなりました。
地域の皆様からのご寄付がなければ運営が維持できない状態です。地域の多くの皆様から、無理のない形で少しずつご協力をいただきながら、子どもたちと家庭を支えるインフラとしての「まつなぎや」を維持していきたいと考えています。
schootが目指すもの
schootが目指しているのは、特別な支援を増やすことではありません。誰もが孤立せず、「ここがある」と思える場所と関係が地域に残り続けること。その当たり前を、実践を通じて守り、問い続けていくことです。
寄付金の使い道について
いただいた寄付は以下の用途にご活用させていただく予定です。(毎月の費用)
・家賃 65,000円:まつなぎやの施設賃貸料
・水道光熱費 35,000円:冷暖房・水道・電気など
・活動費 15,000円:学習支援・工作・ワークショップ等の教材費
・食材費 30,000円:子ども食堂・校内カフェ
・通信費 10,000円:相談・連絡・子どもたちの遊行

