里親の置かれている現状
悩みや辛さを共有できない孤独
日本で、子どもを養育している里親家庭は約4,700世帯。
親と⼀緒に暮らせない子どもは、施設か里親のいずれかに委託されますが、日本では里親制度の認知度が低く、里親家庭で生活しているのは約19%です。
米国や他の先進国では70%以上であることを考えると、とても低い数字です。乳幼児に対する職員配置基準は他の先進国に比べ最低基準であり、施設養育が中心であるため、国連から3度の是正勧告を受けるほどなのです。
そのため、子育てに悩んだ時、気軽に相談できる里親が身近にいることは稀で、誰にも相談できずに孤独な子育てを行っています。
整備されていない里親制度
日本では、養育里親や特別養子縁組に関する制度が整っておらず、実子を育てる以上の苦労を抱えています。
それによって養育の質やこどもへの対応に困難が生まれてしまいます。
また、里親の養育に金銭的負担があるのはもちろんですが、制度が整っていないがゆえの想定外の負担や養育後の負担が多くあります。
上記の様々な悩みを抱えていることで、残念なことに4人に1人の里親が1年未満でギブアップしています。その背景にあるのは、実子を育てるのとはまた違う、誰にも吐き出せない「しんどさ」の蓄積です。
里親が抱える「しんどさ」を共有・相談できる オンラインコミュニティ「ONE LOVE 」
虐待や貧困などで親と一緒に暮らせない子どもたちの新しい居場所として必要な「里親」。
10年間、里親支援の現場に携わってきた私たちだからこそ、一番必要だと思うもの。 それは里親同士が日常の「しんどさ」を共有し、相談し、正しい情報を得られる気軽な交流の場です。
「ささやかだけれど心の支えになる、全国初のコミュニティサイトを作りたい。」 そんな思いで里親ポータル&コミュニティサイト「ONE LOVE」を立ち上げました。
里親にとってのONE LOVEの意義
里親同士が相談し合える場の提供
里親ならではの「日常のしんどさ」を共有・相談し、正しい情報を得られる気軽な交流の場として、オンラインイベントや交流サロンを開催しています。
里子養育に必要な知識の提供
ONE LOVE オンライン里親会では、地理的・時間的制約のある里親でも参加しやすいオンラインセミナーを開催。子育ての質と継続率向上に貢献します。
里親の権利向上
コミュニティを通じて、里親の声や現状を拾い集め、里親制度の改善を国や地方自治体に求めていきます。
特別養子縁組親子へのサポート
縁組成立後、戸籍に入り法的にも親子になりますがサポートは無くなります。本当は縁組が成立した時が“親子のスタート”なので、ここからのサポートが必要です。
ONELOVEに参加する里親さんの声
特別養子縁組里親 Aご夫妻
「悩みがなくなり、毎日がとても楽に」
15年前に特別養子縁組が成立しました。夫と3人で暮らしています。
幼少期から真実告知を何度か繰り返してきましたので子どもは私たち夫婦が血の繋がりの無い親と知っています。子どもが18歳になり私たち夫婦に何の話も無く児童相談所を訪れ、「自分の出自を知りたい」と言ったそうです。
良い関係を築けていると思っていたのでとてもショックです。ずっと実の親に会いたいと思っていたのかと思うと堪りません。当時の事を知る人はもう児童相談所にもいないので、これを誰に相談したら良いのか、他の養子縁組した里親さんたちはこんな事があるのか?それをどうやって乗り越えたのか?
悩みながら日々を過ごしています。
養育里親 20年目 Kさん
「同じような経験を持つ里親仲間ができました」
今まで我が家では4人の里子を迎え育ててきました。
3人目のA子が我が家に来て15年の歳月を共に暮らしてきましたが、先月、実親の元へ帰っていきました。あまりにも長い年月を一緒にいたので、A子がいなくなってからというもの、私たち夫婦は魂の抜けたような日々を暮らしていました。
地域の里親会は活動があまり無く、交流する機会も年に数回と限られているため、余り込み入った話が出来る里親仲間がいませんでした。
ある日の朝刊にオンライン里親会で里親同士が集い交流しているとの記事がありました。「今は夫婦二人の生活なので、子どもが委託されていない状態でも参加出来ますか?」と問い合わせたところ快く迎い入れてくださり、土曜日の夜に開催しているというオンラインサロンに参加しました。全国から様々な里親さんが参加し、他愛のない出来事やかなり深い相談事まで、皆さんがざっくばらんに交流しているのでとても気軽に入っていけました。
里子がいなくなって寂しいと打ち明けると、他にも同じような経験を持つ里親がいて、共感してもらえただけでだいぶ楽になりました。今では毎週のようにサロンに参加しています。
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