認定NPO法人おてらおやつクラブについて
おてらおやつクラブは、子どもの貧困問題の解決を目指し、お寺に集まるお菓子や果物、食品や日用品などの「おそなえ」を、仏さまからの「おさがり」として頂戴し、子どもをサポートする支援団体の協力のもとさまざまな事情で困りごとを抱えるひとり親家庭へ「おすそわけ」しています。
お寺に昔からある「おそなえ」「おさがり」「おすそわけ」の習慣を子どもたちへの支援活動としてデザインし直し、お寺の「ある」と社会の「ない」をつなげた活動です。
2014年に奈良県のお寺から活動が始まり、現在は2,109件のお寺、932の子ども支援団体と連携し、15,469世帯のひとり親家庭へおすそわけを届けています。(2025年2月1日現在)
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支援団体への「おすそわけ」(後方支援)とひとり親家庭への「おすそわけ」(直接支援)の2種類の支援を行っています。
匿名でのつながり
直接支援では、さまざまな事情で地域の支援団体とつながることが難しい全国のひとり親家庭へ、お寺から匿名でおすそわけを届けています。発送するお寺さまやお供えしてくださる方、梱包を手伝ってくださるボランティアさんは届け先の家庭の名前も顔も知りません。顔が見えない関係だからこそ、「たすけて」と声をあげやすく、程よい距離感でそっと手を添えることができます。
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おすそわけを申し込む際のひとり親家庭からの声
市役所での手続きに、どこへ行っても知り合いがいるので困ります。子供が同級生だったりすると、年収や家庭状況を知られてしまうので、どうにかならないものでしょうか…。うちの場合は離婚している事は近所にも伝えていないので特にですが、皆さんそういう気持ちでいると察します。先生が子供の学校に勤められないのと同じように、地元の勤務地は避けるような方法はないのでしょうか…
(埼玉県/40代のお母さん/お子さん3人)
おすそわけを受け取ったひとり親家庭からの声
この度は沢山のおすそわけを頂きましてありがとうございました。見知らぬ私達にも手を差し伸べてくれる人達がいるという気持ちから、不安が薄れた気がします。同封してあったお手紙の温かい言葉に感動し涙が出ました。
「人には優しく、困った人を見かけたら助けてあげなさい。いつか自分が困った時に誰かが助けてくれるから」と子供に教育をしておりますが、まさにおてらおやつクラブ様が助けて下さいました。
子供は食費を気にしているのか、小学校から帰宅後おやつを食べなくてよい様に給食を2人前食べてお腹いっぱいにして帰って来ます。
土日は給食が無い為、朝は遅く起きて来て朝昼の食事を兼用にして、子どもなりに食費を気遣っているのが分かる為、本当に申し訳なく思う毎日です。「今日からはおやつを食べて良いんだよ」と言ってあげられる事が嬉しいです。本当に有難う御座いました。(東京都/40代のお母さん/お子さん1人)
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おすそわけはお寺のご住職やボランティアさんからの手紙を添えてお届けされます。
コロナ禍を上回る「たすけて」の声
2020年3月までのコロナ禍以前の家庭登録数は351世帯でしたが、コロナ禍をきっかけにその数は膨れ上がり、現在はコロナ禍以前の約40倍以上の15,469世帯のひとり親家庭が登録しています。
1年間の登録数もコロナ禍を上回る勢いで増加しており、2024年度はコロナ禍の2021年度の新規登録数4,128世帯を超える4,765世帯の家庭から新規登録がありました。(2025年2月1日現在)このペースで増加すると考えると、2025年3月には5,000世帯を超えると予想されます。
物価高騰などの社会情勢的要因と、支援団体や行政と連携しておこなっているアウトリーチ(※1)によりひとり親家庭とのつながりが生まれたことにより、登録数が増加傾向にあります。全国の支援団体におてらおやつクラブの紹介をお願いしたり、自治体の担当者の方におてらおやつクラブの登録カードの配布協力を呼びかけるなど、全国にいるひとり親家庭の方々とつながるためにさまざまなアプローチに取り組んでいます。
(※1)アウトリーチ = 支援が必要であるにもかかわらず届いていない人に対し、積極的に働きかけて情報・支援を届けること
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行政の窓口や支援団体の活動を通じて地域のひとり親家庭へ配布される登録カード
「おすそわけ」を簡単・迅速・安心して届けるために
おてらおやつクラブでは、登録時にひとり親家庭の証明書や児童扶養手当証書などの書類の提出は不要としており、18歳未満のお子さんを育てているひとり親家庭であれば誰でも登録ができます。
登録相談は手元のスマートフォンからそれぞれのタイミングででき、窓口は365日・24時間開いています。LINEで完結できるのも手軽にできるポイントです。
他の支援団体や行政の支援では、様々な書類の提出や審査などがあり、実際に支援が届くまでに長い時間がかかることもあります。
「たすけて」と声をあげることの上に、書類を用意して提出することは、さらに心理的負担が重なります。「たすけて」と声をあげてくれた家庭が” 今 ”困っているからこそ、すぐにおすそわけを届けたいという思いから、おてらおやつクラブの支援では、ご家庭の自己申告の内容に基づく審査なしで心理的負担を軽減して登録できる形にしています。
公的な支援や制度を利用できる収入要件に当てはまらないため、おてらおやつクラブの支援しか利用できないという方も多くいらっしゃいます。こうした制度の狭間にいる方への支援活動に利用できる国や民間の助成金は少なく、皆さまからのご寄付を活動資金として活用しています。
すべての家庭に「おすそわけ」を送れない現状
私たちのもとには日々たくさんの「たすけて」の声が届きますが、おすそわけできる量には限りがあり、登録されるご家庭の増加に対して、おすそわけの発送が追い付かない状況で、残念ながらすべてのご家庭におすそわけをお届けすることができていません。特に大きな課題となっているのは、活動を継続していくための資金の確保です。
おすそわけがご家庭の手元に届くまでには、孤立する家庭とつながるためのアウトリーチや相談支援などの企画運営、ご家庭とお寺をマッチングさせるためのシステム整備、などの事務局スタッフの動きが必要です。また、つながったご家庭へおすそわけを届けるための配送費も必要となり、現在、登録済みの15,000世帯すべてに届けるには、年間約1,500万円以上の費用が必要です。
コロナ禍前と比べてご寄付は少しずつ増えているものの、ご寄付の増加を上回るペースで支援要請が届くため活動資金が増大しています。その結果、2回目以降のおすそわけをお断りせざるを得ない状況にあり、せっかく声をあげてくれた家庭の期待に添えず落胆させてしまうことがあるのは、私たちにとっても心苦しい思いです。
限られた支援物資と活動資金の中では、特定のご家庭へ何度もおすそわけを送り手厚くサポートすることよりも、まずは支援とつながれていない家庭へ匿名でおすそわけを届けることを優先しています。
「おすそわけ」を受け取ることで、「誰かに頼る経験」や「どこかで誰かが見守ってくれている安心」を実感してほしいと願っています。またお母さん・お父さんがおすそわけを受け取る経験によって「頼る」ことへのハードルを下げ、地域の支援につながる第一歩になればと考えています。
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ボランティアさんが箱詰めした、たくさんのおすそわけ
おすそわけを届けるために必要な費用について
必要な家庭へ確実におすそわけを届けるために、以下の主な活動費の確保が重要となっています。
- 孤立する家庭とつながるためのアウトリーチや相談支援などの企画運営費
- 「おすそわけ」を簡単・迅速・安心してお届けするためのシステム開発費
- つながったご家庭へ「おすそわけ」を届けるための配送費
孤立するご家庭を支援するための企画運営費について
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おてらおやつクラブの事務局スタッフ。このメンバーがご家庭と様々な支援をつないでいます
おすそわけは単に荷物を送るだけではなく、支援を必要とするご家庭とつながり、適切に届けることが重要です。おてらおやつクラブの事務局では、地域の支援団体や行政と連携しながら、支援を必要とするご家庭へ「アウトリーチ」や「相談支援」や「企画運営」を続けています。
【これまでの取り組み】
◎長期休暇前の相談支援企画「夏・冬のおすそわけ」
子どもが夏休みや冬休みの長期休暇に入る前に、これまでつながったご家庭に連絡を取り、現在の状況を聞き取りつつ、必要なご家庭におすそわけをお届けしています。一度きりの支援ではなく、継続的につながりながら支援を届けています。
◎アウトリーチや啓発活動
おすそわけを必要とする家庭とつながるため、支援団体や行政との連携を深めながらアウトリーチします。支援を必要とするご家庭を把握している地域の方と連携することで、おすそわけを届けることができるようになります。また、おすそわけを届けるためにはお寺さまや、企業さまの協力も必要となり、協力者を増やすために地域での啓発活動にも取り組みます。
「おすそわけ」を支援を必要としているご家庭へ届けるためには、上記の取り組みにかかる費用がが必要不可欠です。
おすそわけが届くまで
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①支援団体や行政と連携して登録カードを配布し、ひとり親家庭とつながります。(アウトリーチ)
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②事務局スタッフがご家庭の生活状況や配送先の住所などを聞き取ります。
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③お坊さんやボランティアさんがおそなえを梱包します。
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④「匿名配送」の仕組みで届けるため、伝票を貼らずに運送会社へ渡します。伝票は受け取ったドライバーが箱に貼ります。
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⑤運送会社がご家庭の元へ届けます。事務局スタッフは配送状況を確認し、届かない場合は番地や部屋番号に間違いがないか家庭に連絡を取ります。
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⑥子どもたちのもとへ「おすそわけ」が届きます。受け取り後は保護者の方から感想をいただきます。掲載の許可が取れたものは発送元のお寺にも伝えます。
おすそわけコスト削減の挑戦について
おてらおやつクラブのおすそわけは、おすそわけ自体がお寺に集まる「おそなえ」であり物資確保には費用がほとんどかかりません。また物資の保管も各寺院でになっていただくため費用はかかりません。さらにおすそわけを梱包する際、お寺にご縁ある方々やボランティアさんによる作業となり、ここでも費用がかかりません。
費用がかかるのが、主に上記に記載した項目になります。その中でも「配送費」については「少しでも多くの支援を届けたい」との思いから、コスト削減に挑戦してきました。活動当初は事務局がある奈良県に一度物資を集めてから、再度全国のひとり親家庭へおすそわけを届けていましたが、奈良先端科学技術大学院大学の学生たち(Ico.Inc.)とシステム連携し「匿名配送システム」を実現させ、個人情報を守りながら全国のお寺から直接ご家庭へおすそわけを届けることができるように整備しました。
また、配送費が最も安くなる「エリア内発送」ができるように事務局から各お寺に呼びかけを行い、配送費を抑える工夫を重ねてきました。それにより、1箱あたりの平均配送費を約850円に抑えることができました。
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しかし、同一配送エリア内での発送こだわりすぎた結果、お寺からの発送が遅れ、ときにはご家庭の登録から1ヶ月以上お待たせしてしまうこともあり、支援を必要としている「たすけて」の声にタイムリーに応えることができなくなってしまいました。そのため、「困ったときに助けを求められる」という期待値を下げてしまったことが調査結果でも明らかになりました。
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(2024年12月 全国 支援家庭向け調査より一部抜粋)
上記の結果を重く受け止めて、これからは配送エリアの調整を行いつつも、支援を待つご家庭へより早く届けることに挑戦していきます。ご家庭の待機期間に応じてエリア外への発送を解禁し、なるべく早く、なるべく安くご家庭へおすそわけが届けられます。
今まで培ったシステム連携により、必要最低限の配送費をに抑え、支援の機会をこれまで以上に早く広げていきます。
あたらしくつながる5,000世帯におすそわけを届けるために
まずは、これからアウトリーチ等でつながっていくひとり親家庭5,000世帯へおすそわけを届ける準備を進めています。
皆さまのご支援が、この取り組みを支える力となります。ご協力をお願いいたします。
ご寄付の使いみち
今回のクラウドファンディングでいただいたご寄付は、ご家庭へのおすそわけを届ける費用に活用いたします。
目標① 500万円
⇒2025年度にあたらしくつながる5,000世帯の子どもたちへおすそわけを届ける費用(合計5,000世帯へおすそわけ)
目標② 1,000万円
⇒目標①の5,000世帯に加え、これまでにつながっている5,000世帯の子どもたちへおすそわけを届ける費用(合計10,000世帯へおすそわけ)
目標③ 2,000万円
⇒目標①の5,000世帯+目標②の5,000世帯に加え、これまでにつながった10,000世帯の子どもたちへおすそわけを届ける費用(合計20,000世帯へおすそわけ)
※本クラウドファンディングは、ソニー銀行さまが手数料を負担してくださるため、皆さまのご寄付は全額おてらおやつクラブの活動に使うことができます
認定NPO法人おてらおやつクラブ代表理事 松島靖朗より
クラウドファンディングご協力のお願い
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コロナ禍、全国から「たすけて」の声が一斉に事務局へ届きました。この窮状に際し緊急事態の一時的な対応として、地域を超えて全国どこでも3日以内に「おすそわけ」を届けることを目指しました。IT投資も積極的に行い、即日地域のお寺から、個人情報に配慮し匿名でご家庭へ「おすそわけ」を届ける仕組みができました。
「おてらおやつクラブ」登録家庭は現在15,000世帯を超え、「おすそわけ」を希望されるお声はコロナ禍以上のペースで増加しています。感染症も落ち着いてきた現在は、地域での「おすそわけ」循環を進めていくべく、配送エリアを限定し、地域内のお寺さまや団体さま、個人さまや企業さま、行政との連携を進めています。配送エリアを限定することは配送コストの低下につながりましたが、一方で「おすそわけ」をお送りいただく担い手が少ない地域においては、「おすそわけ」到着まで長い日数お待たせしたり、急増するご依頼に2回目以降のおすそわけを常時受け付けすることができなかったりという状況になっています。
その結果、多くのご家庭に、せっかく「たすけて」の声を上げたのに「困った時に助けてもらえない」という思いをさせてしまっていることが調査結果にもあらわれており、大いに反省しています。
2025年は、「簡単・匿名・迅速」をキーワードに、簡単な手続きで、どこかのだれかに助けてられているという実感を多くの方々が持つことができるよう、なによりも「たすけて」の声にしっかりとお応えするべく、まだ声を上げることができていないご家庭とつながっていくためのアウトリーチ、そしてお待たせすることなく「おすそわけ」をお届けする仕組みづくりにチャレンジしてまいります。ぜひこの度のクラウドファンディング、お力添えお願いいたします。
たよってうれしい、たよられてうれしい。たくさんのうれしいが実感できる一年になりますように。
おてらおやつクラブが目指す社会
私たちのもとに届く「声」の中には、支援を受けたひとり親家庭の方々からのお礼が多く届く一方で、寄付や寄贈をしてくださる方々からのメッセージもあります。その中で、近ごろ増えていると感じるのは「支援をさせていただきありがとうございます」という声。
困っている誰かに手を差しのべることが、自分のうれしさやありがたさにつながると言ってくださる方は、他にもたくさんいます。
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事務局に絵手紙を寄贈してくださった方の声
「おてらおやつクラブの活動があることでうれしいと感じるのは、困りごとを抱える側だけでなく、困っている人の力になりたいと願う側もそうなのだ」活動を重ね、さまざまな声に触れる中で、少しずつ分かってきたことです。
こうした背景から改めて私たちの社会的な存在意義を再考すると、おてらおやつクラブの大切な役割は「困ったときはお互いさま」の心を各地で育み直していくことだと考えます。
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私たちは団体のパーパス(社会的な存在意義)として「たよってうれしい、たよられてうれしい。」という言葉を掲げています。
これは、支援する側/支援される側が立場を越えて、うれしい思いを共有できる社会を実現することを目的としています。
孤独感を抱え悩んでいるひとり親家庭が「たすけて」と声をあげたことで、誰かとのつながりが生まれ安心感を得られて、うれしい。他方、困っている人に手をさしのべることが、その人にとっての喜びにつながり、うれしい。
おてらおやつクラブはこれからもさまざまな立場の方の「うれしい」を生みだし、全国各地で見守りのネットワークを育んでいきます。子どもたちの笑顔と未来のために、皆さまのお力添えをお願いいたします。
このプロジェクトは「GIVING for SDGs sponsored by ソニー銀行」の認定プロジェクトです。
「GIVING for SDGs sponsored by ソニー銀行」では、寄付決済時に発生する決済手数料をソニー銀行が協賛することで、寄付者の想いがこもった大切な寄付金を全額 NPOに届けます。寄付金の社会への還元性を高めることで、寄付文化の浸透および NPOの社会課題解決に向けた活動を支援することが可能です。
▼GIVING for SDGs特設サイト
https://congrant.com/jp/corp/s...
▼ソニー銀行のウェブサイト
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