公益財団法人さわかみオペラ芸術振興財団

日本初演!オペラ『アメリカン・ドリーム』

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支援総額
318,000
31%
目標金額 1,000,000
サポーター
17
終了しました
2024年07月31日 23時59分 まで
アメリカで「日本人だから」というだけの理由で強制収容所に入れられた時代があったことをご存知でしょうか? 近藤はるかが代表を務めるオペラ団体 Opera Lab Japanでは、2024年11月30日(土)に渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホールにて、国内外で活躍する若手アーティストが結集し、Jack Perla作曲 オペラ『アメリカン・ドリーム』の日本初演を行います。夢を求めて米国に移住した日系人たちが1941年の真珠湾攻撃を機に、敵国の日本人として差別の対象となり、強制収容所に収監された際の経験・痛みを描いたオペラを、戦後80年を目前にした今、東京・渋谷からあらゆる世代に向けて発信します。本作は2015年のアメリカ初演以来、各地で上演され、高い評価を得ています。2023年のカリフォルニアでの公演時には、NHK番組で取り上げられるほど注目されてました。このオペラは日本でこそ紹介するべきだと強く思い、本プロジェクトを始動しました。

今、オペラ《アメリカン・ドリーム》を日本で上演すべき理由

はじめまして。近藤はるかと申します。
私は現在、ソプラノ歌手として様々な舞台に出演し、オペラをプロデュースしながら、慶應義塾大学大学院後期博士課程で、声楽指導への科学的アプローチの導入を目指して、歌声の科学研究に取り組んでいます。

昨年は半年間、ニューヨーク市立大学 クイーンズカレッジ アーロン・コープランド音楽院に客員研究員として在籍し、アメリカでの学び、研究生活を経験しました。大学ではたった一人の日本人であった私を、先生方も友人たちもあたたかく迎え入れてくださり、人種・ジェンダーの多様性を重んじるアメリカ社会の包容力を肌で感じながら、国境や肌の色の違いを超えて「音楽」で一つになれる喜び、感動を享受することができました。

ニューヨークでのコンサート終演後の際の写真
フィンランドで行われた国際学会での発表写真(2024年6月)

しかし、一方で留学中に新作オペラ『アメリカン・ドリーム』という作品と出会い、日本人がかつて「日本人である」というだけで強制収容所に送られ、仕事も私財も日本人としての誇りも日常も… すべてを奪われた時代があったことを知り、衝撃を受けました。

来年の2025年、日本は戦後80年を迎えますが、悲惨な戦争は、ウクライナで、パレスチナで、いま現在も進行中です。戦争が国家間、民族間の対立を決定的なものとし、戦場、戦火の外においてもたくさんの悲劇を生んできたこと、そしてそこに生きた人々の想いを、この日系アメリカ人家族についてのオペラを通して表現し、未来を担う若者たちだけでなく観る人全員に、世界平和や人種の多様性についてあらためて考える機会にしていただけたらと切望しております。

さらにオペラの舞台だけでは伝えきれない歴史的な背景やこれまで描かれてきた日系アメリカ人をめぐる様々な物語の系譜、舞台の上演史については、上演後のアメリカ文学者を招いてのアフタートークやパンフレット、また公演前にはSNSでも発信していく予定です。

なぜ、Opera Lab Japan(オペラボ)で日本初演を?

当団体は、「HAMA project(愛称:はまぷろ)」として2017年秋に発足し、『フィガロの結婚』、『魔笛』、『リゴレット』など古典的なオペラ作品を6回上演してまいりました。コロナ禍を経て、新たな芸術表現のあり方を模索・探求すべく、2024年1月より近藤はるかが代表に就任し「Opera Lab Japan(愛称:オペラボ)」として再始動しました。

HAMA project主催「リゴレット」(2019年)

オペラボは「Lab(研究室・実験室)」のようにオペラで試行錯誤と挑戦を繰り返し、舞台芸術の未来を切り拓くパイオニアとなるべく、舞台を観る人、つくる人、演じる人、すべての人々の「生」がより豊かになるオペラづくりを目指しています。20〜30代の若手アーティストのみで構成されており、企画からオペラ上演まで、若者の斬新な創造力、そしてオペラを通して、今を生きるすべての人に伝えていきたいメッセージを持ち、熱いパッションで舞台を創りあげます。

今回、このオペラ『アメリカン・ドリーム』上演を通じて、私たちが伝えたいメッセージは「歴史を語り継ぐことが、煌めく未来への第一歩(Preserving History is the First Step to a Brighter Tomorrow.)」です。オペラボ初となる日本初演作品の上演は、私たちにとって新たな一歩を踏み出す挑戦であり、オペラを通して、歴史を学び、平和を考え、未来への希望をもたらします。

オペラ《アメリカン・ドリーム》はどんな作品?

作曲家 Jack Perla

台本作家 Jessica Murphy Moo

2012年に作曲家 Jack Perlaと台本作家 Jessica Murphy Mooが制作した一幕ものの英語オペラです。1942年2月19日にルーズベルト大統領が発令した「Exective Order 9066」のために日系アメリカ人が経験した恐怖や迫害の要素以上に、人びとの「思いやり」と「やさしさ」、家族や母国への愛を歌い上げている点が魅力の作品です。これまでにカリフォルニア、ワシントン、ハワイ、ボストン、インディアナなど、すでに12カ所で上演され、2024年には本公演のほか、ニューヨークでも上演が予定されています。

このオペラは、日系アメリカ人4世のオペラ歌手 ナイナ・ヨシダ・ネルセンさんの祖母マサコ・ヨシダさんなどから聞き取った証言が元となり、制作されました。マサコさんは戦時中、病気の家族とともに強制収容所での生活を余儀なくされました。その時、ネルセンさんの曽祖父はFBIに連行され、曽祖母は関節炎を患い、寝たきりの状態でした。

『アメリカン・ドリーム』が誕生するまで(‟Discover Nikkei"のページが開きます)

オペラのあらすじ

舞台は1940年代のアメリカ。ワシントン州のピュージェット湾に浮かぶ島の農家に、アメリカ人の退役軍人ジムと新妻のエヴァが家を購入するためにやってきました。彼らが訪れた家には日系アメリカ人家族が三人で暮らしていました。三人は「FBIが家宅捜査にきて、日系人だとわかると連行される」という話を聞き、逮捕を免れようと日本にゆかりのある大切な品々を燃やしているところでした。ちょうどその時、FBI捜査官が現れ、日系人の父、コバヤシマコトは連れて行かれました。セツコと母のヒロコがその家を引き払おうとしていたとき、ドイツからのエヴァ宛ての手紙を受け取りますが、家を奪った二人を憎んでいたセツコはその手紙を盗みます。数週間後、ジムとエヴァが部屋の片付けをしていた時、床下に隠された雛人形を見つけます。エヴァは、この家の前の居住者が「ジャップ」で、強制収容所に入れられたことをジムから聞き、人形は捨てろと言われますが、ジムの言葉を無視して、エヴァは人形を戦後、持ち主の日本人に返そうと決意します。ある日、突然、ジムの家の扉を叩く音が聞こえました。セツコがエヴァの手紙を返しにやって来たのです。手紙からエヴァは両親の運命を知り、その場に倒れ込んでしまいます。ジムはエヴァを慰めようとします。そこでセツコの父が玄関に現れるのです。

作品のカギとなる「おひなさま」

オペラ《アメリカン・ドリーム》で、主人公セツコが戦争中、家の床下に隠していた「おひなさま」。これがオペラの中で物語の展開を左右する大切なモチーフとして登場します。

私もセツコと同じく、ずっと大切にしてきたおひなさまがあります。それは祖母から譲り受けた昭和10年に造られた雛人形で、第二次世界大戦中、防空壕の中で息をひそめていたものです。今回、オペラ『アメリカン・ドリーム』を上演するにあたり、伝承ホールのロビーにこの雛人形を展示し、多くの方に見ていただきます。

オペラへの理解を深めていただくために

オペラ『アメリカン・ドリーム』は1時間ほどの作品ですが、文学的・歴史的な観点から皆様の作品の理解をより深めていただくために、公演後、アメリカ文学がご専門の慶應義塾大学名誉教授・慶應ニューヨーク学院学院長の巽孝之先生をお迎えし、インタビュー形式のアフタートークを行うこととなりました。アメリカ文学、演劇において日系人がどう描かれてきたか、戦時中、日系人たちが強制収容所に入れられていたことがどれだけアメリカで知られているか。アメリカ社会におけるユダヤ人と日系人の関係など、本作の時代背景や解釈について巽先生にいろいろお話を伺えたらと思います。

慶應義塾大学名誉教授・慶應ニューヨーク学院学院長 巽孝之先生

公演概要

日時:2024年11月30日(土) 16:00開場/16:30開演(18:00終演)
場所:渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール
演目:オペラ『An American Dream』(Jack Perla作曲)
チケット:https://teket.jp/10758/36967

出演・制作者

指揮 小林 滉三
東京藝術大学作曲科をご卒業後、作曲家・指揮者・ピアニストとして、様々な舞台でご活躍の小林滉三さん。美しく調和し、力強く流れる音楽に定評があり、演奏者のパフォーマンスを最大限に引き出すため、情熱的で的確な指揮をされます。作曲家の意図を忠実に表現しながら、『アメリカン・ドリーム』日本初演に向けてご尽力くださいます。​​

演出 塙 翔平
NPO法人Vivid Opera Tokyoで代表理事を務め、プロフェッショナルのみの舞台はもちろんのこと、アマチュアや若手へのアプローチにも定評があり、作品の本質を守りつつ現代の感性に響く舞台を作りあげる、今、注目の若手演出家の一人です。

英語ディクション 浅野 千尋
アメリカのボストンでオペラ歌手及びボイストレーナーとしてご活躍の浅野千尋さんは、New England Conservatoryで上演されたオペラ『アメリカン・ドリーム』でヒロ子=日系アメリカ人家族の母役を演じました。そのご経験を活かし、英語ディクションを日本初演に向けてご指導くださいます。

出演
セツコ役:米田七海
母役:山下未紗
父役:大川博
ジム役:佐藤克彦
エヴァ役:長島有葵乃
ピアノ:齊藤真優
ヴァイオリン:深津悠乃

舞台監督:小田原築((株)アートクリエイション)
照明:沖田麗((有)ライトシップ)
衣裳:相川治奈 
プロデューサー:近藤はるか

ご寄付の使い途

作品借料:300,000円
人件費
歌手:370,000円
器楽奏者:180,000円
舞台スタッフ:351,000円
舞台制作費用(大道具・照明・衣装等):430,000円
会場費:200,000円
会場付帯設備費:100,000円
稽古場使用料:50,000円
宣伝費(チラシ・宣伝用):20,000円

制作総予算:2,001,000円
上記予算のうち、作品借料300,000円、舞台制作費用430,000円、会場費200,000円、稽古場使用料50,000円、宣伝費(チラシ・宣伝費)20,000円の計1,000,000円を、本プロジェクトにて目指します。

未来にかける思い

Opera Lab Japanでのオペラ『アメリカン・ドリーム』日本初演を通じて、多くの方がこの作品に触れることで、戦後80年を目前にした今、平和の大切さや戦争・差別の惨さ、人々の多様性などについて考える機会となることを心から願っています。今、日本から世界へこのオペラを発信することは、大変意義深く、一人でも多くの方にこの作品を観ていただくべきであると、私は確信しています。この公演の実現に向けて、皆様のお力添えをいただけましたら大変嬉しく存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

寄付者のみなさまへ

プロフィール

1999年、東京生まれ。武蔵野音楽大学声楽科卒業。慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 修士課程修了。同大学院後期博士課程在学中。2023年より小泉基金を得て、ニューヨーク市立大学 クイーンズ・カレッジ アーロン・コープランド音楽院に客員研究員として留学。同大学国際音楽演奏家コース(声楽)修了。オペラ団体 Opera Lab Japan 代表。国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)次世代研究者挑戦的研究プログラム研究員。国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST)技術研修員。ソプラノ歌手としてオペラの舞台やコンサートに出演しながら、音楽神経科学研究室にて、声楽指導への科学的アプローチの導入を目指し、歌声の科学研究に取り組む。2023年8月に音楽知覚認知国際会議(ICMPC)にて、2024年6月にはフィンランドで行われる音楽神経科学国際会議(The Neuroscience and Music)で研究発表を行った。

3歳よりピアノ、16歳より声楽を始める。NHK東京児童合唱団として、テレビ、ラジオ、演奏会等に出演。2023年には、ニューヨークのコロンビア大学で行われた全米歌唱指導協会主催 NATS-NYC声楽コンクールで3位を受賞。日本では、第24回グレンツェンピアノコンクール本選金賞、第18回日本演奏家コンクール本選特別賞など受賞。第1回イブラ・グランド・アワード本選大会で入選。サントリーホール オペラ・アカデミーで研鑽を積む。声楽を佐橋美起、三縄みどり、Andrew Wanninmanの各氏に師事。これまでに「リゴレット」チェプラーノ伯爵夫人役、小姓役、「フィガロの結婚」ケルビーノ役を演じるほか、青島広志主催 ブルーアイランド版オペレッタ「こうもり」、オペラ「あまんじゃくとうりこひめ」、「蝶々夫人」、「ポッペアの戴冠」に出演。2022年には、フジテレビ「土曜プレミアム!ハモネプリーグ」に慶應義塾大学代表ギンモクセイのメンバーとして出演し、全国4位を獲得。

このクラウドファンディング(寄付)の運営について

さわかみオペラ芸術振興財団とは

「日本にオペラ文化を広め、多くの人々に心の贅沢を味わっていただき、それが人生の豊かさにつながっていく」という理念の下、活動を行っている公益財団法人です。2015年に日伊共同制作の野外オペラ公演を開催し、2016年よりイタリアの歌劇場と共に日本各地の文化財を借景に、「Japan Opera Festival(ジャパン・オペラ・フェスティヴァル)」の総称で公演を開催しています。公演活動の他に、若き芸術家への活動支援や教育活動も積極的に行っています。
https://sawakami-opera.org/

音楽家支援制度「みんなの寄付」

さわかみオペラ芸術振興財団では、音楽活動のための助成制度「みんなの寄付」を設けています。皆様から募った寄付金は財団諸経費を除き全額を、支援が必要な音楽家に届けます。また、助成金をすべて寄付金から給付することにより、支援者と音楽家を「寄付」というかたちでつなぎ、多くの人々を巻き込みながら、日本のクラシック音楽の文化発展、振興に寄与することを目的としています。
寄付方法は、特定の音楽活動を指定せず「みんなの寄付全体」に対して支援できる<助成型>と、寄付者の方が興味のある活動を指定し個別に支援できる<個別案件型>があります。

みんなの寄付とは(公式サイト)
寄附金募集要項(PDF)

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    ※寄附金の合計額は年間所得額の 40%が限度となります。
    ※控除額は所得税額の 25%が限度となります。
    《所得控除》 下記算式より算出された額が「寄附金控除」として、課税所得から控除
    (年中に支出した特定寄附金の合計額-2,000 円)×所得税率=控除額
    ※特定寄附金の合計額は年間所得額の 40%が限度となります。
    (2)住民税
    一部自治体の個人住民税についても優遇措置の対象となります。
    (3)相続税
    相続税についても優遇措置の対象となります。
  • 法人によるご寄附
    当財団への寄附金は、(1)一般の寄附金の損金算入限度額とは別枠で、(2) 特定公益増進法人に対する特別損金算入限度額以内の金額を、損金算入することが認められています。
    (1)一般の寄附金にかかる損金算入限度額
    (資本金等の額の合計額または出資金の額×0.25%+所得の金額×2.5%)×1/4
    (2)特定公益増進法人に対する寄附金にかかる損金算入限度額
    (資本金等の額の合計額または出資金の額×0.375%+所得の金額×6.25%)×1/2
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