プロジェクト詳細
国際的音楽祭で、日本の歌と文化の真髄を披露
今年で9回目を迎える「International Green Music Festival」は、1万人以上が訪れる、音楽と自然を愛する人々が集う世界的なイベントです。イタリア政府観光局(ENIT)をはじめ、地方自治体や様々な財団、民間スポンサーが支援するこの音楽祭は、ジョヴァンニ・アレヴィ、サルヴァトーレ・アッカルド、マルタ・アルゲリッチといった著名な国際的アーティストも多数参加し、文化的な意義と美しい自然環境が融合した独自の地位を確立しています。

「9º Festival Internationale Green Music」公式ウェブサイト
「Festivalの現地メディア動画」Facebook公式アカウント
私は8月12日、ペルージャのモンタリー城の屋外コンサートに出演します。現地ピアニスト伴奏のもと、約1時間のソロリサイタルを開催予定です。
このリサイタルでは、佐佐木頼綱の曾祖父である佐佐木信綱作詞の「夏は来ぬ」や、父・神戸孝夫作曲の「さくら横ちょう」、佐佐木幸綱作詞の「熊本城讃歌」など、日本語の歌を中心に構成します。特に「熊本城讃歌」は、さわかみオペラ財団が熊本地震後に熊本城前の広場で開催した復興コンサートのために作られた曲であり、力強いメッセージを持つ楽曲です。

現地メディアにも多数取り上げられるこのフェスティバルで日本の歌を歌うことは、非常に大きな発信力を持つと確信しています。また、メディア露出の多い歌人・佐佐木頼綱氏が参加することで、イタリアだけでなく、日本のメディアにも広くアプローチできると考えています。実際に、私たちの活動は既に毎日新聞にも取り上げられています。


スケジュール
- 8月3日: 東京出発(成田空港)⇒ ヴェネツィア到着(マルコ・ポーロ空港)
- 8月5日: ヴェネツィア出発 ⇒ トリエステ到着
- 8月6日〜8月8日: トリエステにて現地レッスン、トリエステ歌劇場関係者へのご挨拶
- 8月9日: トリエステ出発 ⇒ ペルージャ到着
- 8月10日〜8月11日: コンサートリハーサル
- 8月12日: コンサート本番
- 8月14日: ペルージャ出発 ⇒ ローマ到着
- 8月15日: ローマ出発 (フィウミチーノ空港)⇒ 東京到着(成田空港)
※フェスティバルに向けて、イタリアの恩師によるレッスンを受け、発声を磨き上げます。現地メディアに出演できる最高の状態に仕上げます。
未来にかける思い:日本の歌が世界の共通言語になる日を夢見て
イタリアで知られている日本の歌は、G.プッチーニのオペラ『蝶々夫人』にも引用されている「さくらさくら」くらいです。しかし、イタリア歌曲、ドイツ歌曲、フランス歌曲、そしてロシア歌曲は、世界中で広く歌われています。日本の西洋音楽の歴史はまだ浅く、世界に浸透するには時間がかかるかもしれませんが、芸術性の高い日本歌曲は数多く存在します。
インターネットによって世界が身近になり、情報が共有しやすい時代になったにも関わらず、クラシック分野における日本歌曲は、驚くほど世界に浸透していません。アニメソングが世界中で愛され、多くの人が日本語で歌うように、日本歌曲の素晴らしさが伝われば、世界の歌手が日本語の歌も歌うようになるはずです!
父・神戸孝夫の歌曲集「さくら横ちょう」は、当初は自費出版で、生徒たちが歌う程度でした。しかし、その演奏を聴いた人々が「歌いたい」と魅了され、口コミで広がり、完売するまでに。絶版後もコピー譜で歌い継がれ、今では音大の試験曲のレパートリーになるほど、多くの歌手に愛されています。
父の癌が発覚し、余命宣告を受けた際、私は再販を決意しました。2022年には、熊本地震復興コンサートで作曲された「熊本城讃歌」など新たな曲も加えた歌曲集を出版。渋谷さくらホールで開催した出版記念コンサートでは、佐藤美枝子氏、佐橋美起氏、前澤悦子氏といった著名な声楽家の方々が、父の作品を後世に残したいという思いで出演してくださいました。彼女たちは父と直接の知人ではありませんでしたが、日頃から父の曲を歌ってくださり、その芸術性に賛同してくださったのです。
父の「さくら横ちょう」は、大手広告の力なしに、聴く人を魅了し、人から人へと広がる力を持っています。日本でこの歌が愛されたように、オペラの聖地イタリアで、日本語の歌を届け、広めていきたい。それが私の願いです。

佐藤美枝子氏、佐橋美起氏、前澤悦子氏、菊地美奈氏、山崎美奈氏、倉石真氏、小野唯氏ら出演
なぜ、無名だった父・神戸孝夫の曲は多くの歌手を魅了したのか?
それは、父が声楽家であり、発声法や喉の研究をした医学博士でもあったため、声楽家がクラシックオペラの発声で歌える、オペラアリアのような日本語の歌を作り出したからです。
父が作曲に専念したきっかけは、40代で完全に視力を失い、楽譜が見えなくなってしまったという辛い出来事でした。彼はイタリアへ留学し、ヴェローナのオペラオーディションにも合格するほどでしたが、弱視のため指揮が見えず、オペラ出演の夢を断念せざるを得ませんでした。その後、喉の不調から発声法を研究すべく医学の道へ。父は常に困難に立ち向かっていました。
今年2月に70歳で人生の幕を閉じましたが、その後も多くの方から父の作品を歌うというご報告をいただいたり、楽譜の注文が全国から届いたりし、父の魂が作品とともに生き続けているように感じます。
意識がない中、アンドレア・ボッチェリが歌う「Time to Say Goodbye」を流すと口を動かし始め、イタリア語で話しかけるとまるで答えようとしているかのようでした。父は盲目のテノール歌手ボッチェリと自分を重ねることが多く、そしてイタリアは日本に次いで愛した国でした。イタリアで培った音楽が、父の曲にも息づいているのだと思います。そんな父が夢見た場所で、父の魂を解き放ってあげたい。それが、このプロジェクトに込めた私の切なる想いです。


夫婦での活動について
全盲の作曲家の娘であるソプラノ歌手の妻と、歴史ある歌人の家系に育った夫というペアだからこそできる、日本歌曲を音楽的・文学的・歴史的・福祉的観点から研究する活動は、NHKでも取り上げられるなど、全国で注目を集めています。
成田市の共生社会のテーマソングは、市からの依頼で佐佐木頼綱が作詞し、神戸薫子がメロディーへの歌詞付けや歌唱を担当するなど、共同作業で制作し好評を博しました。
また、佐佐木頼綱の曾祖父である佐佐木信綱が、目を負傷した傷痍軍人らに100回以上にわたり短歌を指南し歌集を編纂。その歌集に「初恋」で知られる作曲家・越谷達之助が曲をつけた「戦盲歌」を夫婦で講演活動を行っています。その活動は平和的・福祉的と評価され、毎日新聞などのメディアでも取り上げられています。
音楽と言葉を通じて多くの人の「心の杖や光」となることを目指し、夫婦だからこそできる講演活動を行っています。
ご支援の使い途
父の想いを乗せた歌声をイタリアへ届けるために
皆様からの温かいご支援は、イタリアでのコンサートを実現するための貴重な資金として、大切に使わせていただきます。
- 航空券代金(東京ーイタリア往復):607,400円
- 303,700円 × 2名分(お盆時期のため、航空券が高騰しています)
- レッスン費用:49,000円
- 声楽レッスン(13,500円×3回)、コレペティレッスン(8,500円×1回)
- 声楽レッスン(13,500円×3回)、コレペティレッスン(8,500円×1回)
- 現地宿泊費:132,000円
- 宿泊費:6泊
- 現地移動費:51,538円
- ヴェネツィアからトリエステ:11,345円 × 2名分
- トリエステからペルージャ:14,424円 × 2名分
- 宿泊費用(2名分):0円
- ペルージャでの宿泊は主催者側が用意してくれます
もし目標金額を上回るご支援をいただけた場合は、神戸孝夫歌曲集の楽譜に対訳やアルファベットフリガナを添付し、CDと共に現地の音楽家に贈呈することで、父の楽曲の普及に努めさせていただきます。
結びに
歌は、時を超え、国境を越えて、人々の心を繋ぐ力を持っています。短歌に込められた古の人々の想いが現代に生きる私たちに語りかけるように、現代の日本の歌に込められた情熱は、必ずやイタリアの地で、そして世界中で、多くの人々の心に響き渡ると信じています。
父が命を削って生み出した音楽が、まるで奇跡のように人から人へと広がり、多くの声楽家たちに愛されてきたように、このイタリアでの舞台が、日本の歌が世界中で愛されるきっかけとなることを心から願っています。
皆様の温かいご支援は、この夢の実現に向けた大きな一歩となります。どうか、日本の歌の未来を照らす光となって、私たちと一緒にこの夢を実現してください。 父が愛したイタリアで、その魂を解き放ち、日本の歌の新たな可能性を世界に示してきたいです!
温かいご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
寄付者のみなさまへ
プロフィール
神戸 薫子(ソプラノ)
桐朋学園大学声楽科卒業。二期会研修所マスタークラス修了。さわかみオペラ芸術振興財団の奨学金を得てイタリアへ留学。留学中、セリエAと称されるトリエステ歌劇場にて「ノルマ」「リゴレット」でソリストとしてオペラデビュー。世界的歌手のマリーナ・レベッカやアントニーノ・シラグーザと共演。同歌劇場のコンサートでソリストとしてオーケストラと多数共演を果たす。
日本では「トスカ」「ノルマ」タイトルロール、「マクベス」マクベス夫人役、「メリーウィドウ」ハンナ役などで出演。千葉市民文化会館大ホール(定員1000名)にて満席のソロコンサートを開催。東京国際芸術協会優秀新人賞受賞。夫である歌人・佐佐木頼綱と共に唱歌や日本歌曲の研究を行い、全国各地で解説付きの日本歌曲コンサートを開催。多数の新聞記事に掲載され注目を集める。また、障がい×アートでユニバーサルな社会を目指すNPO法人メドフィカを立ち上げ、理事長を務める。子供たちへの音楽教育にも取り組み、音楽教室「オペラっちゃお」を主宰。


佐佐木 頼綱(歌人)
東京都出身・在住。青山学院大学卒業。「心の花」「半月歌会」に所属。
曽祖父は文化勲章受章者の佐佐木信綱。父の佐佐木幸綱、祖母の佐佐木由幾、母の佐佐木朋子、弟の佐佐木定綱も歌人という、歴史ある歌人一家に育つ。
2012年、「佐佐木信綱研究」編集長。2017年、「風に膨らむ地図」で第28回歌壇賞受賞。2019年「短歌往来」編集長。2019年度・2021年度NHK短歌選者・講師としてレギュラー出演。2025年「心の花」編集長就任予定。跡見学園女子大学・早稲田大学講師。
前田純孝賞・鈴鹿佐佐木信綱顕彰歌会・日本視覚障害者連盟文芸コンクール・群黎賞など、多くの短歌大会の選者を務め、全国で講演活動を行う。
著書:
・『佐佐木信綱 「愛づる心」に歌の本質を求めた大歌人』コレクション日本歌人選069:笠間書院、2019年6月。
メディア出演・制作協力:
・NHK全国短歌大会(2018年児童生徒の部選者・2020年一般の部選者)
・NHK短歌(2019年度選者、第2週担当)
・直撃LIVE グッディ! (2020年1月16日)
・漫画『Change!』(曽田正人作、講談社)にて主人公・栞のモデルの一要素となる
・漫画『清少納言と申します』(PEACH-PIT作、講談社):和歌制作
このクラウドファンディング(寄付)の運営について
さわかみオペラ芸術振興財団とは
「日本にオペラ文化を広め、多くの人々に心の贅沢を味わっていただき、それが人生の豊かさにつながっていく」という理念の下、活動を行っている公益財団法人です。2015年に日伊共同制作の野外オペラ公演を開催し、2016年よりイタリアの歌劇場と共に日本各地の文化財を借景に、「Japan Opera Festival(ジャパン・オペラ・フェスティヴァル)」の総称で公演を開催しています。公演活動の他に、若き芸術家への活動支援や教育活動も積極的に行っています。
https://sawakami-opera.org/
音楽家支援制度「みんなの寄付」
さわかみオペラ芸術振興財団では、音楽活動のための助成制度「みんなの寄付」を設けています。皆様から募った寄付金は財団諸経費を除き全額を、支援が必要な音楽家に届けます。また、助成金をすべて寄付金から給付することにより、支援者と音楽家を「寄付」というかたちでつなぎ、多くの人々を巻き込みながら、日本のクラシック音楽の文化発展、振興に寄与することを目的としています。
寄付方法は、特定の音楽活動を指定せず「みんなの寄付全体」に対して支援できる<助成型>と、寄付者の方が興味のある活動を指定し個別に支援できる<個別案件型>があります。
税制上の優遇について
当財団への寄附金は、税法上の特定公益増進法人への寄附金として、個人・法人それぞれに税制上の優遇措置がございます。公式サイト
※詳細は、所轄の税務署又は税理士などへお尋ねください。
- 個人によるご寄附
(1)所得税
控除の方法は《税額控除》と《所得控除》による方法がございます。
《税額控除》 下記算式より算出された額が、「寄附金控除」として、所得税から控除
(年中に支出した公益財団法人等に対する寄附金の合計額-2,000 円)×40%=控除額
※寄附金の合計額は年間所得額の 40%が限度となります。
※控除額は所得税額の 25%が限度となります。
《所得控除》 下記算式より算出された額が「寄附金控除」として、課税所得から控除
(年中に支出した特定寄附金の合計額-2,000 円)×所得税率=控除額
※特定寄附金の合計額は年間所得額の 40%が限度となります。
(2)住民税
一部自治体の個人住民税についても優遇措置の対象となります。
(3)相続税
相続税についても優遇措置の対象となります。 - 法人によるご寄附
当財団への寄附金は、(1)一般の寄附金の損金算入限度額とは別枠で、(2) 特定公益増進法人に対する特別損金算入限度額以内の金額を、損金算入することが認められています。
(1)一般の寄附金にかかる損金算入限度額
(資本金等の額の合計額または出資金の額×0.25%+所得の金額×2.5%)×1/4
(2)特定公益増進法人に対する寄附金にかかる損金算入限度額
(資本金等の額の合計額または出資金の額×0.375%+所得の金額×6.25%)×1/2