オレンジゴスペルは、子育てしやすい環境づくりを、音楽を通して呼び掛けています。
なぜ日本で啓発活動が必要なのか?
確かに、虐待を見かけたら通報することは、大変重要なことです。子ども虐待防止オレンジリボン運動の認知度が高まり、通報件数は上がり、命が救われる子どもたちも増えています。しかし、国連などは、それだけでは不十分であると言っています。
「虐待を止めよう」「虐待を通報しよう」だけでは、子ども虐待は無くなりません。虐待が起こる原因を皆で知り、社会の中で一人一人に何ができるかを考える必要があります。
たとえば、日本の子ども虐待の場合、虐待者は実母が多いと言われています。これは他の先進国とは違う現象です。この現象の背景には、日本では母親の負担が大きすぎるという理由があります。母親のストレスや仕事量を減らし、安心して子育てできる環境を作ってあげない限り、子ども虐待を防止することはできないのです。
また、虐待された子どもたちを虐待者から引き離すだけで、終わってはいけまません。子どもたちは、肉体だけでなく、心理的にも大変重要な成長段階にあります。しかし、集団養育では子どもたち一人ひとりの個性や才能を尊重する養育を求めることはできません。国連では「子どもは家庭養育が望ましい」とされているため、多くの先進国では、保護された子どもたちは養子や里子となり、信頼できる大人たちとの関りをより多く持つことができています。未だに集団養育を続けている先進国は残念ながら日本だけです。
よって、オレンジゴスペルでは「合唱のように子育てはみんなで!」をメインテーマに掲げ、「日本のお節介文化を復活させよう!」というメッセージを各会場で一流の音楽と共に呼び掛けています。子育て従事者(保護者)に寄り添う社会、また事情により施設に保護された子どもたちを家庭で養育していける環境を共に作っていけるように啓発しています。
音楽と社会貢献がセットになったオレンジゴスペルは、これまでになかった全く新しい社会貢献活動のスタイルです。オレンジゴスペルによる啓発活動から、熱海では子ども食堂が誕生しました。DV加害者・被害者の心理的要因や結果に関する認知も広がり、虐待のトラウマから救われる人、家庭内暴力から逃れることができるようになった人、子育てに関心を持つ人たちも毎年増加しています。
後援・共催は、オレンジリボン運動の事務局である「認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク」のほか、各開催地の地方自治体、教育委員会、NPOや市民団体、医師会、企業など多数の団体が協力しています。
なぜ、ゴスペル音楽なのか?
それは、ゴスペル音楽は「愛」を伝える音楽だからです。
いくら世の中が便利になっても、時代が変わっても、人間は「愛」がなければ、心が渇いてしまいます。残念ながら「愛」は目に見えず、お金で買うこともできません。なぜなら、それは人間の魂に宿るものだからです。
子ども虐待防止のために、さまざまな仕組みが多くの人の手を借りて整えられています。しかし、いくらシステムが整っても、そこに「愛」がなければ機能しません。また、根本的な解決にもなりません。
今の日本は少子高齢化の波を受け、大人中心の社会となり、子育てが難しい環境になっています。子どもの声がうるさいなどと、子育て従事者へ苦情を訴える大人たちがいます。性的な心理障害を抱えた大人が、子どもたちを狙うケースも後を絶ちません。母親の労働環境も他の先進国と比較して劣悪です。多くの母親・父親が社会的・経済的な不安を持ち、大きなストレスを抱えているのです。それでも、彼らは信頼できる頼れる協力者がいません。ですから、周囲の人たちは、子育て従事者に寄り添う必要があります。
「愛」とは何なのか、「愛のある社会」とはどういうものなのか。ゴスペル音楽とそこに込められたメッセージから、多くの人たちが「本当の愛」を知り、その愛は魂に宿るはずです。それこそが、子ども虐待防止問題の解決に必ずや役立つと私たちは信じているのです。
代表者メッセージ
私は多くの日本人が子ども虐待の報道を聞くたびに胸を痛めていることを知っています。しかしながら、SNSやマスコミ上では虐待加害者である親を責めるようなコメントばかりが見られ、また被害者である子どもたちに手を差し伸べるコメントは、あまり見られません。子どもたちは親から引き離され、施設に送られ、温かい家庭で育てられた経験がないまま大人にならなくてはなりません。国連は子どもは家庭で育てるべきであると警鐘を鳴らし続けていますが、残念ながら日本ではすでに先進国では見られなくなった施設養育が継続されています。
私はシングルマザーとして日米両国で子育てした母親であり、またDV被害者・鬱病・自殺願望者としての経験があります。ゴスペル音楽プロデューサーとして、オレンジゴスペルを企画しましたが、開催しながら、それだけでは不十分だと自覚しました。そして、56歳の秋にアメリカの大学で学ぶ決意をし、心理学士として2023年5月に学位を取得しました。また、同年10月には、107年の歴史を持つニューヨークのベッセル・ゴスペル・アッセンブリー(教会)で牧師に任命されました。
私は、これからも、子ども虐待のない社会を作り、また虐待を受けた子どもたちが一人でも多く家庭で育てられるように、日本の皆さんに執筆や講演を通して、メッセージを伝えていきたいと思っています。
オレンジゴスペルの活動は、私と同じ思いを持つ日本の市民ボランティアの手で行われています。活動資金はイベント収入と寄付のみです。コロナ禍後は円安や物価高騰のあおりで、オレンジゴスペルを開催できない会場が増え、イベント収入が激減しています。
オレンジゴスペルの活動を継続させるために、年間サポーター制度を設けております。昨年度は国内外から19名の方が登録(年間サポーター費は1万円)してくださり、また個人・団体からの寄付もあり、何とか開催ができました。が、今年はまだゼロの状態です。どうか、2023年度も開催資金が集まりますよう、また来年度も継続ができるようにご支援をいただけたら感謝です。
オレンジゴスペル年間サポーターのお名前は、随時SNSで公開され、公式サイトでも1年間掲載させていただきます。
オレンジゴスペルに集められた資金は、全国ツアー開催費用とオレンジゴスペルの年間運営経費に充当させていただいています。
非営利の活動なので、利益が出た場合はオレンジゴスペルをきっかけに設立された「熱海子ども食堂」を支援します。
オレンジゴスペル年間サポーター費は、1万円(1年分)です。年間サポーターのお名前は、公式サイトで1年間、公開されます。
オレンジゴスペルへの1万円以上の寄付者、イベントへの協賛企業・団体のお名前は、公式サイトで公開させていただきます。
オレンジゴスペルの募金箱を設置し、寄付してくださったお店・企業・団体などにはGood Samaritan賞を授与し、公式サイトで公開しています。Good Samaritanは、聖書に出てくる「善きサマリア人」から来た言葉で、英語では「ちょっとお節介な人」という意味もあります。