1985年、エチオピア飢餓の報道に心を動かされた荒川勝己が初めてアフリカへ渡りました。ケニアの首都ナイロビ近郊の児童養護施設で1987年から1990年まで働き、1992年から、ケニア人の知人たちと子どものための支援団体を作る準備をはじめました。荒川が日本で働いた私財をもとに団体を設立し、2名のケニア人と3名で共同代表という形の運営にしました。
「サイディア・フラハ」はスワヒリ語で「幸福の手助け」という意味です。
1994年、工場が誘致されスラムが広がり、街にストリートチルドレンがいたキテンゲラでプロジェクトを開始しました。スラムの子どもたちのための無料幼稚園、児童養護施設、裁縫教室、縫製工房、小学校、中学校とこの30年の間に拡充してきました。高校進学の支援も行っています。
子どもたちが生活するスラムの建物は非常に弱く壊れやすく、子どもたち、特に女児たちが男尊女卑のケニア社会とあいまって虐待や搾取などに常に脅かされています。私たちは女児たちの支援により重きを置くようになりました。今の私たちの養護施設は両親がいないか、病気かのために働けないシングルマザーの女児を対象としています。ケニア社会では男尊女卑の傾向が根強く、親のない女児はハラスメントにあいやすく優先的に保護する必要性があるのです。
そしてこれら彼女たちの将来を切り開くには、安全な場所と教育が何より大事です。