痴漢抑止活動センター
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2025-12-15 17:08
自分が想像できない現実を否定しないで――「嘘松」と言われても体験を語る理由
SNSで自分の体験を語ったところ「嘘松だ」と揶揄されました。 けれど、その反応の中にこそ、長年見過ごされてきた問題の本質があると感じています。 これは反論のための文章ではありません。 「想像できない」という理由だけで、誰かの現実が否定されてしまうことへの違和感について書きます。

■「毎朝」「4〜5本の手」は嘘なのか、という話

SNSで、自分の体験をリポストしたところ、「嘘松ではないか」という反応が寄せられました。
特に揶揄されたのは、「ハタチで上京した当時、通勤電車で毎朝4〜5本の手が伸びてきた」という部分です。

「毎朝」という言葉と、「4〜5本の手が伸びてくる」という表現が、現実味がないと言われました。
でも、これは誇張でも創作でもなく、私が体験したそのままの感覚です。

今日この話をするのは、反論をしたいからではありません。
加害者や被害未経験の方が想像できていない背景を、材料として共有したいと思ったからです。

■当時の時代背景と通勤状況

私がハタチで東京に出たのは、今から40年前(1985年)です。いわゆるバブル期で、電車は今よりもずっと混んでいました。

私は中央線に、ラッシュ時に25分ほど乗車し通勤していました。女性専用車両は、まだ存在していない時代です。痴漢は、社会問題として今ほど認識されていませんでした。

当時は、「痴漢にあうのは運が悪い」「我慢するもの」という空気がありました。痴漢被害を口にすること自体が、はばかられる時代でした。

■「身動きできないのに無理だろう」という誤解

後に結婚した夫も、私が被害をカミングアウトした時、当初は私の話を信じませんでした。彼もバブル期に、東京に住んでいて、ラッシュの混雑を知っていたからです。

「あんな身動きできない電車で、痴漢なんてできるわけがない」そう言われました。

これは、自分が体験していないことを想像できない、典型的な反応だと思います。
けれど実際には、混雑しているからこそ、痴漢加害者は「ばれにくい」と行動していました。

身動きが取れないのは、被害者だけではありません。
それでも加害者は、身体の向きや隙間、周囲の状況を利用して、執拗に手を伸ばしてきます。

■なぜ「4〜5本」だったのか

私の場合、触られた瞬間に、ぱしっと手を払っていました。すると、その手はいったん引っ込みます。

けれど、しばらくすると、また別の手が伸びてくる。それをまた払う。その繰り返しでした。

1人が何度も触ってくる場合もあれば、別の人物が入れ替わりで手を出してくることもありました。だから、体感として「4〜5本の手」という感覚になります。

混雑しているからこそ、加害者は大胆になれる。そういう現実が、確かにありました。

■真夜中のセクハラ電話で知った「加害者の本性」

私は、当時、痴漢に対して対抗できていた方だったと思います。
背は低く、痩せていて、いかにも上京したばかりというあか抜けない格好でしたが、恐怖で固まることはありませんでした。

それは、上京初日に受けた、ある出来事が影響しています。

上京した最初の夜、真夜中に電話が鳴りました。
受話器を取ると、「はぁはぁ」と喘ぐ男の声が聞こえました。

怖くてすぐに電話を切りましたが、直後にまた鳴り始めました。思わず反射的に受話器を取ってしまい・・・同じ男からでした。

なぜ、電話をかけ直せるのか。
電話番号を知られているのか。
実家では黒電話を使っていたので、私は最新の電話にリダイヤル機能があるのを知りませんでした。

「男に電話番号を覚えられているかも?」という恐怖で電話を切ることもできず、スピーカーにして受話器を置き、離れた場所で泣いていました。
すると男は、しばらくして弱々しい声で言いました。

「……いるんでしょ? 何か言ってください。怖いんですけど……」

そのまま、電話は切れました。二度とかかってくることはありませんでした。

私は、泣いていたのが嘘のように、笑いました。
加害者は、こんなにも小心者なのか。人に加害しておきながら、自分の方が怯えている。

そのとき、「これまで私に痴漢してきた加害者も同じだ」と理解しました。

■だから、電車で手を払えた

翌日から、満員電車での通勤が始まりました。25分間、ぎゅうぎゅう詰めの車内に閉じ込められます。

それでも、私のお尻や股間を狙って、次々と手が伸びてきました。私は、それを払いのけました。

私は、周囲の迷惑や視線を無視して、身体の向きを変えることもありました。
身動きできないほど混んでいても、無理やり力を使えば、身体を動かせます。
だからこそ、加害者も手を伸ばせるのです。

■知らなかった、もっと深刻な被害

私は、電車内で伸びてきた手を瞬時に払うことができました。

だから、知らなかったんです。

電車内で下着の中に手を入れられるような被害があることを、痴漢抑止活動を始めるまで知りませんでした。それほどひどい痴漢被害があることを想像したことすらなかったのです。

自分の体験を語るのは、他の被害を否定しないためです。当時知らなかった、もっと深刻な被害があることも、今は知っています。

■想像できないことと、否定することは違う

今回のXでの反応を見て、強く感じたことがあります。
知らなかった現実は、想像できない。
それ自体は、仕方のないことだと思います。

私自身も、知らなかったし想像できなかったからです。

けれど、被害者が勇気を出して語ったとき、「自分には想像できないから」という理由で否定し、「嘘松」と決めつけるのは違うと思います。

問題なのは、想像できないことではありません。想像しないまま、否定することです。

■今回の炎上で、私が救われたこと

今回のやり取りの中で、
「たぶん本当のことだと思う。実は私も……」
と、自身の被害体験を語ってくれた方が何人もいました。

思い出すのも辛いことなのに、私の発言が叩かれているのを見て、勇気を出して書いてくれた。
それが、本当に嬉しかったです。

私は、一人ではない。そう感じることができました。

■否定しないでほしい、それだけです

私は、すべての人に理解してほしいとは思っていません。ただ、知らなかった現実があることを、否定しないでほしい。

誰かの経験は、あなたの想像の外にあるかもしれない。でも、あなたが否定しても、その経験は存在しなかったことにはなりません。

私がこの話をしたのは、これ以上、声を上げる人が黙らされないようにするためです。

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