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寄稿「フェミサイドのない日本の実現に向けて」
皆本夏樹(都内在住 大学生)
私たち「フェミサイドのない日本を実現する会」 は、2021年8月6日の小田急線刺傷事件を受け、最初の被害者の方と同じ20代の女子大学生が呼びかけた有志の団体です。
走行中の小田急線車内で、男が20歳の女子大学生を刃物で7ヵ所刺して重傷を負わせ、殺害しようとした本事件。男女合計10人が怪我を負いました。容疑者の男は「幸せそうな女性を見ると殺したいと思っていた」などと供述しており、「勝ち組っぽい服装」とみた女子大学生を狙って殺そうとしたと報じられています。
女性が性別を理由に殺されたり殺されかけたりする事件は、今まで単に「殺人事件」や「通り魔事件」、「無差別事件」として 扱われてきました。しかし世界では、「フェミサイド」や「ジェンダーに基づく女性と少女の殺人」という言葉で、性別を理由にした女性に対する殺人事件をとらえ直し、女性に対する暴力の根絶に取り組んできた歴史があります。
けれど、日本には「性別を理由にした女性に対する殺人」という概念がまだ浸透していません。小田急線刺傷事件のような事件をもう2度と繰り返さないためには、「フェミサイド」という言葉を使い、ジェンダー不平等が生んだ重大犯罪が存在するのだと認識する必要があります。
今回の事件を受けて、多くの女性から「自分だったかもしれない」、「電車に乗るのが怖い」という声が上がりました。事件現場から数km圏内に住んでいる大学生の私も同じことを感じました。また、女性だからという理由で日常的に受ける痴漢や盗撮、ぶつかり男といった暴力を思い出した方も少なくないでしょう。このような日常的な女性に対する暴力が未だになくならない日本の状況と、フェミサイド未遂事件が起こってしまったことは無関係ではないはずです。
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写真提供 : Change.org Japan |
内閣府男女共同参画局が掲げている「女性が尊厳と誇りを持って生きられる社会の実現」と「女性に対するあらゆる暴力の根絶」のために、痴漢などの暴力と地続きにあるフェミサイドについて、実態解明と対策が必要だと私たちは考えています。
そこで「フェミサイドのない日本を実現する会」は要望書を作成し、フェミサイドの実態解明と対策を求めるオンライン署名キャンペーンを立ち上げました(下のQRコードで読み取れます)。事件から約1ヶ月で、現在1万7200筆を超える賛同が集まりました。
私たちは、ただ普通に道路を歩いて、電車に乗って、家に帰りたいです。女であるだけで暴力にさらされることなく、ただ無事に家に帰り着きたいです。「たまたま狙われなかった」「その場にいなかったから生き残った」ではなく、当たり前に殺されない社会を皆さんと一緒に目指したいです。
メディア掲載
2021.07.28:子守康範 朝からてんコモリ!(MBSラジオ)
2021.08.13:カバンに使用済み避妊具を入れられ……痴漢のリアル伝える動画サイト(Business Insider)
2021.08.21:痴漢の真実、動画で学ぶ 抑止活動センター 加害者の心理など解説(大阪日日新聞)
2021.08.25:痴漢をするのは「普通の人」 アニメーションで伝える痴漢の実態と身を守る方法(Wezzy)
2021.09.08:「痴漢です!」泣き叫んでも、助けはなかった 被害者は幾度も傷つく(朝日デジタル)
ユーザーの声
痴漢抑止バッジの購入者からハガキが届いています。掲載許可をいただいている声をご紹介します。
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デザイナーの思い
【デザイナー:猫とカエルさん/兵庫県立尼崎工業高校】
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兎やカエルにすることで女子高生でも使いやすいようなデザインにしました。 鳥獣戯画にすることですこしオシャレさをだしました。 また痴漢にたいしても私たちは怯まないという印象をつけるため、かわいいデザインでわなくカッコいいデザインにしました。
女性の方が嫌な思いをすることが減るように、私のバッチが少しでも役立てば嬉しいです。 とても良い活動だと思うので今後も続けてほしと思っています。
【発行者コラム】
■■8月にTwitterの投稿がバズり、マンスリーサポーターが一気に150名まで増えました。毎日、届く支援のメールにドキドキしました。■サポーターページの作成中です■先日39.3度の発熱。コロナ!?と怯えましたが、幸い気管支炎でした。とはいえ、一週間寝込んでキツかったです。■体調悪い間、認知症の舅介護と私の食事の世話をしてくれた夫に感謝。■夏の疲れが出る頃、皆様もご用心下さい。(松永弥生)
【マンスリーサポーター募集中】
通学電車・バス内での痴漢から子ども達を守りたい!(月1000円~)