痴漢抑止プロジェクトを広げていきたい。
どのジャンルであっても0を1 にした人へのリスペクトは、持ってしかるべきと思う。
痴漢抑止バッジは、高校生だった殿岡たか子(当時16歳)が考案した。私たちは、常に彼女へのリスペクトを持って、痴漢抑止バッジの普及活動を行っている。
鉄道会社や警察が、痴漢キャンペーンにバッジやキーホルダーを作って配布する時、私たちは、それに対して「止めてください」とか「勝手に真似しないでほしい」と主張したことは、一度もない。
ただ「やるのなら、一緒にやりましょう」とお声がけをする。
単に缶バッジを作って、被害者に自衛を求めるのではなくて、それは被害者を孤立させてしまうから、社会全体で痴漢問題の解決を考えていきたいからだ。
私たちは、そのために毎年夏に「痴漢抑止バッジデザインコンテスト」を実施している。
被害にあっていない学生も、その保護者も一緒に痴漢犯罪について考える機会を持つためだ。
皆で社会課題を共有し、解決に向けて考える。そのステップをないまま、ただバッジやキーホルダーを配布するのは、根本的に「違う」のだ。
例えば、マタニティーマーク。原型を考案したのは、横浜在住の女性ライターだ。彼女が1999年に考案し、草の根でママさんサークルに広がっていった。
それを厚生労働省が、デザインを公募して2006年に公開。国交省を通じ鉄道会社が無料配布キャンペーンで一気に広がった。
「何のために、マタニティーマークが必要なのか?」という社会的コンセンサスがないまま、マタニティーマークが一人歩きを始めた。
その結果、妊婦様といった揶揄とともにマタニティーマークを付けた女性を叩く風潮がSNSを中心に広がった
「マタニティーマークを怖くてつけられない」という意見も2000年代には多く見かけた。
私たちは、痴漢抑止バッジが同じルートに乗ることを恐れた。
多くの人が痴漢犯罪を課題として認識し、痴漢抑止バッジをつけた子を守ろうとしてくれるように願ってきた。
だから、学生が参加するコンテストの実施や、活動を支援してくださるサポーターの皆さんとの繋がりを大切に考えている。
鉄道会社や警察には、機会があるごとに「一緒に取り組みましょう」とお声がけしている。
阪急電鉄やJR西日本はコンテストにご協賛くださっている。JR西日本と近鉄GHDは、学校に痴漢犯罪防犯講座の寄贈に乗り出してくださった。
痴漢抑止プロジェクトの輪をもっと広げていきたい。
ユーザーの声
痴漢抑止バッジの購入者からハガキが届いています。掲載許可をいただいている声をご紹介します。
デザイナーの思い
【デザイナー:鈴木 夢夏/太田情報商科専門学校】
人混みの中に1人の女の子がこちらを指さして、加害者へ向けて「人ごみに紛れてもずっと見ている」という、メッセージを込めてデザインしました。 10代〜20代の若い層の方たちが使用してもらえるよう堅苦しすぎない馴染みやすいイラストにしました。一番こだわったのが配色です。痴漢抑止活動のロゴマークにもある青を全体的に使用し、差し色でピンクを使い、デザインに統一感を持たせました。
被害にあわれた方の気持ちなどを考えると、犯人のことは絶対に許せないと思います。今回、痴漢抑止の活動のお手伝いができ、うれしいです。 これからも痴漢抑止のための活動を応援していくと共に、こうした活動に参加していきたいと考えております。
【デザイナー:ばってん/大阪情報ITクリエイター専門学校】
痴漢行為への怒りの気持ちを、芝犬に託しました。親しみやすい芝犬を使うことで身に付け易く、威嚇の表情で『痴漢抑止』を力強く訴えさせました。芝犬は番犬として活躍してきた犬種なので、守ってくれているという気持ちになれるのではないかと考えています。
今回のバッジデザインのような機会がなければ、痴漢抑止の活動に関わることはなかったかもしれません。改めて現在の状況を知るきっかけができて感謝しています。痴漢がれっきとした犯罪であると世間に認知され、どんな人も怯えることなく生活できる社会になればいいと思います。
【発行者コラム】
■3月半ば、コロナでもインフルでもないのに、高熱を出し2週間以上、寝込みました。1ヵ月経っても、咳がひどく辛いです。■会報の発行が遅れました<(_ _)>■先日、道で立ち往生している高齢者を見かけました。通りすがりの人たちと力を合わせて、ご自宅まで送り届けました。一人暮らしでサポートも受けていらっしゃらないというので、包括支援センターに報告。■徳を積みました。松永弥生
【マンスリーサポーター募集中】
通学電車・バス内での痴漢から子ども達を守りたい!(月1000円~)