一般社団法人痴漢抑止活動センター

月1000円の支援で、子ども達を痴漢から守る

女性専用車両が100年前からあったというのをご存じですか? 電車内痴漢は、100年以上も解決されない社会課題なんです。 そんな中、一般社団法人 痴漢抑止活動センターは、2015年から「痴漢抑止バッジプロジェクト」を推進しています。この活動の目的は、「現在、電車内で痴漢被害にあっている子どもたちを守るとともに、社会全体の性暴力を根絶すること」です。 痴漢抑止バッジの無料配布は、マンスリーサポーター(月額継続寄付)の皆さんの温かいご支援によって実現しています。私たちの活動には、あなたのご支援が必要不可欠です。共に力を合わせ、安全で平等な社会の実現に向けて一歩踏み出しましょう。
2024-12-25 15:04
世界から見た日本の性犯罪 日常性というダークサイド
秋海棠 美樹 様から寄稿いただいたコラムを掲載します。 ●世界から、日本の「痴漢・盗撮」はどう見られているか ●“chikan”は、そのまま海外でも通じる単語になってしまっているという残念な事実 ●欧米の国の一部では、日本への渡航者に対して、「性犯罪の渡航喚起」を行っている国がある ●日本の感覚のまま、海外に出たらどうなるか ●日本で海外ルーツの人に痴漢、盗撮をしたら ●まとめに 【著者紹介】 秋海棠 美樹/Shukaido Miki   本業は英文財務経理職。 ライフワークは、様々な国に行ってそこの文化や遺跡、民族に触れる事。過去に事件が起きた場所などを巡ったりもする。 そんな中で、日本と他国の間の犯罪の違いや女性の扱われ方の違い、刑罰の違い、文化的閉そく性の違い等を強く感じるようになり、現在は日本で透明化されている性犯罪を減らそうと細々と活動中。

世界から、日本の「痴漢・盗撮」はどう見られているか

“chikan”は、そのまま海外でも通じる単語になってしまっているという残念な事実

日本語が、そのまま海外で伝わる単語になったものがいくつかある。例えば、”tsunami”だったり、”sake”、”sushi”のように。最近ではアニメやゲームが輸出されている影響か、何でそんな単語知ってるの?と思うような単語を、海外で聞くことも増えてきたように思う。

母国語が世界で使われている、というのは大抵嬉しかったりするものだが、しかし、残念というか、穴でも掘って逃げたくなることもある。”chikan”と”hentai”はまさにその代表だろう。

欧米の国の一部では、日本への渡航者に対して、「性犯罪の渡航喚起」を行っている国がある

世界から見た日本の治安というのはそれなりに高めであり、安全な国、というイメージが定着しているが、実際は、欧米の国々の中で日本に渡航する人への注意喚起の中に、はっきりと”chikan”や、”inappropriate touching(不適切な接触)”をあげている国も存在する。

例えばイギリス、カナダは、はっきりと政府からの「注意喚起事項」として日本に行く人に注意している。

また、BBCが痴漢、盗撮を取り扱った番組を作成し、それはいつでもYouTubeで見ることが出来る。フランスでも、日本の痴漢被害の本が出版されているし、アメリカでは、様々な「日本大好き」なYouTuberが「これは全く理解できない」としてchikanを取り扱っている。元々は日本のアニメが大好き、のようなチャンネルを運営しているYouTuberだったり、日本の風土(例えば食文化、お茶の多様さ、海外で手に入る日本食)を紹介するようなチャンネルで、「しかし何でこんなにwonderfulな国、日本に痴漢や盗撮が多いんだ??俺たちは違う日本を見てるのか?」といった具合に取り上げられる。

痴漢だけではなく、勿論盗撮も、同じように受け取られる。

同じくBBCでは盗撮に関しても追跡番組が作成されていて、それに出てくる被害者が「普通の女性達」である事がインパクトを与えている。会社員、パート社員、学生、子供……。

日本の感覚のまま、海外に出たらどうなるか

そして最近、やっと報道されるようになったのが、「日本のこの緩い性的倫理観のまま、海外に行った人はどうなるか」、だ。

2024年7月、シンガポールでシンガポール在住日本人が大学生をレイプしたとして審理にかけられた件が、最終的に禁錮17年6カ月、プラス20回のむち打ち刑となったのは、かなり大きく報じられた。

むち打ちのインパクトが大きかったからか、あまり注目されなかったが禁錮17年6カ月も、一人に対してのレイプに対しての判決としては日本と比べたら、大違いに長い。(ちなみに、シンガポールは性犯罪、強盗、麻薬関係の犯罪にはむち打ちは必須になっている)

また、澳門で日本人が盗撮を繰り返し、バレたと思って空港に向かったら「天眼」システムに追いつかれて捕まったケースもあった。事件の加害者のその後は報道されていないが、中国では「14歳未満の未成年が被害者となった場合、加害者には10年以上の懲役または無期懲役、もしくは死刑」と定められている。

澳門で捕まった日本人は、最後にターゲットにしたのは未成年だと記憶しているので、報道がなされないということは……と考えないこともない。

「日本にいるつもりでちょっと悪ふざけ」が、日本とはまるっきり違う重罪になる場合もある。それを理解した上で、日本人は他国に行っているのかどうか、そこも気がかりだ。何しろパスポートも書類が揃えばさっくり取れてしまうし、ビザ不要の国が多いので、現地の法律や国際法などが頭にない旅行者や駐在、出張者も多いのではないか、と思うと、ひっそり他国で人生を終える人がいても、私は驚かない。それくらい、相手国の法律やモラルを尊重することは大事なのだ。

日本で海外ルーツの人に痴漢、盗撮をしたら

そして最後に、今のところ大きな騒動にはなっていないが、私が懸念していることを書いて終わらせようと思う。

それは、日本国内で「海外ルーツ、もしくは宗教的ルーツを持つ人に痴漢、盗撮をしてしまったらどうなる」ということだ。

日本で生まれ育って、日本の教育を受け、海外に出たことがない人には「何が違うの?」となってしまうかもしれないが、世界各国、又は部族ごと、そして宗教ごとに女性が性犯罪に巻き込まれた時に「起きること」は違う。

「え、でもここ日本だし」と思った人もいるだろうが、一部部族や氏族、宗教によっては名誉が命より重い場合がある。そして、性犯罪(それが痴漢であろうと盗撮であろうと)に巻き込まれた女性は汚された(二度と清められない)と見られる場合もあるし、そうなると被害者家族は、加害者(人種は関係ない)には自分達のルールでの相応の罰を、と考える場合もある。

非常にまだるっこしく書いているのは、このこと自体があまり公言すべき事ではないからだ。それだけ、「名誉」は重い。

外国人が日本で加害者になったケースの報道は増えたが、日本人が加害者になったケースが全く報じられていない。そのこと自体が、何だか不気味な気がしてしまう。

このように、「ここ日本だし」が既に通用しないステージに入ってきている事を、日本人も認識しなければいけないのだ。自分を守るためにも。

名誉とか大げさな、と思う人は調べてみるといいと思う。性犯罪が重罪になっている国は、大体どこかで契機になる「加害者が消される」事件が起きている。

まとめに

まだまだ日本でも、「痴漢くらい」とか、「盗撮くらい」減るもんじゃあるまいし、と思っている人はいると思う。30年以上前、私が女子高生だった頃から、その空気感はさほど変わっていない。

しかし、確実に変わってきたのが、「被害者側の決意」だ。

「私はおしゃれを楽しみたいだけでスカートを履いている」
「私はこれから会社に行くために電車に乗っているだけ」

それを阻害するものは、捕まえてみせる、という決意を表している人が増えている。

痴漢された女子高生が怒鳴りながら数人でスーツ姿の男性を追いかける。周りにいた人達も一緒になって追いかける。もしくはその場で110番する。SOSボタンを押す。

「そしてその動画が拡散される」

痴漢や盗撮で自分の万能感を感じている人は気付いていないが、日本の痴漢追跡動画、逮捕動画は他の言語に訳されて世界に発信されている。痴漢がその場からカッコ悪く逃げ出し、途中でコケて女子高生に捕まる。そんな動画を紹介する動画が出回っている。そして、つくコメントは想像通り、「Girls, good job!!!」だ。

表向きは、安全で、道も街もキレイで、親切な人が多い、と言われる日本。

しかし、既に海外からも日本の痴漢や盗撮などの犯罪や、外国人を狙った執拗なナンパは「日本のダークサイド」として知られてしまっている。

表向きだけ高いモラル、品性を見せて「我ら大和魂」と威張り散らし、裏では品性の欠片もない、一番守らねばならない子供を狙った性犯罪がまかり通る国。

このギャップを可能な限り少なくして、「日本のダークサイドは、過去のものになりました。もっと美しくなった日本を、見て下さい」と胸を張って言えるようになりたいものである。

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