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1. 事件の概要
今日は、元衆院議員の被告が中学1年生の女子生徒に性的暴行を加えた事件についてお話ししたいと思います。
この事件は、2024年8月に東京都新宿区歌舞伎町のカラオケ店で起こりました。被害者は12歳の女子生徒。被告は被害者に性的暴行を加えたとして起訴されました。
裁判の中で被告は「被害者が年齢以上にしっかりしていた」「魔が差した」と供述し、自身の行為を正当化しようとしました。しかし、未成年者に対するこのような犯罪において、そうした言い訳は一切通用しません。
また、「家出だと思い、放っておけないので声をかけた」との発言もありましたが、その場合、適切な対応は警察や児童相談所に連絡することであり、カラオケ店に連れて行くことではありません。この行動自体が不適切であり、加害者の言い訳として受け入れられるものではありません。
さらに、被告はこれまでの裁判で、「弱みにつけ込んで、性交できるという考えはあった」とも述べています。これは、未成年者を狙った意図的かつ計画的な犯行であったことを示しており、極めて悪質です。
検察側は懲役5年を求刑しましたが、2025年2月3日、東京地裁は懲役3年・執行猶予5年の判決を言い渡しました。
2. 本件の重大性
この事件の一番の問題は、12歳という未成年者が被害に遭ったことです。未成年には性的同意能力がなく、加害者の「しっかりしていたから」という発言は、全く言い訳になりません。
さらに、加害者は元衆院議員という公職経験者でした。影響力を持つ立場の人間が、このような犯罪を犯したことは、社会にとって深刻な問題です。こうした行為を見逃してはいけません。
3. 加害者の供述の問題点
被告の発言には、責任逃れの意図が見えます。
- 「被害者が年齢以上にしっかりしていた」 → これは、未成年者に責任を転嫁しようとする発言で、非常に問題です。
- 「魔が差した」「違う自分がいたようだった」 → これは、自分の行動を制御できなかったかのような言い訳ですが、計画的な犯行であった可能性が高いことを考えると、許される発言ではありません。
- 「弱みにつけ込んで、性交できると思った」 → これは、未成年者を狙った意図的な犯行であり、極めて悪質な考えです。
4. 判決の問題点
このような悪質な犯罪に執行猶予がついたことは、大きな問題です。
- 検察は懲役5年を求刑しましたが、判決は懲役3年・執行猶予5年と軽くなりました。
- 判決では「被害者の判断能力が未熟であり、加害者がそれを悪用した」と認定されているのに、実刑判決になりませんでした。
- 「元議員の立場を悪用していない」「被害賠償をしている」ことが考慮されましたが、これは量刑を軽減する理由にはなりません。
子どもを狙った悪質・卑劣な犯罪に、執行猶予を付けることは到底納得できません。この判決が「未成年者に対する性犯罪でも執行猶予がつく」という誤ったメッセージを社会に与えてしまうことが、非常に懸念されます。
5. 社会への影響と今後の課題
- 未成年者を狙った性犯罪は、被害者の人生に深刻な影響を及ぼします。より厳しい刑罰が必要です。
- 再犯防止策の強化が求められます。例えば、
- 性犯罪者への更生プログラムの徹底
- GPS監視
- 性犯罪者データベースの活用
- 社会全体で性犯罪を許さない意識を高めることも重要です。
6. 痴漢抑止活動センターとしての提言
- 未成年の性被害を防ぐための啓発活動を強化し、被害者が相談しやすい環境を整える。
- 性犯罪の厳罰化を求める世論を作ることが重要。
- 再犯防止のため、性犯罪者の更生プログラムを義務化する法改正を推進。
私たちは、このような事件が二度と起こらない社会を目指し、加害者の責任を厳しく問う文化を作ることが必要だと考えます。