
1. はじめに
みなさん、こんにちは!痴漢抑止活動センターの代表理事 松永です。
今日は国際女性デーということで、痴漢抑止活動に関する話をしたいと思います。
実は、先日Xにポストした内容が、思いのほか反響が大きくて、5300以上のいいねをいただきました。そのポストの内容がこちらです。

これを見て、たくさんのコメントや反応をいただいて、本当に多くの人が「痴漢はなくなるべき」と思っている人が増えているんだな、と改めて感じました。皆さんのいいね!に力をいただきました。ありがとうございます。
その一方で、私のポストや活動を嘲笑する反応もありました。
でも私は、「痴漢はなくなる」と本気で信じています。
今日はその理由と、これまで10年間やってきた活動について、少しお話ししたいと思います。
2. 痴漢がなくなる日はくると信じている理由
「痴漢はなくならない」と言われることは、本当に多いです。
「昔からあるし、ラッシュの電車に乗る以上、避けられない」
「本能(性欲)がある限り、性暴力はなくならない」
でも私は、社会の意識が変われば痴漢はなくなると思っています。
その理由が、ポストにも書いた「タバコ」の話です。
🚬 禁煙運動の始まりと社会の反発
私が10代の頃、禁煙運動が始まったんですが、当時の反発はすごかったんです。
1976年(昭和51年)、東海道新幹線「こだま」に初めて禁煙車両が導入された時、メディアや文壇からの反発はすごかったです。
「禁煙車両をつくるなら、子どもを禁止する車両も作れ」というような、今では考えられない発言が週刊誌に掲載されていたのを私は覚えています。
実際、1977年には「嫌煙権」という言葉が生まれましたが、最初は「そんなの無理」「タバコは個人の自由だ」と言われていたんです。
でも、1978年に「嫌煙権確立をめざす人びとの会」が設立されてから、徐々に社会の空気が変わっていきました。
- 1980年代に禁煙スペースができ始め、
- 1990年代になると、レストランや公共施設に禁煙エリアが設置されるようになり、
- 2000年代には完全禁煙の店が増え、喫煙者の肩身が狭くなっていった。
それが今では、「禁煙」は当たり前に喫煙者が肩身の狭い思いをしていますよね。「タバコが身体に悪い」という認識が広まって、吸う人の方が気を遣うようになった。
これが、社会の意識が変わった結果なんです。
ここまで50年近い歳月がかかっています。今年還暦を迎える私は、その50年の変化をリアルに見てきています。
痴漢もこれと同じだと思います。
痴漢は、タバコと違って「明らかな犯罪」なんだから、意識が変われば必ず減るはず。
3. 痴漢をなくすためにやってきたこと
私はこの10年間、「痴漢はなくなって当然」という意識を広げるために活動してきました。
- 痴漢抑止バッジを作って配布したこと
- 「痴漢抑止バッジデザインコンテスト」を毎年開催し、子どもたちや学生たちに「痴漢はダメ」というメッセージを発信してもらったこと
- SNSやメディアで痴漢被害に関する声を届け続けたこと
- 「痴漢に遭ったら声をあげていい」「助けを求めていい」という意識を広げてきたこと
この10年で、少しずつだけれども確実に社会の意識は変わってきています。
痴漢に遭ったとき、声をあげる人が増えた。
SNSに投稿する人が増えた。
「痴漢を見たら、被害者を助ける」という人も増えた。
学校で「痴漢防止」の取り組みが行われるようになった。
私たちの活動にとって特に大きかったのが、2021年に痴漢抑止バッジがSNSでバズったことです。
「私もつけてる」「持ってるだけで安心感がある」とTwitterで言ってくれる方が現れて、バッジの配布数が一気に伸びました。それだけでなく、私たちの活動に共感してくれるサポーターが増えました。
おかげで痴漢抑止バッジの無償化に踏み切れました。
痴漢を防ぐには「周囲の目」が大きな抑止力になる。そのために、このバッジが役立っていると思っています。
4. それでも「痴漢はなくならない」と言われる理由
それでも、「痴漢はなくならない」と言う人がいます。
「法律ができたのに減っていないじゃないか」とも言われます。
でも、それは「社会の意識」がまだ完全に変わっていないからだと思います。
タバコの時も、最初は「そんなの無理だよ」と言われていた。
でも、社会の空気が変わって、「タバコを吸うのが当たり前」から「タバコは迷惑」という意識に変わった。そこまでに50年以上かかっているんです。
「痴漢は仕方がない」から「痴漢は絶対ダメ」に、社会全体の意識が変わることが必要。それには、やっぱり時間もかかります。
意識を変えるために、被害を可視化して、声をあげて、社会全体で「痴漢をなくそう」という雰囲気を作ることが重要です。
5. これからの課題
もちろん、痴漢をなくすにはまだ課題があります。
- 被害者が声をあげやすくする仕組みづくり
- 被害者にも加害者にもならないための教育
- 鉄道会社や行政との連携
でも、10年前に比べたら確実に前進しています。
皆さんがポストに反応してくれたことが、何より「社会の意識が変わりつつある」ことを示していると思います。
6. 最後に
痴漢は「なくなって当然」。
私はこれからも、そう信じて活動を続けていきます。
今日この話を聞いて、「痴漢ってなくなるかもしれない」と思ってもらえたら嬉しいです。
最後まで聞いてくださって、ありがとうございました!
皆さんが、サポーターとして活動に参加してくださったら嬉しいです。これからも一緒に、「痴漢のない社会」を目指していきましょう。