特定非営利活動法人シェア=国際保健協力市民の会
認定NPO法人

小さないのちを守りたい―――東ティモールの母と子へ届ける医療支援活動

小さないのちが、助けを待っています。 東南アジアの若い国・東ティモールでは、妊娠や出産のたびに母と子のいのちが危険にさらされています。病院や保健センターまで数時間歩いて行かなければならない人も多く、雨季には道が川となり、たどり着けないこともあります。 やっと医療施設に着いても、人材や器材が不足し、十分な医療を受けられないことも少なくありません。日本なら救えるはずのいのちが失われてしまう――これが現実です。 私たちシェアは、こうした課題に向き合い、東ティモールで母と子の健康を守る活動を続けています。現地の助産師や看護師に研修を行い、自信を持って安全なお産を支援できるようにサポートしています。
2025-10-04 12:00
より良い研修を目指して~みんなで作り上げた研修~
シェアの東ティモール事業では、僻地の住民が健康で過ごせるよう感染症や母子保健への理解を深めることを目指しています。 今回は地域住民への指導を行う、キーパーソンや保健ボランティアを対象にした研修について。日本からコミュニティヘルス専門家の工藤芙美子さんを迎え、一週間かけて入念に準備し、真剣に取り組みました。その様子をお伝えします!

Botarde(ボタルディ:テトゥン語でこんにちは)、東ティモール事務所 学生インターンの堀内です。
インターンブログ第3回目は、11月に実施されたワークショップの様子をお届けいたします。

ディリにスタッフが集結

シェアの東ティモール事業では、期待される成果の1つに、地域住民のCOVID-19や母子保健への理解が高まること、を挙げています。そのための活動として、地域のキーパーソンや保健ボランティアへの研修を企画しています。
今回、日本から出張で来られたコミュニティヘルス専門家の工藤芙美子さんと共に、1週間をかけてその研修の準備を行いました。また、この準備のために、普段はディリから離れたアタウロ島で活動しているローカルスタッフもディリの事務所に集合し、ディリの事務所が一段と華やぎました。

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アタウロのスタッフ

準備の様子

前半は、スタッフの研修内容の知識向上のため、工藤さんから講義を受け、後半は、工藤さんと共に研修内容で使う資料の準備とプレゼンテーションの練習を行いました。
今回準備した研修は、産前産後教育・下痢・コロナ・結核・デング熱と5つの項目に分かれており、それぞれ1~2人ずつ担当しました。それぞれがパワーポイントを用いたプレゼンテーションを準備していましたが、工藤さんの「会場は電気が使えるの?」という質問によって、一部の会場では電気が使えないことに気が付きました。私は、当日電気が使えないかもしれない、という考えは頭になかったため、開発途上国では様々なことを想定して動かないといけないのかと、とても勉強になりました。
それから、みんなで紙ベースの資料作成に取り掛かりました。紙のサイズが足りずテープで貼りあわせなければならなかったり、途中で材料が足りなくなったりと、とても大変でしたが、ついに資料が完成しました。その完成した資料を用いて模擬研修を行い、工藤さんのアドバイスを頂きながら修正を繰り返し、より良い研修内容に作り上げていきました。

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工藤さんの講義の様子
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スタッフひとりひとりにアドバイスする工藤さん

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ローカルスタッフによる模擬研修の様子1

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ローカルスタッフによる模擬研修の様子2

準備の過程で、アタウロとメティナロの現状について、工藤さんがローカルスタッフに確認される場面が多く見られました。その都度、工藤さんからの質問に対して答えるスタッフを見ていると、みなさん、アタウロとメティナロの現状をしっかり理解しているようでした。
ディリの事務所では、一日の始まりにスタッフ全員で朝礼を行っています。月曜日に1週間の予定をホワイトボードに書き込み、他の曜日は、前日の進捗状況と当日の予定の確認をしています。そして、その進行役は日本人スタッフではなく、ローカルスタッフが担当しています。私は、この朝礼のような日々の積み重ねが、対象地域の理解という地域保健に欠かせない能力開発に役立っているのではないかと感じました。

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朝礼の様子
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