寄付月間に呼びかけたい「マネーリテラシーの大切さ」
こんにちは。NPO法人シングルマザーズシスターフッドの発起人で代表の吉岡マコです。
今年の12月「寄付月間」は、シングルマザーがマネーリテラシーを身につける機会を提供するためのご寄付を呼びかけたいと思います。
「ひとり親の貧困」は深刻な社会問題となっていますが、貧困の連鎖を断ち切るために最も必要なのは、親子で「マネーリテラシー」を身につけることではないでしょうか。お金について学び、管理・運用していくという主体的な習慣を身につけなければ、どんなに支援や給付があったとしても「足りない」状態からは抜け出せません。
「ひとり親の貧困」は深刻ですが、一方でしっかりお金の管理をして資産形成している人もいます。「お金の話」はわざわざ自分からしないので、側から見てもその違いはわかりません。その格差は、お金の知識と実践の差です。
シングルマザーズシスターフッドでは2021年の秋からシングルマザーのためのマネーリテラシー講座を実施し、お金に向き合い、管理・運用していくための「きっかけ」を手渡してきました。「家計簿をつけていない」という人が大半だった受講生が、講座を経て行動を起こし、どんどん希望に向かっていく様子を見てきました。
「知らなかった」はもったいない。講座をきっかけにしてもらえたらその人の5年後10年後は大きく変わるはず。そんな人を増やしたい。
というわけで、今年の寄付月間は12月16日(木)より、「お金」と真剣に向き合い、行動したシングルマザーが書いた手記(エッセイ)を順次発表していきます。シングルマザーがお金に向き合う機会を得ることの大切さに共感いただけましたら、ご寄付をいただければ嬉しいです。
シングルマザーだから仕方がない?
「忙しいから家計簿つけてる暇なんてない!」「今のことに精一杯で将来について考えている余裕なんてない!」というシングルマザーは多いと思います。
でも、本当にそうでしょうか?
それは「シングルマザーだから」ではなく、その状態から抜け出す「きっかけ」がないからではないでしょうか?
マネーリテラシー講座に参加したシングルマザーの声がそれを物語っています。
「節約しなきゃ、お金が足りない、うちはひとり親で貧乏なんだから!と具体的な根拠もなく追い詰められた気持ちで生活してきましたが、きちんと家計簿をつけることで現状を正確に把握することができるようになり、心も安定してきました」
「これまで毎日の日々の生活に追われるだけで、「家計簿つけてる暇なんてない!」「今のことに精一杯で将来について考えている余裕なんでない!」という気持ちで生活してきたのですが、やってみたら、そこまでの負担もなく家計簿をつけることができました。お金についての本も1冊読むことができました。それが、自分の自信につながり、その他の生活にもプラスの影響を与えてくれました。例えば、今まで「忙しいから部屋の整理なんてできない!」と思っていたけれど、ちょっとした心がけ次第で整理できることに気づきました。部屋がきれいになると、自分の気持ちも上がりました」
「できない」と思い込んでいたけれど、やってみたらなんてことはなかった、もっと早くやればよかった!ということのようです。今までは「きっかけ」がなかっただけ。
今年の「寄付月間」のキャンペーンでは、シングルマザーが執筆したエッセイを通じて、シングルマザーがお金に向き合う大切さを呼びかけ、少しでもその「きっかけ」に触れる機会を作れたらと思っています。
自分の言葉で綴られた物語の力
今年の5月に、Mother's Dayキャンペーンを実施しました。シングルマザーがエッセイを書いて、それをキャンペーン期間中にnoteに毎日アップし、生き方の多様性を祝福し、セルフケアの大切さを呼びかけるというものです。
今回の「寄付月間」では「マネーリテラシーと私の大切にしたい価値観」というテーマで、シングルマザーがエッセイを執筆しました。
エッセイは、どれ一つとして同じものはなく、文体も、題材も、テーマも、本当にその人の個性が出ています。書くことで、自分に向き合い、本当に自分が大切にしたいものとは何かを考えます。過去の苦しみも悲しみも客観視できるようになり、自分自身の輪郭がくっきりしてきます。
「お金」という、普段は話しにくいテーマにあえて向き合い、自分のあり方、希望を言葉にすることは、私たちに力を与えてくれます。
セルフケアから学びの機会へ
2020年の春「シングルマザーのセルフケア講座」というストレッチと対話による60分のオンライン講座を始めました。「元気と笑顔を取り戻した」「子どもに優しくなれた」そんなポジティブな声をたくさんいただき、全国32都道府県からのべ1775人が参加しました。
しかし、この無料講座を14か月続けてきて、見えてきたことがありました。
身体がほぐれる、誰かと話せてホッとする、というのはシングルマザーの健康に多大なるプラスの効果がありますが、実はその効果は持続的ではなく、「今が良くなる」ための機会を提供するだけでは、本当の支援にはならないということに気づいたのです。
ストレッチだけでは癒すことができない、深い悩みに向き合うための知識や技術が必要なこと。シングルマザーの「未来」が良くなるためには、「セルフケア」を土台として「学ぶ機会」が必要だということがわかってきました。
そこで、2021の後半は、シングルマザーの深い悩みに向き合うための講座を企画して実施してきました。
テーマは
1)感情
2)人間関係
3)お金
の3つです。
こうした講座に参加したことをきっかけに、参加者の皆さんにとって、お金のことだけでなく、生活のさまざまなこと(住まい、健康、人間関係、仕事、などなど)がポジティブに変化していく様子を、短期間で目の当たりにしました。
現実を直視せずに、未来に対する漠然とした不安を持っていると、やみくもに「節約しなきゃ」と、気持ちも殺伐としてきます。
しかし、このような講座で、専門家に伴走してもらいながら、仲間と励まし合っていけると、今まで目を背けてきたお金のことにも向き合える。そんな手応えを感じました。
エンパワメントを支援
Mother's Dayキャンペーンに引き続き、この寄付月間キャンペーンも、マネーリテラシー講座の参加者からボランティアスタッフを募り、15名ほどのチームで運営しています。「講座を通して力を得た、その力を発揮して貢献したい」「まだこのような機会に出会えていないシングルマザーにも届けたい」「安価で参加できる仕組みを維持することに貢献したい」という真摯な思いから手をあげてくれました。支援される側にとどまるのではなく、自分も支援したり貢献したりできる存在になれるのだというパラダイムシフトは、大きなエンパワメントになります。
どのような境遇にあっても、自分の選択に誇りを持ち、自分らしく生きるためには、心身の健康と、人とのつながりが土台となります。そのつながりの中で、さらに、自分の人生のハンドルを自分で握っていけるよう、マネーリテラシーを身につけ、実践できるよう、活動を続けていきたいと思います。
シングルマザーズシスターフッドの活動は、皆さまからのご支援で成り立っています。
10,000円のご寄付を20名の方からいただければ、マネーリテラシー講座を1回開催でき、10~15組の母子がその恩恵を受けられます。
「未来を切り拓く支援」が個人や社会に生み出すポジティブなインパクトを見てみたい!という方、ぜひご支援いただければ幸いです。