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「大学生の頃、当時のパートナーと避妊に失敗しました。緊急避妊薬も高額で手が出せない状況の中、妊娠してしまい、自分は中絶することを選びました。産むという決断をしていたら、大学を中退しなければいけないと考えたからです。しかし、その話は周りの友達に広まり、大学内に居場所がなくってしまいました。当時なぜ緊急避妊薬という選択肢を選ばず、中絶という辛い経験を選ぶことになってしまったのかと何度も自分を責めました。」
これは中絶を経験した方の実際のエピソードです。
もちろん、予期せぬ妊娠がすべてネガティブなものというわけではありません。子どもを育てながらも学校に通う選択肢もあり、そうした生徒・学生を支援する動きも広まりつつあります。
一方で、パートナーが協力的でないケースや、性暴力の結果妊娠したというケースでは、妊娠と出産は若者にとって苦しむ状況に立たされることになるのも事実です。
「あの時、緊急避妊薬を服用できていたら…」「もっといろんな避妊方法にアクセスできていたら…」そんな思いをする若者を少しでも減らし、安心して学校生活を送れるようにする月額寄付者の方を募集します。
社会の現状
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2019年の調査において、日本における予期せぬ妊娠は、1年間で15~19歳では推定約1万7,000件、20~24歳では推定約7万3,000件(※1)と25歳未満では約9万人にのぼります。そして2018年時点で、人工妊娠中絶件数は約5万4,000件(※2)と、推定で約6割が中絶を選択していることになります。また、こうした「予期せぬ妊娠」がもたらす社会的な影響は大きく、若年層であればそれはより顕著に現れます。
15~22歳の中高生、大学生においては予期せぬ妊娠によって進学や卒業を諦めなければならず、その後のキャリアの選択肢も狭まってしまうという課題があります。妊娠を経験した日本の高校生のうち、学校を中退した生徒の割合は全日制で36.9%、定時制で24.8%(※3)となっています。また、妊娠がわかって出産するとなっても、若年のうちに離婚した結果、育児負担が大きくなってしまったり、貧困に陥ってしまったりするケース(※4)も少なくありません。
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こうした予期せぬ妊娠を防ぐには、正しい性知識の普及と同時に、避妊方法を拡充させる「セーフティネットの拡充」が必要不可欠だと私たちは考えます。そしてこのセーフティネットの一つになるのが「緊急避妊薬」です。アメリカ、ドイツ、フランスなどでは、約900円〜5,000円程度の料金で、学校・病院・非営利団体では「無償」で緊急避妊薬が処方されているのです。しかし、日本ではこうした取り組みが実施されていないのが現状です。
そこで私たちは、若者が安心して学校生活を送れるための仕組みづくりとして「おひさまプロジェクト」を実施しています。
※2:厚生労働省「衛生行政報告例の概要」(2018年) p.9
※3:文部科学省「公立の高校における妊娠を理由とした退学に係る実態調査」
おひさまプロジェクトとは?
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産婦人科の病院と連携し、緊急避妊薬をソウレッジが全額費用負担することで、若者に無償提供するプロジェクトです。具体的な流れは以下の通りです。
①病院にきた若者におひさまプロジェクトを紹介
②診察終了後、病院側が負担する形で、緊急避妊薬を無料で提供
③緊急避妊薬提供後に、低用量ピルの服用やミレーナ(※3)を紹介
→医師からメリットやデメリットの説明を受けた上で、本人に服用・挿入の希望があれば最初の費用を全額負担(6月より実施予定)
④性知識を発信する公式LINEにて、継続的にサポートを実施
⑤病院側からソウレッジへ費用請求
※3 ミレーナとは:レボノルゲストレルという女性ホルモン(黄体ホルモン)が5年間、体の中で続けて維持されるようにした避妊具です。子宮の中に挿入して使用します。形はT字型でプラスチックで作られており、避妊効果は98%と言われています。日本国内で承認されている避妊薬の中で最も高い避妊効果があります。妊娠を望めばそのタイミングで取り出すことが可能です。
プロジェクトの現状
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左:Bene浅草 直林先生 / 右:プロジェクト運営メンバー 一柳
私たちは2022年2月に、おひさまプロジェクトを実施するためのクラウドファンディングを実施しました。それにより、2,000万円を超える資金を調達し、現在は神奈川・東京をはじめ関東圏の病院と連携しています。
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提携病院数は昨年度の2件から15件まで拡大することができました。また、連携先病院のスタッフの皆さんにはユースフレンドリー研修を受講していただき、おひさまプロジェクト利用者の若者が安心して診察を受けられる場づくりを目指していく予定です。
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病院へ行くのに心理的なハードルがある、そもそも病院に行くという選択肢を知らずどうしていいのかわからない、といった若者にもアプローチするために、若者支援団体との連携も強化しています。今年度は5団体と連携するお話が進んでいます。妊娠不安を相談しに来た若者を、若者支援団体から、おひさまプロジェクトの連携先病院へと案内してもらう仕組みです。また、各団体様には自社で開発したすごろく形式の性教育研修を無償で提供させていただき、スタッフの方が若者が置かれている性の環境を理解したり、予防知識を身につけてもらっています。
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今後の活動
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①さらなる病院提携数の拡大
現在は関東圏を中心に連携先の病院を拡大していますが、今後は他の都市圏や地方の病院とも連携していく予定です。今年度は緊急避妊薬を400人に、最終的には前回のクラウドファンディングで掲げた、学生をはじめとする1,000人の若者に届けることを目標としています。
②妊娠検査薬・避妊薬・避妊具の費用負担
これまでは緊急避妊薬のみでしたが、今後は妊娠検査薬・低用量ピルやミレーナをはじめとする避妊薬、避妊具の費用負担もおこないます。
③若者が避妊薬を使用できるようにするための政策提言
1. 緊急避妊薬、低用量ピル・ミレーナなどの避妊薬を保険適用とするなど公費支援の対象とする
2. 病院でしか買えない緊急避妊薬を薬剤師でも扱えるようにする
の二点を政策提言として進めています。
前回のクラウドファンディングで皆さんからいただいた資金により、緊急避妊薬を多くの若者に届けることができるようになりました。そして現在、緊急避妊薬を服用せずとも、安心して日常を送れるようにする避妊薬・避妊具(低用量ピルやミレーナ)を提供するための、さらなる資金が必要です。また、提供方法として現在取れる最善策は「病院を開拓すること」であるため、処方費用だけでなく、開拓費用もさらに加算されます。
緊急避妊薬だけではない「避妊薬・避妊具の無償提供」という選択肢を若者たちに保障し、妊娠にまつわる不安をより多様な方法で解決していくために、皆さんのご寄付の力が必要です。
月額寄付でできること
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<月1,000円のご寄付の場合>
緊急避妊薬提供後、病院側から支給される妊娠検査薬(平均1,000円前後)の費用を負担することができます。緊急避妊薬を服用しても避妊できる確率は100%とはいえず、不安な気持ちが残るため、妊娠検査薬を服用後に使用してもらいます。
<月3,000円のご寄付の場合>
ミレーナは自費負担で平均3万円、低用量ピルは平均1シート3,000円です。診療後に紹介するこれらの避妊薬を年間1~12人の若者に無償で提供することができます。
(※低用量ピルは最初の1シートの費用負担のみになります。継続的に服用する必要のある避妊薬のため、最初の無償提供をきっかけとして一つの避妊方法として検討してもらうのが目的です。)
<月10,000円のご寄付の場合>
「おひさまプロジェクト」の提携先病院を1件開拓するには、人件費に換算すると4.8万円がかかります。
実際にプロジェクトを利用した方からはこのような声をいただいています。
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また、月額寄付者「おひさまサポーター」さんには寄付の使用用途を明示するアニュアルレポートの送付と、活動の現状報告を行う交流会も行っています。
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月額寄付者「おひさまサポーター」になって、若者が安心して学校生活を送り、未来の選択肢を少しでも増やすための社会を私たちと一緒に作りませんか?
寄付者さんからの声
現在97名のおひさまサポーターさんがソウレッジを応援してくれています。
そのうちの1人、まーしーさんからの声を紹介させていただきます。
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応援メッセージ
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代表・鶴田七瀬からのメッセージ
「実は私、中絶したことあるんだよね」「この間性行為中にコンドームが取れちゃって、急いで病院探したんだけど休日で病院はやってないし、買えたと思ったら高いし、つるたまが話している課題の意味がやっとわかったよ」「私も性被害あったことあるよ」という声をこの数年間でたくさんの友人から聞きました。
こうした声は、なかなか人に言うことができないから可視化されないだけで、たくさんの人にとって、性被害も避妊も中絶もすごく身近なものだと強く感じています。
特に、コミュニティが小さかったり、知識や金銭が十分にない若者たちにとって、ハードルは非常に大きなものです。この出来事を機に、大きな決断を迫られたり、人生でやりたかったことを諦めることさえあります。
私自身は妊娠にまつわる悩みをもったことはありませんが、しかしそれはたまたまそのような状態にいたらなかっただけで、誰にでも起こりうるものであり自分事として取り組まなければならない問題だと感じています。
もしかしたら今後、私や私の友人や子どもたちが、妊娠不安を感じるような状況になることがあるかもしれません。
そうなったときに、自分の人生を自分で選択していける環境をできる限り整えておいておきたいんです。
みなさんも一緒に、未来の選択肢が少しでも増えるような社会に変えていきませんか?
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鶴田七瀬プロフィール:
日本の性教育の現状を現場視点で学ぶ目的でNPO法人で性教育講演などを行うインターンを経て、性教育を積極的に行う北欧の国の教育・医療・福祉などの施設を30箇所以上訪問。帰国後に「性教育の最初の1歩を届ける」ことを目指し、ソウレッジを設立。2022年度 Forbes 30under30「日本発、世界を変える30歳未満の30人」受賞。27歳。静岡県出身、兵庫県在住。
よくある質問
ー「ユースフレンドリー」とはなんですか?
ユースフレンドリーとは、青少年にやさしいあり方のこと。ヘルス・サービスの文脈では、若者の健康とウェルビーイングを実現することを目的に、性と生殖に関することを含め、若者が必要なケアを受けやすくなるあり方のことを指します。WHOではユースフレンドリーなヘルス・サービスについて、Equitable(公平)、Accessible(アクセス可能)、Acceptable(受け入れられる)、Appropriate(適切)、Effective(効率的)の5つの要素を満たすものと定義しています。
引用:ユースヘルスケアアクション
ー中高生がミレーナを挿入しても大丈夫ですか?
ミレーナを挿入することで、子宮頸管の損傷や子宮体部の穿孔のリスクはあり得ます。しかしそれは中高生に限ったものではなく誰にでも起こりうるものです。そのため、年齢にかかわらず避妊手段としてミレーナを第一に推奨していないクリニックもあります。
こうしたリスクも踏まえ、ソウレッジでは、ミレーナだけでなく、低用量ピルなどの他の避妊方法も提示した上で、本人と医師の合意に基づいて選択された避妊方法の初回費用の負担を行なっています。
ーそもそも緊急避妊薬を飲まなければいけない状況になったのは本人の責任ではないですか?
暴力で断れなかったり、帰る場所がなくて居場所を得るために無理をしてしまったりという方もいます。普段はコンドームをつけていてもたまたま失敗してしまったという人もいます。本人の同意なくパートナーに勝手に外されていることもあります。いつどんな状況で避妊に失敗するかわかりません。誰にでも可能性がある以上、全ての人が等しくアクセスできる状況をつくりたいと考えています。
ープロジェクトを利用できるのは学生のみですか?
24歳以下のすべての若者が対象です。
ー病院に来た若者はどのようにして避妊薬を処方されているのですか?
現在は病院で服用するという形を取っていますが、今後、面前服用以外の方法で、本人の安全性を担保できる無償提供の方法が見つかり次第、迅速に対応方法の変更を行います。