活動・団体の紹介
NPO法人 タネとスプーンは、虹色畑クラブと居場所「カドベヤで過ごす火曜日」が協業して誕生しました。
虹色畑クラブは、2016年から横浜・藤田農園の協力を得て、引きこもりや発達障害、心の病や生きづらさを抱えた人達とその家族のための援農活動を行っています。 横浜市港北区高田町に活動の畑があり、毎週木曜と月2回の日曜に、季節ごとに30種類以上の野菜を育て、共に収穫して、畑でのグランピングで美味しく食べたりしています。
居場所「カドベヤで過ごす火曜日」は、2010年から横浜の寿町(石川町)にて、毎週火曜日の夜に、誰でも参加できるワークショップを行い、引きこもり経験のある青年たちによる美味しい手料理を皆で食べ、皆で片付けもするアットホームな大人食堂です。 寿町という場所柄、生活保護受給者の方など様々なバックボーンを持つ人達が共に集い、過ごしています。
2つの団体が出会い、コロナ禍であっても虹色畑クラブの野菜をカドベヤで使ってもらうなどして交流を深め、2023年秋に法人化し、そこで新たな事業「小淵沢てこファーム」が誕生しました。
活動の背景、社会課題について
引きこもりなどの若者支援の場で働いてきた代表の原田が、「支援する側」の人間が、難しい状況にある若者や家族に寄り添っていく中で、様々な重圧と疲労でバーンアウトしていく話を見聞きすることが多く、また、虹色畑クラブにも様々な福祉職の参加者が「土に触れたい。リフレッシュしたい。」とのことで増えたことから、「ケアラーのためのケアが必要なのではないか」との考えに至りました。
ケアラーには、様々な立場の人達がいます。 介護者や障害者などの支援者、不登校や引きこもりの支援者、児童発達に関する支援者、里親や病気の家族の世話をする人などです。 多くのケアラーが、踏ん張って頑張っていますが、時には息抜きが必要。 リフレッシュして、気持ちを吐き出す場が必要です。
「人を支える人」が倒れてしまうと、共倒れになってしまいます。
今までも、虹色畑クラブやカドベヤがそういった人達のための憩いの場にもなっていました。 そして、代表の祖父母が遺した山梨県北杜市家と土地が長年放置されている現状があったため、最初は代表が福祉従事者の知人と時々訪れては近隣の山登りなどしていくうちに、「仕事の現場を離れて、気分転換できる場が自分にとって必要」との声があり、この地をそういった場として活用してはどうかという話になり、 その後はいろいろな人達に足を運んでもらってアイディアをもらいながら、「ケアラーのためのリトリート拠点」としての構想が固まってきました。
活動内容の詳細、実績について
2023年から土地の活用の模索が始まり、2024年からは、築50年以上の家の片付け、倉庫の片付け、育ちすぎた木々の剪定や伐採などの整備が始まりました。
月1回程度、様々な分野のケアラーや仲間たちと訪れ、現地近くに移住していた知人の大きな助けも得て、家屋の屋根、床、サッシ交換の改修、物置小屋の屋根の改修、エアコンの設置、駐車スペースの整備など準備を進めてきました。
2024年秋から、「伐採プロジェクト」として、泊まりや日帰りで多くの人達が来てくれて、伐採や草刈り作業を行い、共に食事をしたり、夜には家の薪ストーブを眺めながら語り合うなどして親睦を深めました。
その中で、元引きこもりだった若者なども作業に加わり、力を発揮してくれています。ゆくゆくは引きこもりなどの人達が訪れて、自然体験ができるような場としても、機能することを目指していきます。
代表者メッセージ
今まで行ってきた畑の活動、相談支援の仕事、カドベヤさんや小淵沢周辺の友人知人さん達とのご縁が活かされ、さらに繋がって広がっていくワクワクがあるのが、この小淵沢てこファームの活動です。
荒れた土地と心の再生。地元から離れ、心身のリフレッシュとなるリトリート拠点。これからの時代は、「ケアする人のケア」も注目されるべきだと考えています。
そういった場を、引きこもりなどの人達とも一緒に作っていくことで、祖母の遺志にも添いたいと思っています。
ぜひ、この新しい試みにご協力ください。
寄付金の使い道について
伐採プロジェクトや敷地整備を手伝ってくれた引きこもり経験のある若者、プロジェクトリーダー、サポーターへの謝礼金。スタッフの交通費。チェーンソー・刈払い機の歯等の備品、燃料、食材費などに使います。
また、念願のウッドデッキを敷地内に作って、皆で、バーベキューやテント泊体験、ヨガや星を見ることができるスペースにしたいと考えています。