今年もうれしいクリスマスを迎える季節となりました。私事ですが、今月始めに、久しぶりに台湾を訪問させて頂く機会を得、懐かしい友人たちとテーブルを囲み、旧交を温めることができました。身支度を整え、お土産を携え、遠くまで出かける体験は、時間と手間がかかります。しかし、だからこそ出会いの喜びは大きく、関係構築の為には、大切な行いであることを再認識しました。
日本では台湾有事が声高に叫ばれ、防衛力増強をどや顔で語る輩が増えていますが、かの国の人々はきわめて穏やかで、なんだかホッとしました。近年民衆レベルでは、大陸と台湾は極めて良好な関係が続いていたようです。ところが5年前から、政治が大きく変わってしまったとおっしゃる方がいました。世論やムードは、権力者たちの思いで、簡単に変えられてしまうことは、プーチンによるウクライナ侵攻を見ても明らかです。今回残念なのは、そこに宗教者までもが関わり、それがあたかも神の意志であるかのようにミスリードしてしまっていることです。今回の戦争は、東西政治陣営の争いと語られますが、見方を変えるとローマカトリック教会的価値と、ギリシア正教会的価値の鬩ぎ合いでもあり、ほとほと悲しくなります。その結果、犠牲になるのはいつの世も「小さくされた民衆たち」です。「神はどこにいるのか?」そのように叫びたくなります。
クリスマスは、イエスが神さまによってこの世に遣わされた時です。そしてイエスは「生涯に渡り、小さく弱くされた人々に寄り添い、祈り、歩み、十字架上で亡くなり、その後再臨された方」です。しかも今なおこの瞬間も、争いや感染症のただなかにいて、平和を創り出そうとする人々と共にいてくださいます。つまり、私たちの働きの真ん中にこそ、神はおられるのです。
その具体的な働きの一つが、YMCAによるウクライナ支援活動です。みなさんも是非募金と言う形で、ご一緒に、「争いではなく平和を創り出す仲間の輪」に加わってください。