よりそいのハープ
任意団体

ベッドサイドにハープを〜 よりそいのハープ 〜

「よりそいのハープ」は、病床にある方や心身に不調を抱える方のそばで、ハープの音色を通して心に寄り添う活動を行うボランティア団体(任意団体)です。 この活動の目的は、ただ一つ―― 「目の前にいらっしゃる方の尊厳と大切さを認めること」 音楽を通して、その方の存在にそっと心を向け、ひとりひとりの尊厳を大切に支えます。 お一人お一人の状態に合わせて、ハープと歌でよりそいます。 ハープのあたたかく柔らかな音色が、心をそっと包み込み、安心と癒やしを届けます。 2年間の奏者養成講座の卒業生を中心に、ホスピスや病院、高齢者施設などで訪問演奏を行っています。

ハープのよりそいとは

人はその最期をどう過ごすのか‥‥
また日常で、心身ともに辛い、苦しい時にはどうやり過ごせばいいのか‥‥

そんな時に私たちは、音楽を通してその方の存在によりそい尊厳を支えます。

「目の前にいらっしゃる方の尊厳と大切さを認めること」

「よりそい」はとても難しいことです。

この人の気持ちによりそいたい‥‥と思っても、どこか独りよがりであったり、押しつけになっては意味がありません。

私たちは、その方の「呼吸」にフォーカスすることでよりそいます。

特徴1
「演奏会」ではありません

「よりそいのハープ」は、一般的なコンサートや演奏会とは異なります。

使用するのは、比較的小型のケルティックハープ。
その方のベッドサイドで、呼吸や気配に寄り添いながら、一対一でその瞬間にふさわしい音楽を静かに奏でます。 

特徴2
患者さんが『指揮者』

私たちはその方の呼吸に導かれながらハープを奏でます。

息(=breath)はリズムであり、その方の生命そのものです。

安らぎのひとときを過ごしていただけるよう、やさしく寄り添いながら、丁寧に音を紡いでいきます。

特徴3
「聞き慣れない曲」であること

よく知っている曲は、思考を刺激したり、過去のつらい記憶や体験と結びついてしまうことがあります。

小鳥のさえずりや小川のせせらぎのように美しいけれど聞き流してしまう‥‥

知らないメロディは、心に静けさと余白をもたらし、安心して自分の内面と向き合う時間をつくってくれます。 



活動内容について

一対一のハープの寄り添い

仙台市内を中心に以下のホスピス、高齢者施設等で定期的に活動をしています。
年間利用者数:約1000 人(2025年)

光ケ丘スペルマン病院ホスピス
特別養護老人ホーム 成仁杜の里仙台
ReHope仙台青葉
ReHope大崎古川
東北福祉会せんだんの里
ならの杜たんぽぽクリニック
グループホーム ふかふか・はうす(大崎・鳴子温泉)
認知症オレンジカフェ(大崎・鳴子温泉)

看護学生向け講義 

病院、ホスピスなどのロビーコンサート、イベントなどで  

小児がん啓発「ゴールドセプテンバー~キャンドルナイト~」
(2023年9月、2024年9月、2025年9月)
「リレー・フォー・ライフ」(2024年9月、2025年9月)
あいの実クランベリー、あいの実ブルーベリーほか
光ケ丘スペルマン病院ホスピス病棟ラウンジコンサート

第48回 日本死の臨床研究会でのプレゼンテーション
(盛岡市、2025年11月1日、2日)

第8回 日本グリーフ&ビリーブメント学会でのプレゼンテーション
(仙台市 2026年3月14日、15日予定)

活動の背景、社会課題について

多くの人が、その最期の時に心の痛みに迷い苦しみます。
医療の力で、病気の痛みはある程度和らげることができますが、心の痛みを取り除くことはできません。
そんな時に人は、アートや音楽、動物、自然などに癒し(救い)を求めるでしょう。
でも、それも叶わなくなる時が最期に訪れます。
私たちのハープは、そんな時の癒しのひとつとして、必要する方の近くにありたいと思っています。

高齢化社会にあって、多くの人が直面するその最期の時を穏やかなものする

また病床にある方だけでなく、心身の不調を感じる方の側で、その苦痛を和らげるために奏でます。

より複雑になる社会構造の中で、心が疲弊していく人に静かな内省の時間を作る

これからの社会に於いて、必要不可欠なものになると確信しています。
そして、この活動の火を絶やしてはいけないと思っています。

ハープと癒しの歴史

ハープは、古代から人々の心に寄り添う楽器として大切にされてきました。

旧約聖書には、若きダビデがハープを奏で、悩めるサウル王の心を静めたという物語が記されています

その音色は、中世ヨーロッパの修道院やケルト文化の中でも、祈りや癒しの場面で奏でられてきました。

現在では、ホスピスや医療・福祉の現場で活用され、ストレスや不安の緩和、心のケアに貢献しています。

豊かな倍音と静かな響きを持つハープは、言葉を超えて心に触れる楽器として、今も多くの人に寄り添い続けています。
David Plays the Harp Before Saul (c. 1896-1902) James Tissot (French, 1836-1902)

代表者メッセージ

「浄化されます。毎日聴きたいです」

 これは、演奏後にホスピスの患者さんからいただいた言葉です。ハープの柔らかい音色でその方の心に寄り添い、祈りをお届けできた時、その空間にはあたたかな空気が流れ、癒しと安らぎが生まれます。

 ハープの音色を通して「癒す」という意図をもってなされるこの活動は、苦痛や苦悩に関わり、その中に意味を見出すという体験となります。からだだけではなく、魂へも働きかけるハープと歌での寄り添いは、エンドオブライフ期にある人とその家族の助けとなるものと実感しています。

 「よりそいのハープ」は、ホスピスや高齢者施設等で活動している、ハープ奏者養成講座修了生が立ち上げた団体です。それぞれが活動場所(施設や病院)の繋がりを得て、この活動の理解を深めてきました。

 多くの施設ではイベントとしての音楽活動は行われていますが、ハープの音色を通してなされる心のケアの活動は、まだ広く一般には知られておりません。講演会の開催やイベントへの参加により普及啓発活動を行いながら、ひとりでも多くの方にお届けできることを願っています。

 人生の最期の時や、苦悩の中にいる時の心のあり方は、どんなに時代が変わっても普遍的なものです。私たちはハープと歌で寄り添うこの心のケアが、一般社会でも認知され、継続した活動になることを目指していきたいと思っています。 

「よりそいのハープ」代表 牛坂朋美
(スペルマン病院ホスピス病棟看護師として勤務している時にハープでの寄り添い活動と出会う。現在はパストラル室に所属し、患者さんにハープで寄り添いながら心のケアを担当している)

寄付金の使い道について

いただいたご寄付は、交通費、弦などの消耗品費、通信費、また活動を継続させるための資金として活用させていただきます。

団体情報
よりそいのハープ
任意団体
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