活動・団体の紹介
一般社団法人ゆめさぽは、児童養護施設や里親家庭等で暮らす高校3年生を対象に、「進学の入り口」を支える活動を行っている団体です。

大学や短期大学に進学したい気持ちがあっても、その一歩手前にある「お金の壁」によって、その選択肢を狭めてしまう現実があります。
ゆめさぽは、そうした現実のなかで、学びへの一歩を諦めなくてもすむように、「受験費用の助成」というかたちで支援を行っています。
社会課題|なぜ「受験料の助成」が必要なのか
まず、児童養護施設や里親家庭等から進学するこどもたちの割合は、一般家庭で育ったこどもたちと比べて、決して高いとは言えません。
実際、児童養護施設を退所した若者の大学進学率は 17.8% にとどまっており、全体の大学進学率と比べると、大きな差があります。一見すると、「進学を希望するこどもが少ないからではないか」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。

厚生労働省の調査によると、中学3年生以上の進学希望者は 31.8% と、実際の進学率(施設出身者の大学進学率17.8%)を大きく上回っています。

つまり、進学したいという気持ちはあるにもかかわらず、その希望が実現されていないこどもたちが多く存在しているのです。では、なぜ進学を希望していたこどもたちは、途中でその選択を諦めてしまうのでしょうか。その背景には、「進学の入り口」に立つ前に直面する、現実的な壁があります。
近年は、児童福祉法の改正により、大学などに在学しながら児童養護施設で暮らすことができる制度も整いつつあります。しかし現実には、18歳で施設を退所し、自立するこどもが多くいます。
18歳での自立に向けて、こどもたちは職員の伴走を受けながら、次のような準備を進めていきます。

こうした費用が重なるなかで、進学を考えるこどもたちにとって、「受験料」もまた大きなハードルとなっています。現場に足を運ぶなかで私たちが耳にしてきたのは、こんな声でした。
「受験料は自己負担だった」
「お金の都合で、1校しか受けられなかった」
「高校生で入所したからお小遣いを貯められなくて...」
本来は施設の経費で対応できる場合もありますが、すべてのこどもに十分に行き届いているとは言えないのが現状です。
そこでゆめさぽは、「進学の入り口で選択肢を狭めてほしくない」という思いから、私立校を2校受験できる金額として、一人あたり7万円(1校3.5万円)の受験料助成を行うことにしました。
ゆめさぽのあゆみ(活動内容・実績)
これまでに述べ304名の高校3年生に対し、総額2,128万円の進学支援を届けてきました。
| 2020年12月4日 | 一般社団法人ゆめさぽ 設立 大阪府内のこどもたちに助成開始 |
| 2021年度 | 45名の高校3年生に対し、315万円の助成 |
| 2022年度 | 23名に対し、161万円の助成 |
| 2023年度 | 対象地域を大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県・和歌山県の計6府県へ拡大 115名に対し、805万円の助成 |
| 2024年度 | 121名に対し、847万円の助成 |
これらの取り組みは、サポーターのみなさまや助成財団のみなさまのご支援、そして各都道府県の担当課のみなさまの周知協力によって、継続することができました。


また、進学応援プロジェクトと並行して、こどもたちの「夢」や「やってみたい」を聴く「夢アイスプロジェクト」も実施。進学を「選択肢」として考えるきっかけを届けてきました。




寄付金の使い道について
今回お預かりしたご寄付は、児童養護施設や里親家庭等で暮らす高校3年生が大学等の受験をする際に必要な費用の助成(一人あたり7万円)として使用します。
私立大学の受験料は1校あたり3.5万円。
複数校を受験することが難しい現状をふまえ、2校分を受けられる金額として7万円を設定しています。
※2024年度は、全国から131名の申請があり、受験料助成として合計917万円の資金が必要となっています。一方で、現在、サポーターのみなさまからのご支援は年間で約175万円となっており、すべての申請に応えるには、まだ大きな不足があります。
ご寄付は、集まった金額に応じて、できる限り多くのこどもたちに等しく給付します。なお、本プロジェクトで集まったご寄付は全額給付金として使用する予定です。
本プロジェクトは3月末まで募集を行い、こどもたちの生活が始まる4月中に、できる限り給付として届けたいと考えています。
代表メッセージ(田中れいかより)

全員に渡せないかもしれない。
それでも、やりたい。
それが、今の私の正直な気持ちです。
これまで、進学応援プロジェクトを想定、多くの高校生たちと出会ってきました。そして、その一人一人が、新しい生活に向かって歩き出そうとする姿を見てきました。だからこそ、その背中を少しだけ支えたい。そんな思いで、この活動を続けてきました。
実際に施設を訪問したときのことです。
職員さんから「ゆめさぽの人だよ。お金もらったじゃない」と紹介されました。その子は、措置延長という制度を利用して、大学に在学しながら施設で生活をしている子でした。
すると、その子は少し照れた表情で、「あ、そうなんすね...ありがとうございます」と話してくれました。そして、「幸せになりたい」という、とっても大切な夢も教えてくれました。
職員さんから無理やり言わされているようにも見てましたが、それでも、その何気ない一言がわたしの心に残っています。
また、「夢アイスプロジェクト」で出会った中学生のことも忘れられません。
将来の夢を尋ねると、その子は「保育士になりたい」と答えてくれました。その時わたしは、「もし夢が変わらなかったら、また思い出してね」と伝えました。
だからこそ、その言葉に、わたしは責任を持ちたいと思っています。
こうした活動を続けてきた結果、「今年も募集ありますか?」と職員さんのほうから連絡をいただくようになりました。この取り組みが少しずつ現場に根付き、多くのかたに知っていただき、支えていただいてきたことを、心からありがたく感じています。
一方で、現在は資金が大きく不足している状況です。また、運営体制にも課題があることも事実です。それでも私は、こどもたちに届けたいと思っています。この「進学の入り口」を、できる限り守りたいです。
全員に渡せないかもしれません。それでも、申請してくれた131名の高校生の未来を、誰一人取り残すことなく見届けたい。その思いで、今回プロジェクトページを作成することにしました。
こどもたちの新しい一歩を、みなさんの力を借りて、届けていけたらうれしいです。
代表理事 田中 れいか



