【クラッシック音楽と能楽の未来に向けた始まりの最初のスタートを一緒に作りあげて下さい!】
コロナ禍で世界中の文化芸術活動は、突然に中断を余儀なくされました。そのような中、芸術家が未来のために何ができるのか、一生懸命考えました。
このプロジェクトは、コロナ禍において、渡航もままならない中、世界的な指揮者ケント・ナガノと観世流能楽師 山本章弘を中心に芸術家たちが、リモートで創作を積み重ねてきたものです。国境を越えて、しかも新作を作り上げたことは、新しい芸術創造の可能性を拓いた先駆的なプロジェクトになります。舞台芸術、特に伝統芸能のではおそらく初めての取り組みです。
私達のこの最初のスタートを成功させるため、皆様方のお力添えが必要です。ともに優れた舞台芸術であるクラッシック音楽と能楽の未来のために、その始まりの第一歩を、ぜひご一緒に作り上げて下さいますよう、切にお願い申し上げます。
「The Spirit of the Moon公演」 特設サイトはこちら
この秋、大阪の山本能楽堂で、素敵な出会いが生まれます
この秋、大阪の山本能楽堂で、素敵な出会いが生まれます。これはまさに、心を揺らす出来事と言ってよいでしょう。
世界的に名を知られた指揮者であるケント・ナガノと、観世流能楽師・山本章弘が、「月」をキーワードとして山本能楽堂の舞台で出会います。米国出身、日系3世のケント・ナガノは、オペラや現代音楽演奏で抜群の冴えを見せる一方、日本文化への思いを強く持っています。山本章弘は、拠点である大阪だけでなく世界各地でも能を上演し、伝統文化普及に熱心に取り組んできました。今回は、ぜひ大阪で一緒に上演できないかとの、ナガノの呼びかけに山本が応じて準備が進んできたものです。
上演のテーマである「月」は、人の心を映し、また慰めるものです。新作能として、今昔物語の「月とうさぎ」を題材とした「月のうさぎ」が披露されますが、前段ではアーノルド・シェーンベルクによる名曲「月に憑かれたピエロ」を組み合わせます。20世紀初頭のウィーンでシェーンベルクが描き出した精緻で濃い音楽世界は、能が持つ表現手段と重なり合い、そして響きあい、さらに現代に通じる本質を共有しているのではないか。これはナガノの鋭い見立てです。
なお、この演奏についてはナガノが音楽監督を務めるハンブルグ・フィルハーモニー管弦楽団の奏者と、ヨーロッパで高い評価を得てきたメゾ・ソプラノ藤村実穂子が加わります。これはまさに奇跡的な競演であり、この顔ぶれでなければ成立しない、豊かな変容をもたらすでしょう。きっと、心はおおいに揺さぶられ、明るく照らされます。
さて、今回ナガノと山本が共有することができたのは、高い芸術性だけでなく、世界の傷ついた人々への温かなまなざしです。戦争や貧困、コロナをはじめとする世界の困難、あるいは身近な社会の窮状にともに向きあうなかで、この舞台の実現を契機に、世界に希望をもたらすために手を携えてゆこうという、無私の精神があります。
私たちは、彼らの思いが今後さらに発展・結実してゆくことを期待しています。今回は告知の期間も限られ、使える経費も十分ではありません。この公演を実現させるためにご協力を賜れれば幸いです。お力をいただければ、この公演は、ここからさき、社会的なメッセージとともに、次の取り組みへと波紋のように広がるでしょう。
あわせて、お誘いあわせのうえ、山本能楽堂でその瞬間を目撃・体験ください。
「The Spirit of the Moon」を実現させるための有志の会
発起人代表 安井建築設計事務所 代表取締役社長 佐野吉彦
The Spirit of the Moon「月に憑かれたピエロ」と新作能「月のうさぎ」
[開催日時]:2022年9月12日(月)18:30~20:00(予定)
[開催場所]:山本能楽堂 〒540-0025 大阪府大阪市中央区徳井町1丁目3―6
アクセスはこちら
[指揮者]: ケント・ナガノ
[出演]: ソプラノ 藤村 実穂子(2022年の第64回グラミー賞でクラシック合唱部門を受賞)
室内楽 ハンブルク交響楽団室内アンサンブル
能楽師 山本章弘 ほか
《オンライン視聴》2,000円以上の寄付をくださったみなさまには、後日、録画分をオンライン配信でご視聴いただけます。
ケント・ナガノが語るこのプロジェクトが目指すもの
シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」と日本の昔話「月とうさぎ」
世界的な指揮者ケント・ナガノと観世流能楽師・山本章弘がコラボレーションし、シェーンベルク作曲による『月に憑かれたピエロ』と今昔物語の「月とうさぎ」を題材とした新しい能の作品の共同制作に挑む舞台を、9月12日(月)大阪の山本能楽堂で上演します。
日系アメリカ人三世のケント・ナガノは、幼い頃、日本人の祖母から、毎日、日本の昔話を聞かされて育ちました。中でも一番好きだったのは「今昔物語集」の中にもある「月とうさぎ」の物語でした。
うさぎは、老人を助けるため、自ら火の中に飛び込んで、自分の肉を捧げます。神様は、うさぎの献身的な優しさに感動して、月の中にその姿を残すことにしました。こうして、月には今でもうさぎの姿が残っているとされています。
日本で親しまれているこの民話は、インドの『ジャータカ』仏教説話から日本へ伝わったとされています。日本人は古くより月を愛で、和歌に詠み、お月見を楽しんできました。
一方、中世のヨーロッパでは、「月の光を浴びると気が狂う」というようなことが信じられてきました。西洋では、「月」は、「夜」や「死」の象徴であるとともに「狂った」「気が触れた」という意味を持つとされています。シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」は、まさに月が狂気の象徴となり、ピエロが狂気にとり憑かれます。
西洋と東洋の「月」に対する相反する思いを、今回の作品において表現できればと考えています。また、マエストロの、日本への郷愁と日本文化への思いを感じて頂ければと思います。
普遍性を持つ新たな表現への挑戦、魂の鎮魂、そして希望
そして、このプロジェクトの最大の目的は、能楽と西洋音楽のいずれの分野においても新たな挑戦となる今回の取り組みを通して、日本の伝統芸能の中でも最も崇高さが際立つとされる能楽の魅力と、シェーンベルクによって鋭く切り開かれた近代的な音楽の世界が、互いに発見し合いながら普遍性をもつ新たな表現を見出し、観客と出会い、次の世代へと継承されていく「何か」を残していくための場となることです。
芸術は、これまでも、またこれからも、人の心の栄養であり、人が生きていく上でなくてはならないものであり続けるでしょう。
未曾有のコロナ禍で人の価値観は大きく変わり、世界中でこれまで経験したことのない地球規模の災害が発生し、誰も予測することがなかった戦争が今まさに進行しています。今、そうした災害や戦争によって多くの命が奪われています。
能楽は「武士の魂の鎮魂のための芸能」であり、現世に思いを残しながら亡くなった人々の魂を鎮魂してきました。今回の作品は、東洋と西洋、あるいはジャンルの壁を超えて、人々の心を癒すものとなり、そして明日への希望を感じ取っていただけるような、そうした意味を持つ作品になることを願っています。
このプロジェクトの実現に向けて、ご支援賜りますよう、お願い申し上げます。
このプロジェクトに寄付をすると税の優遇措置が受けられます
アーツサポート関西は公益財団法人関西・大阪21世紀協会が行う取り組みであるため、このプロジェクトに寄付をいただくと税の優遇措置が適用されます。個人と法人のいずれにも適用されます。たとえば個人が3万円を寄付して「税額控除方式」で税金の還付を受ける場合、11,200円が寄付者に戻ってきます。詳しくはこちらをご参照ください。
【新作能「月に憑かれたピエロ」の制作方法について】
① マエストロ ケント・ナガノ、山本章弘、Jasper Parrott、Iarlaith Carter、 Petko Slavov、宍倉由希子、宮崎優也、山本佳誌枝ほかのメンバーで、アメリカ(ワシントン)、日本、ハンブルグ(ドイツ)、ソフィア(ブルガリア)、ロンドン(イギリス)をオンラインでつなぎ、新作能「月に憑かれたピエロ」の制作内容についての会議を1年間に渡り実施。
② シェーンベルク作曲による『月に憑かれたピエロ』の中の、以下の内容を中心に制作を実施。
第1部:1,2,3,4「月に酔い」「コロンビーナ」「伊達男」「蒼ざめた洗濯女」
第2部:8,9,10,12「夜」「ピエロへの祈り」「盗み」「絞首台の歌」
第3部:15,19,20,21「郷愁」「セレナーデ」「帰郷」「おお、なつかしい香りよ」
③ ①の会議の内容をもとに、日本側として、音楽関係者、劇作家、能楽関係者と能の部分を制作。能の詞章等を制作する。
④ ③の詞章を基に、山本章弘が節付け、型付けをおこなう。
⑤ 能の三役(ワキ方、囃子方、狂言方)と会議を行い、三役の部分を制作
⑥ 実際に能の舞台で演じ、その映像をマエストロ ナガノに送付。
⑦ ⑥の映像を見ながら、マエストロナガノ、山本章弘を含む関係者で内容の会議ならびに意見交換を実施
⑧ ⑦の会議内容をもとに、内容の調整ならびに確認。
⑨ 能舞台で下申合せを実施。
⑩ 能舞台で申合せを実施し、本番に臨む。
プロフィール
【ケント・ナガノ】 1951年、カリフォルニア州バークレー生まれの日系アメリカ人。祖父母は熊本県山鹿からアメリカに移民した。1983年、パリ・オペラ座でメシアンのオペラ「アッシジの聖フランチェスコ」世界初演時、作曲者自身の依頼により小澤征爾の助手を務め、頭角を現した。仏リヨン国立歌劇場音楽監督、米ロサンゼルス・オペラ音楽監督、独バイエルン州立歌劇場音楽総監督、米バークレー交響楽団音楽監督、英ハレ管弦楽団音楽監督、ベルリン・ドイツ交響楽団芸術監督・首席指揮者などを経て、現在は独ハンブルク州立歌劇場音楽総監督と加モントリオール交響楽団音楽監督を兼ねる。
公式HP https://www.kentnagano.com
ハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団 https://www.staatsorchester-hamburg.de
【山本 章弘】 1960年、大阪生まれ。観世流能楽師。重要無形文化財総合指定保持者。公益社団法人能楽協会本部理事。公益財団法人山本能楽堂代表理事。特定非営利活動法人べっぷかんこうかい理事長。初舞台は3歳。能を「現代に生きる魅力的な芸能」として捉えなおし、能楽の普及と継承につとめる。子どもたちへの能の次世代教育も積極的におこない、これまでに全国で8万人以上の子どもたちに能の魅力を伝えてきた。また、ブルガリアを中心に、東・中央ヨーロッパと日本の能の海外公演を通じた国際交流につとめ、ヨーロッパ最大規模のシビウ国際演劇祭(ルーマニア)に6年連続招聘を受ける。2017年秋大坂城とブルターニュ大公城(フランスナント市)の友好城郭提携の調印式でも能の公演を実施し国際親善につとめる。
大阪文化賞、グッドデザイン賞2017、2020、外務大臣表彰、国際交流基金「地球市民賞」、国土交通大臣表彰「手づくり郷土賞」、「関西元気文化圏賞」特別賞、ティファニー財団伝統文化大賞、など受賞多数。
【このプロジェクトの目的】
① 未曾有のコロナ禍で人の価値観が大きく変わり、また、世界中でこれまでになかった地球規模の災害が発生し、予測もしていなかった戦争が起こり、世界中で多くの人々の命が奪われている現実社会の中、人々の心の癒しや栄養となること。能楽は「武士の魂の鎮魂のための芸能」として、現世に思いを残して亡くなってしまった人々の魂を鎮魂してきたが、今回の作品も、日本と西洋の価値観や宗教の壁を超えて、世界の人々の心を癒し、明日への希望を感じて頂ける、そのような意味のある作品になることを目指す。
② 指揮者ケント・ナガノと観世流能楽師の山本章弘が出会うことで新しい芸術創造を行い、関西をより創造性豊かな、活気あふれる地域にしていく。
③ アメリカで日系三世として生まれ育ち、世界的に活躍する指揮者ケント・ナガノの日本への郷愁の思いを、能の作品の中で表現することで、世界中の人々の心に届く新たな普遍性を内包する能の作品を制作する。
④ 出演する能楽師が、シェーンベルグの作品とのコラボレーションによって新たな刺激を受け、次の芸術創造への意欲につなげていくこと。参加するミュージシャンも、日本を代表する伝統芸能である能楽の力や魅力に触れ、今後の音楽活動に活かしていくこと。
お寄せいただいたご支援の使い途
みなさまからお寄せいただいたご支援は、下記の形で使わせていただきます。
脚本費、演出費、節付・型付け費、舞台監督費、舞台美術デザイン費、照明・音響プラン費、出演・演奏費、音楽編集費、渡航・宿泊費、大道具費、衣装費、舞台スタッフ費、原稿執筆料、チラシ・ポスター・プログラム等制作費 など
寄付をしていただく際にご確認いただきたいこと
■このプロジェクトは、アーツサポート関西の2022年度公募助成で選ばれた団体が行う活動です。
■いただいた寄付は、公益財団法人関西・大阪21世紀協会への寄付となり、税の優遇措置が受けられます。詳しくはアーツサポート関西ホームぺージ「税の優遇措置について」をご覧ください。
■プロジェクトを行う団体には、いただいた寄付から必要経費10%を控除した金額をアーツサポート関西から助成金として支払います。クレジットカードをご利用の場合はカード手数料分も控除されます。
■プロジェクトが目標額に達しない場合でも集まった寄付金を助成金として支払います。それにより事業規模が縮小されることがありますので、予めご了承ください。
■やむを得ない事情により、プロジェクトが中止となった場合、寄付金は返金せず、アーツサポート関西が行うほかの芸術・文化支援活動に活用します。
■寄付者のご連絡先については、当方の個人情報保護の基本方針に則り、プロジェクトを行う団体からのお礼のお手紙やメール等をお送りするため、当方から団体にお伝えさせていただきます。プロジェクト団体へのご連絡先の開示を希望されない場合は、寄付申込みページの備考欄に「個人情報の共同利用不可」とご記入いただきますようお願いいたします。