活動・団体の紹介
農民連食品分析センターは、1996年に多くの農業者や消費者の募金により設立された背景を持つ世界的にも珍しい分析施設です。募金による設立のため、企業や行政などの影響を受けることなく、独立した立場で活動を行っています。
活動の背景、社会課題について
1996年、日本がWTO協定に加盟したことを受け、不安といわれる輸入食品について、科学的で中立な立場でデータを集め伝えたい、また国産農産物の品質を確かめ、技術の向上に繋げたい、そしてよりよい食生活を家族と持ち続けたいと願う消費者に情報を発信していこうと、設立が取り組まれ、生まれました。小さな農家の組織からスタートしたこの運動は、多くの農業者や消費者に支えられて、世界でもまれな分析施設として活動を展開しています。
活動内容の詳細、実績について
設立以来、学校給食パンのポストハーベスト農薬問題、漢方薬の残留農薬問題、割り箸への漂白剤使用問題などを明らかにしてきました。特に1998年、中国産冷凍ほうれん草の残留農薬問題発見は食品衛生法改定と残留農薬のポジティブリスト制度化へとつながりました。
近年では、ネオニコチノイド系農薬(米/ワイン/浸透性調査/尿中/水道水)、除草剤グリホサートに関連する調査(市販食パン/学校給食パン/おやつ)、有機フッ素化合物(河川水)の検査などにも取り組んでいます。私たちの施設で得られたデータは、「調査研究データ公開」ページで読むことができます。
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代表者メッセージ
私たちは、いま日本には大きく分けて3つの検査施設があると考えています。一つは、国や自治体にある検査施設、もう一つは、民間企業による検査施設、3つめは私たちの様な募金で活動する検査施設です。この3つの施設はそれぞれ最終目標とするものが異なっていると思います。
一つ目の、国や自治体の検査施設は、法律や行政上の業務を達成することが目的だと言えます。2つ目の民間企業による検査施設は、検査によって利益を得ることが最終目的になるでしょう。いずれも、ベースには私たちの食品衛生や環境を守るための機能を担っている検査施設ではありますが、私たちの社会には、もう一つ、市民側の立場に立って、市民のための調査行うことをゴールとする施設の存在が欠かせないと考えています。それが3つめの施設、私たちのような施設です。市民に寄り添って、その目線で食品衛生を見つめ、その声を聞いて活動する、市民の手で施設は支えられ、オープンな環境でデータを発信していく施設です。
食のグローバル化や行き過ぎた経済性を求める食糧供給システムによって、食や農を取り巻く環境は、大きな変化の時に来ていると感じませんか。そして、そのいくつかは、市民には検証が困難な高いテクノロジーで生み出されてくる食品であったり、食べる、作る側の声が届かない仕組みで承認、流通が決められていくものがあるように思いませんか。
-安全性は、行政やメーカーが確認した。あなたたちはその説明とデータを良く理解して、安全に、安心して、生産しなさい、食べなさい-
果たして、本当にそれでいいのでしょうか。わたしたちは、この仕組みでは、十分なバランスがとれているとは言えないと感じています。市民側に、科学的な検証や調査ができる施設がある、これはこの関係に正常なバランスを生み出すはずです。 科学に基づくデータは、議論を建設的に前進させることができる、私たちは20年を超えるこれまでの活動の中で、それを実現、経験してきました。農民連食品分析センターは、これからも、募金で活動する唯一無二の科学分析施設として、砦の役割を果たし続けたいと考えています。施設存続のために、皆様のご支援を重ねてお願い申し上げます。
寄付金の使い道について
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いただいた募金は、GCMSの購入費用(今回は、涙をのんで800万円程度に収まる中古装置の導入を検討しています)、そのほか搬入、設置費用、旧装置の廃棄、稼働に必要な試薬・資材類、検査環境の保守や更新に充てさせていただきます。新しいGCMSが導入されれば、これまで以上に、高感度、高精度で有機リン系農薬や合成ピレスロイド系農薬などを一斉分析することができるようになります。また、近年話題となっている有機フッ素化合物(PFAS)の検査能力も大幅に強化をすることが可能となります。
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金額100,000円 |
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金額500,000円 |
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