エクマットラJAPAN
NPO法人

ストリートチルドレン大逆転劇を描き心のエリートを育成するバングラデシュのNGO

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エクマットラとは、ベンガル語で「一本の線」を意味します。 果てしなく広がるこの格差社会の中に、皆が共有する「一本の線」を描きたいという想いを込めて名付けられました。 バングラデシュで路上生活をする貧困層の子どもたちへの直接的な支援を届けると共に、富裕層の人々にも自国の社会問題を自分自身の問題として認識してもらうため、映像制作による啓発活動も行っています。 この世界に存在する気の遠くなるような格差を超えて、人々が自発的に路上の子どもに手を差し伸べ、皆が手を取り合える社会。 生まれた環境に関わらず、すべての子ども達が差別のない社会でのびのびと育ち、その成長と安全が守られている社会。 そんな社会の実現を目指し、エクマットラは活動しています。

エクマットラとは

エクマットラはバングラデシュでストリートチルドレンの支援活動を行っている団体です。
路上の子ども達が生まれた環境に関わらずチャンスを掴み、自分自身の人生を謳歌できるようになるまでの大逆転劇を、本気で信じて活動をしています。
元ストリートチルドレンの子ども達が、辛い過去や生い立ちを優しさと強さに変え、人間力あふれる「心のエリート」として社会に羽ばたいていくこと、そして同じ環境で生まれた子ども達にとってのロールモデルになることを目指しています。
2003年に何もないところから情熱のみで始まったエクマットラの活動は、子育てという正解なき挑戦や継続的な運営資金調達など、様々な試練を抱えながら乗り越えながら、現在も一歩一歩前進しています。
路上生活をする子どもたちに対して衣食住のサポートや一時的な支援を行うだけではなく、長期的な視野で教育と愛情を注ぐことで、エクマットラでは人間力あふれる「心のエリート」が今日も育っています。

なぜ活動を始めたのか

エクマットラを設立した2003年、バングラデシュ開発研究所(BIDS)の調査によると、ダッカ市には674,178人ものストリートチルドレンが存在していました。
当時ダッカ大学の学生だった創立メンバーは、バングラデシュにおける社会的な格差、不正、貧困のため悪影響を受ける路上の子ども達のことを憂い、日々熱い議論を交わしていました。
そして、学生である今の自分たちに何ができるだろうかということを考え、大学構内にいたストリートチルドレンに対して青空教室を始めました。
これがエクマットラの活動の始まりです。

青空教室を通じて継続的に子ども達と交流することによって、路上で暮らすということは貧しく生活が困難というだけではなく、それ以上に多くの危険な状況に曝されることが明らかになりました。
彼らはかけがえのない子ども時代を、物乞いや紙くず拾いなどの尊厳を傷つけられるような仕事や市場での荷物運びやリキシャ引きなどの重労働、そして売春や麻薬密売などの違法で危険な仕事の中で、基本的な人権を奪われながら生きていかねばなりません。
そして、そうした子どもを利用しようとする大人の思惑に左右され、暴力行為や犯罪行為などに手を染めてしまったり、重度の麻薬中毒者になってしまったり、道を外れて社会の闇で生きることを余儀なくされてしまうのです。
私たちは、彼らの生い立ち、悲しみや苦しみ、将来への不安や心情を理解するために、長い時間をかけて彼らに向き合ってきました。
青空教室では基礎的な読み書きや計算といった識字教育のみにとどまらず、一般家庭で親が子に教えるような挨拶や道徳心、保健・衛生教育など社会生活に必要なライフスキルの教育を、歌や絵や遊び、踊りといった子どもたちが楽しめる情操教育を通じて行うなど、失われた子ども時代を取り戻せるように様々な創意工夫を行いました。

そうして青空教室を運営していく中で、一日のうち数時間だけ青空教室に参加するという方法では子ども達の生活を変えることはできないことに私たちは気が付きました。
青空教室で色々なことを教えても、生活の大半を過ごす場所が路上では、子ども達の人生の問題は根本的に解決できないからです。
責任が伴う判断の中でとても大きな決断でしたが、自分たちを信頼して変化を恐れずについてきてくれる子ども達のためにも、彼らの成長に必要な住環境を備えたエクマットラの施設を作ることを決めました。
それは、過酷な状況に直面している子ども達が路上での抑圧された環境から脱却し、真っ当な人間として生活する上で集団生活のルールや社会性を身に着けるため、そして子どもとして受けるべき愛情をもらえる心の居場所です。
このように2003年に何もないところから情熱のみで始まったエクマットラの活動は、子育てという正解なき挑戦や継続的な運営資金調達など、様々な試練を抱えながら乗り越えながら、現在も一歩一歩前進しています。

どんな活動をしているのか

・青空教室・フィールド活動
「路上に住む子どもたちに教育の機会を」という創立メンバーの想いにより、教育に触れる入口として基礎的な読み書き計算に加え、情操教育を通じて新しい物事を学ぶ意欲を持つ場所となっているのが青空教室です。
路上で生活する子ども達は、学費を払えないだけではなく生きていくために日銭を稼がねばならず、物乞いをしたり働かされたり様々な理由で学校に通うことができません。
青空教室は、そうした子ども達が仕事の合間に幅広い教育を受ける機会となっています。
こうしたフィールドでの活動はエクマットラの原点であり、村から出てきたばかりの身寄りのない子どもたちを危険な状況へ陥る前にレスキューする役割も含めて、ダッカのストリートチルドレンが多く集まる場所でパートナー団体と協働しながら定期的に行われています。
また、年齢や家族の意向などの事情により、エクマットラや他の教育団体に入所できない路上の子どもたちに対してはキャリアカウンセリングなどを行い、社会的に認知されている安全な仕事に従事し自活できるように支援する役割も果たしています。

・エクマットラアカデミーの運営
2018年には団体の長年の夢であったエクマットラアカデミーが開校しました。
「心のエリート」を育てるための学び舎として、そして心の居場所として、現在は50人を越える子ども達がこのアカデミーに暮らしています。
同アカデミーは、初等教育から高等教育や専門技術、さまざまな情操教育や文化教育を提供する全寮制リーダー育成施設として、マイメイシン県ハルアガット郡の大自然の中に設立されました。

ここで育っているのは、自身の悲しい過去を優しさに変えて、生まれた環境を逆手にとって無限の可能性を武器に成長する子どもたちです。
誰かの痛みに寄り添い、誰かの幸せを心から喜べる、そんな「心のエリート」と呼べる存在を同アカデミーから輩出することで、路上からの大逆転劇を描きます。
卒業生たちがそれぞれの夢を叶え、人の可能性を身をもって証明していくことで、今まさにストリートチルドレンとして過酷な状況に直面している子ども達にとっての希望の星となり、社会の人々の彼らに対する行動や考え方を改める具体的な啓発となることを期待しています。
この施設に関わる全ての人々が「学び合う」場所になりますようにという願いを込めて、アカデミーと名付けられました。

エクマットラは、寄付のみに頼らず独自の活動を継続できる団体であるために、団体としての強みを生かした事業を行い、運営のための収益を生み出し、持続可能な運営の継続を目指しています。
・ハンディクラフト事業

経済的・精神的に自立することが困難な状況にある貧困層の女性達に手工芸のトレーニングを行い、クラフト製品を制作・販売し雇用を創出する事業です。

・レストラン事業
バングラデシュの人々にエクマットラの活動を認知してもらう懸け橋の場となり、またサービス業を希望する子どもにとって職業訓練の場にもなっている事業です。
・映像制作事業

エクマットラの最大の強みでもある事業です。
同事業は、社会問題を提起し人々の意識を変えていくような映画作品からクライアントベースの作品まで幅広く制作しています。その品質や内容に対して国内外から高い評価を得ており、近年は団体運営の要の事業として成長を遂げています。

代表者メッセージ

渡辺大樹より皆様へメッセージ(エクマットラ代表)

ーストリートチルドレンの大逆転劇ー
「自分という一人の人間が存在したことで、二人の子どもの人生が変わっていったら、それほど素晴らしいことはないんじゃないか?」
その思いだけでバングラデシュに飛び込んで、早20年以上が過ぎました。
ダッカ大学で出会い意気投合した仲間たちと活動を始めて、様々な紆余曲折がありましたが、今でも変わらない、それどころかますます強くなっている信念があります。それは「どんな環境に生まれようとも、人には現状を打破する力がある。どんなところからでも人は輝ける。」ということです。

この20年間、様々な場面で子ども達の目の色が変わる瞬間に立ち会ってきました。
そして、路上に生まれながら、大学にまで進学・卒業し、今や立派にエクマットラの一員としてレスキュー活動の責任者として活躍する子どもや、国立スポーツエリート養成学校に合格しU‐12で国内チャンピオン(器械体操)になった子、大学を首席卒業して「ストリートからプロフェッサー」というまさに大逆転劇を地で行くような子、
など、エクマットラの活動を通じて、社会を驚かせるロールモデル達が育っています。
彼らに共通するのは、自分の可能性を信じ、決して生まれた環境を言い訳にしないこと、そして、以前の自分と同じ境遇にいる子ども達に、恩送りをしていこうという気概です。こうした人間を私たちは、「心のエリート」と呼んでいます。
そんな彼らに対し、私たちが強く心に決めていることは、その子ども達の可能性をとことん信じ抜き、彼らが望む限り、彼らがその道を歩み続けたいと願う限り、全力で応援することです。

エクマットラは、一人でも多くの「心のエリート」を世の中に輩出し、彼らの手によって次の世代の子ども達の未来を照らし、輝ける場を作っていけるような、そんなサイクルを創っていくことを目指し、活動を続けています。

かわいそうな子ども達に支援をー 
ではなく、
子ども達の溢れんばかりの可能性を信じ、大逆転劇を創る応援者ー
として、心躍らせながら応援をしていただけたらと願っています!

【世界って変えられると思う。】

「同情」ではなく「共感」から
「限界」ではなく「可能性」を感じ
「過去の悲嘆」ではなく「未来へのワクワク」を感じて頂き、
皆様から熱く温かい応援を頂きたく思っております。

皆様の支援によって、人間力に溢れた「心のエリート」達が育ち、エクマットラの活動を引き継ぎ、彼ら自身が次世代のロールモデルを輩出していく、そんな持続可能なサイクルが完成するのです。
それが社会を、世界を変えていくさざ波となるのです。
一緒に一歩を踏み出しましょう。
世界を変えていく一歩を。


渡辺大樹(エクマットラ共同創設者・共同代表)

渡辺麻恵より皆様へメッセージ(エクマットラ ハンディクラフト部門代表)

この活動をしていて一番嬉しいことは、諦めの色を浮かべていた子どもたちや女性たちの瞳に、自信と誇りが満ち溢れていく瞬間に立ち合えることです。
貧困という名の下に理不尽に搾取され続けてきた人生から、彼らや彼女たちは自分で機会を掴み、努力し、自信をつけることで誇れる自分になっていく。
目の輝きや生まれ持った権利を自分の手でを取り戻していく。
そうした姿を日々目の当たりにすることで「人間とは機会があれば変わっていけるのだ」と、改めてこの国の子どもたちや女性たちから私自身も人間の可能性を感じ、活動を頑張る力をいただいています。

生きるエネルギーに溢れるこのバングラデシュという国に来てから、人間が生きる意味、自分と世界との関りを今一度考える機会を得ることができました。
答えはまだ模索中ですが、漠然と思うことは、形あるものであれ、ないものであれ、またその大小に関わらず、この世界に何かを残していくということが、私たち人間の生きた証となるのではないかということ。
バングラデシュでNGOの活動をしていると、何のために日本の快適な暮らしや経済的な豊
かさから離れて異国で活動しているのか、と質問をいただくことがよくあるのですが、自分の中の根底に源としてあるのは
「命の限られた人生の中で、世界に美しいものを残していきたい」

というシンプルな想いであります。

それは子どもたちの笑顔であり、彼らの心に宿されていく優しさでもあり、
バングラデシュの誇る手工芸品でもあり、それを作る女性たちの輝きでもあり、それに触れた人が感じる心の動き、感動であり…
私たち自身がこの世を去った後も、エクマットラの活動を通じて子どもたちや工房の女性たちの中に、そしてこの国に生きる人々の中に、美しい何かを残せたら、時代を越えて私
たちの想いを受け取ってもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。
そうした次世代に受け継がれていくもの、受け継いでいく意志こそが、本当の意味での普遍的なものであり持続可能な社会を創るものなのではないかと思います。

バングラデシュは、私に生きる意味と新しい生き方を教えてくれた国です。
その御恩をお返しをしていく気持ちで、私が今まで生きる中で受けてきた愛情も優しさ経験も、この国に生きる子どもたちや人々にこれからも還元していきたいと思っています。
そしていつか、どんな環境に生まれても、皆が笑顔で手を取り合い一本の線を描けるような、そんな格差のない社会をエクマットラの活動を通じて実現したいと思い、その夢を信じ、私たちは活動しています。
このページをご覧の皆様にも、エクマットラという一本の線を描く仲間になっていただけたら、とても嬉しいです。

渡辺麻恵オフィシャルブログ:https://ameblo.jp/ohtsuka-mae/

寄付金は以下の活動に活用します

・エクマットラアカデミー運営費
・フィールドでのレスキュー活動費
・子どもたちの食費・生活費・教育費・外部へのイベント参加費
・エクマットラアカデミーならではのユニークな教育への挑戦費
(デジタル公文・ボードゲーム・クラブアクティビィなど)

団体情報
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