てくてくのあゆみ
森のようちえんは、北欧デンマーク発祥とされ、世界に広がっている幼児教育の一つです。日本では”自然体験活動を基軸にした子育て・保育、乳児・幼少期教育の総称”とされています。
2004年に園長小菅が森のようちえん発祥の地で視察研修し、帰国後「日本、そして上越市でもできる!」と始めたものです。最初は週に1回、お母さんたちと未就園児の子どもたちと森を歩き、火を焚いてみんなでお汁を作り、森を楽しむ子育て広場として始まりました。
2006年4月に「森のようちえんてくてく」と称し、毎日の園として誕生しました。入園者は一人。スタッフの未就園児の子どもたちと一緒に小さく始まった無認可のようちえんです。子育て中のお母さんたちと一緒につくり、育ててもらってきた小さな園です。
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あれから20年。子どもたちと森の営みが続いてきたのも、地主さんのご厚意と保護者のみなさんの熱い想いと、沢山の方がお力を貸し続けてくださったおかげです。
地主さんとの出会い
地主さんは、「私の山を使いなさい」と快く私たちに森を提供してくださいました。毎週お二人の方を雇って森の手入れをされており、丁寧に育ててこられた森です。そんな森で子どもたちが駆け回る様子を心から喜んでくださいました。そして、地主さんに親しみと感謝を込めて、”お山のお父さん”と呼ばせていただいていました。お山のお父さんが亡くなって10年。念願だったお山のお父さんの記念碑を森に作りたいと思います。
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保護者のみなさんと共に
保護者のみなさんとは、何もなかった森に一つ一つ手作りで森の拠点を創造してきました。子どもたちと同じように森を楽しみ、繋がりあってきてくださったお一人お一人の軌跡があります。
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てくてくを選び、お子さんを森に託してくださったみなさんの想いがどれだけ大きなものだったか、あらためてかみしめます。そしてお一人お一人と紡いできた時間は、てくてくにとって大切な宝物です。
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「土曜日組」も18年目
”一人でも多くの子どもたちに森の時間を”の形
”一人でも多くの子どもたちに森の時間を”という想いは、「森の幼児教室 土曜日組」という形でも続いてきました。他の保育園・幼稚園へ通園するお子さんが月に一回、森に来て遊べるクラスも今年で18年。上越地域の200人を超える子どもたちが森へ通ってくれました。こうして他園の子どもたちにも森の時間を届け続けられたのは、土曜日組保護者のみなさんの理解と子どもたちのとびっきりの笑顔があったおかげです。
これまで何度もスタッフの配置の課題から継続の懸念がありましたが、「一人でも多くの子どもたちに森の時間を」という灯は消えませんでした。これからもその想いは続きます。
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森への感謝が続いている「みんなの森づくり」
地主さんの遺志を継いで、森の手入れを繋いでくださったのは、毎日のクラスだけでなく土曜日組にも携わる保護者のみなさんでした。
子どもたちが存分に遊んだ森に、私たち大人ができることをという想いで、一人ひとりが恩返しの気持ちを繋いできてくれました。お母さんお父さんたちもチェーンソーを持ち、木の皮を剥いだり、子どもたちもみんなで木を運んだり、ノコギリを持って枝を切ったり、それぞれができることを森へ返そうというのが「みんなの森づくり」です。
プロのフォレストアドバイザーとして、みんなの森づくりを指導をしてくださっている余頃さんより森づくりへのメッセージをいただいています。
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てくてくの卒園生は、森林や林業に関心を持ち、また森と自身のつながりを意識し、もしかしたら後に家を建てるときに地元で伐採された木を使いたいと思うようになるかもしれません。しかしそれはあくまでも限定的な波及効果に過ぎません。
世界に目を向けると、環境問題のみならず、貧困・人権・平和・開発といった様々な地球規模の課題があります。これらを自らの問題として捉え、一人ひとりが自分にできることを考え、実践していくこと(think globally, act locally)が、森のようちえんの学びの先にあり、その可能性は無限に広がっていくと私は考えています。
フォレストデザイン代表 余頃(よころ) 友康 氏より
広がる環境保全の取り組み
上越市下正善寺地区にある園舎の裏山も、子どもたちが遊べるようにと貸していただき、森づくりが続いています。竹がうっそうと生えていましたが、みんなで刈払い、道を作り、卒園生が広葉樹の植樹を続けています。2024年度はフクロウの森づくりと題して取り組み始めました。フクロウが棲める森を整備し、多様な生き物との共生を目指していきたいです。
また、関わる森の範囲も増えているだけでなく、休耕した田んぼや畑の再生にも会員が関わるケースが増えてきて、耕作放棄地を農地として続けることに貢献しています。
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フクロウの棲む森は、自然環境が豊かです。子どもたちにとっても居心地の良い森になるはずです。そんな想いでフクロウの森づくりをスタートしました。子どもたちと一緒に森づくりを始めてみませんか。
みなさんのご支援をよろしくお願いいたします。
NPO法人 緑とくらしの学校 理事長 勝俣 将明
こうして沢山の方と共に創ってきた全ての原動力は、森で遊ぶ子どもたちの健やかな成長と、豊かさを感じる喜びがあったからでした。森に子どもたちの声が響き渡り、日々を楽しみ、創造し続けてきてくれたおかげです。一人一人の積み重ねられたストーリーが連綿と森に息づいています。
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20周年記念冊子「さあ森へいこう」より
子どもたちが作り出すものに没頭し、仲間が増え、仲間が増えた分工夫が生まれ、みんなで発展させていったこのプロセスが、こんなにも子どもたちの様々な力を引き出し、発揮し合いながら高め合ってきたのだと感動し、その横で伴走してきた喜びをかみしめたことを今でも思い出します。
認可外保育施設から認定こども園へ
地域の中の「てくてく」に
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2021年 待望の認定こども園「森のこども園てくてく」として認定を受けることができました。
幼児教育無償化が始まる中、すべての子どもに平等な保障をという保護者の呼びかけが実り、認定こども園として認定されました。
これにより、安心して「自然保育」を選択していただけるようになり、農業や農地を守ることに繋がる給食提供などにも挑戦し、今までの取り組みが様々な点でより充実しました。職員も充実し、質を高め、持続可能な環境を整えることができました。
これまで認可外としての運営を支えてきてくださった保護者や関係者の願いが叶い、社会に認められた記念すべき一歩でした。
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認定こども園になって5年目になる2025年度は、てくてくにとって開園20周年の大きな節目の年です。ただ、幼児を取り巻く状況は明るいものではありません。急激な少子化による園や学校の統廃合も進むでしょうし、人口減少による地域の自然環境は、荒廃地が増え景色が急速に変化しつつあります。そして、貴重な地域の文化の伝承も希薄となり廃れていきます。課題は多く、これまでの想いや運営を継続することは容易ではありません。ですが、てくてくはさらなる挑戦を選択しました。
てくてくの未来をどう描くかは、大きな岐路です。
そこでてくてくでは、「地域と共に」をテーマに、会員と共に農地や山林の利活用をさらに進めていくこと、そして自然保育が一人でも多くの子どもたちの手に届くよう、利用年齢に2歳児を新設することを決めました。
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寄付金の使い道について
2歳児の受け入れの新設 | 380万円 |
自然環境保全活動の継続 | 年間60万円 |
園バスの老朽化による買い替え | 410万円 |
亡き地主さんの記念碑の設置 | 40万円 |
総額890万円のうち、自己資金の不足分300万円を目標にクラウドファンディングに挑戦します。
みなさまへのささやかなお返し
20周年記念事業の開催と合わせ、寄付のコースを以下のように設定しています。
【20周年記念事業】
🔳記念冊子の販売(2024年12月より実施中)
🔳これまでのてくてくの動画を再編集した映像の上映会(2025年10月中旬スタート)
🔳2025年10月12日(日)「てくてくまつりin金谷山」
これらの贈呈や参加チケットなどをお礼としてお届けする予定です。
返礼品なしも「お気持ちコース」としてお選びいただけます。
金額 | お気持ちコース | 返礼品コース |
3,000円 | お礼のメッセージ | |
5,000円 | てくてくまつりのワンドリンクチケット贈呈 | |
5,000円 | お礼のメッセージ | |
10,000円 | 記念冊子1冊贈呈 | |
10,000円 | 上映会チケット1枚贈呈 | |
10,000円 | お礼のメッセージ・ 当法人会報を継続送付 | |
20,000円 | 上映会チケット1枚&記念冊子1冊贈呈 | |
20,000円 | お礼のメッセージ・ 当法人会報を継続送付 | |
30,000円 | 上映会チケット2枚&記念冊子1冊贈呈 | |
30,000円 | 記念冊子3冊贈呈 | |
30,000円 | お礼のメッセージ・ 当法人会報を継続送付 | |
50,000円 | 上映会チケット3枚&記念冊子1冊贈呈 | |
50,000円 | 記念冊子5冊贈呈 | |
50,000円 | お礼のメッセージ・ 当法人会報を継続送付 |
このプロジェクトは「GIVING for SDGs sponsored by ソニー銀行」の認定プロジェクトです。「GIVING for SDGs sponsored by ソニー銀行」では、寄付決済時に発生する決済手数料をソニー銀行が協賛することで、寄付者の想いがこもった大切な寄付金を全額 NPOに届けます。寄付金の社会への還元性を高めることで、寄付文化の浸透および NPOの社会課題解決に向けた活動を支援することが可能です。
▼GIVING for SDGs特設サイト
https://congrant.com/jp/corp/sonybank/givingforsdgs.html
▼ソニー銀行のウェブサイト
https://moneykit.net/?cid=cf_gfs029_01
【ソニー銀行様からのメッセージ】
このたびは「GIVING for SDGs sponsored by ソニー銀行」へのご参加、誠にありがとうご
ざいます。
地域の文化や豊かな自然を守り、次代を担う子どもたちの心の育成や現代社会に生きる人
々の豊かな生活に寄与している緑とくらしの学校さまの活動は、大変意義のある取り組み
であると考えています。
このプロジェクトは、新潟県上越市で課題となっている乳幼児の受入れ先や不登校児童の
居場所といった事案の解消を目指す取り組みです。ソニー銀行ではこの取り組みを通じ、
子どもたちが育つ豊かな環境を保持することに加え、SDGsの目標である「No4 質の高い
教育をみんなに」「No11 住み続けられるまちづくりを」「No13 気候変動に具体的な対策
を」「No15 陸の豊かさも守ろう」の実現に貢献できることを願っています。