
私たちの避難所は、レイプやFGMの被害者だけが来る場所ではなく、様々な事情を抱えた女性たちが相談に来ます。
彼女の場合、義理の両親と暮らすことにも抵抗があり、実家にも帰れず、妊娠した体で大学に通うこともできず、自己肯定感を失い、自殺を考えていました。
無事に出産を終えるまで避難所に受け入れ、まずは心身の安らぎを得てもらうことができればよかったのですが、残念ながら受け入れ停止中のためにそれができませんでした。
現地スタッフのジュフさんが彼女と頻繁に連絡をとって相談にのり、彼女の実家にも足を運び、父親との対話を試みました。
そして、女性の母親の仲介のもと、父親との対話が実現しました。ジュフさんは、「娘さんは家族からの支援がないと生活できない」「誰しもが若い頃は過ちを犯すものであり、自分の過ちを認め、人生から学び続けることが大切だ」と根気強く伝え、ついに父親は娘が自宅に戻って出産することを受け入れました。
しかし、女性自身は、村の人々からの視線に怯え、村に戻ることもためらっている状態です。
彼女に関しては、今後もジュフさんが中心となってサポートし、彼女の行く末を見守っていくことになります。
避難所には、受け入れの要請が絶えず来ております。
日本には、女性が相談できる窓口が設置されており、各都道府県に必ず1つは避難所が存在します。セネガルでは、首都のダカールに数か所のみで、ティエス州を含む他の州には1つもありません。私たちが運営しようとしているティエス州の避難所には、ティエスのみならず、隣国のマリやモーリタニアからも女性が受け入れを要請している状況です。
居場所がない、相談相手がいないために、自殺をしたり、赤子を遺棄する女性がセネガルにも沢山います。まずは批判をせずに話を聞いてくれる人と、安心できる居場所が必要です。
避難所の受け入れを再開するために、電気の修復➡スタッフの追加雇用と順番に進めていきたく、私たちはまず電気の修復に向けて動いているところです。
マンスリーサポーターの募集キャンペーンも残り1か月を切りました。
皆様のお力を貸していただけたら幸いです。
一般社団法人ゲヌ 代表理事 宮村暢子