トルコやシリアにおける現状
2023年2月6日午前4時17分、トルコとシリアでマグニチュード7.8の地震が発生しました。トルコでは50,399人以上、シリアでは8,476人以上の死者、さらに10万人の負傷者を出し、現在も犠牲者の確認が続いています。この大地震により、トルコの人口の16%、すなわち1400万人が被災し、家や資材、仕事などを失っています
4月5日、トルコ内務省は、地震被災地に345箇所のテントサイトと305箇所のコンテナサイトが設置され、260万人がテントサイトに、約7万9000人がコンテナサイトに避難していると発表しました。加えて、推定160万人が被災した家の側などで、その場しのぎの避難生活を続けており、生活環境も悪く、生活必需品や必要なサービスへのアクセスが限定的または全くない状態にあると推定されています。
妊産婦と乳児が安心して過ごせる空間を!
当団体は、この大地震発生後、トルコでの緊急支援実施の方向性を決め、2023年2月24日から、トルコの現地提携NGOとの協力のもとに、被害状況の視察やヒアリングを行いました。東西、南北数百キロにかけて広がる広大な被災地域において、どこでどのような支援を行うかを決めるのは至難の業でしたが、慎重な検討を重ねた結果、2回目の大地震の震源地となったカフラマンマラシュ県エルビスタン地区で支援を行うことを決めました。同地区の現地政府は、今後、応急復旧期に国や支援団体から十分なサポートが得られるか、そして地区として対応できるかについて大きな懸念を抱えています。
エルビスタン地区では、家屋の倒壊が激しかったため、一時期は人口の1/3もが地区外に避難していましたが、現在は、約3,000棟の仮設コンテナ住宅(約12,000人が居住予定)の設置が進んでおり、徐々に住民も地区に戻りつつあります。仮設住宅の整備は進んでいるものの、特に脆弱性の高い子どもや女性に対する支援の見通しが立っていなかったために、現地行政や現地提携NGOと議論を重ね、ベビー・フレンドリー・スペースの運営を行うことにしました。
妊産婦からのヒアリングからは、乳児と自身の健康や衛生管理ができるか、栄養食や衣服の不足、安全に子どもと過ごせる環境が確保できるか、過度なストレスなどについて不安を抱いているとの声が聞かれました。当団体は、ベビー・フレンドリー・スペースを開設し、これらのニーズに応えるための支援を行います。ベビー・フレンドリー・スペースには、カフェコーナー、乳幼児の遊び場、授乳室、昼寝室、カウンセリング室などを設置し、親子が安心・安全な環境で過ごせる空間を提供します。加えて、心理社会的支援、カウンセリング、リファーラル、乳幼児の健康診断、意識啓発やイベントも行います!また、利用者のニーズに応じて、衛生用品、栄養食品、生活用品の提供を行います。
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JISPについて
(一社)日本インターナショナル・サポート・プログラム(JISP)は、2011年3月に発生した東日本大震災の被災者支援を契機に活動を開始し(2013年8月に団体登録が完了)、宮城県仙台市に本部を置く団体です。
当団体は、東北での支援経験を活かし、国内での災害の被災地支援(熊本地震、西日本豪雨、令和元年台風など)や、ネパール、ケニア、バングラデシュなどにおける、被災者や難民などに対する緊急支援や開発支援を実施してきました。また、その分野は、心理社会的支援、子ども支援、水衛生、基礎的医療支援、保護など、多岐にわたります。
今回のトルコ南東部地震の被災者支援においては、緊急災害対応に実績を有する仙台本部とネパール事務所のスタッフが、現地提携NGO(International Blue Crescent Relief and Development Foundation=IBC)と現地行政との協力のもとに実施します。
*IBCは、トルコの先見の明のある実業家たちにより、苦しんでいる人々、特に社会の最も弱い立場の人々の生活を改善することを目的に、2000年11月に設立された非営利団体で、トルコ、中東、アフリカ諸国において多数の支援実績を有します。また、現地への送金を行う場合には、当団体の銀行口座から、またはWise経由で、IBCの事業専用口座(ZİRAAT KATILIM銀行)に送金します。
ご支援の使い道
皆さまからのご寄付金は、トルコ南東部地震の被災者支援の一環として、ベビー・フレンドリー・スペースの運営にかかる経費(配布物資、備品、現地人材人件費、交通費、イベント開催費など)として、大切に使わせて頂きます。また、最大20%までを、運営管理費に充当させて頂きます。寄付金額に応じた、ご支援頂ける内容の目安は、以下の通りです。
どうぞご協力のほど宜しくお願い致します。
・1,500円(女性衛生キット1人分)
・3,000円(赤ちゃん用おむつまたは粉ミルク1ヶ月分)
・20,000円(イベント開催費用1回分)
*上記の目的以外に、トルコ南東部地震被災者支援に関連して必要の高い支援の経費に充当させて頂く場合がございます。