「何かがあった時」の拠り所・大阪 釜ヶ崎で、25年活動してきました
私たち釜ヶ崎支援機構は、大阪市西成区の釜ヶ崎(あいりん地域)を拠点に、野宿生活者や生活困窮者への支援を続けてきました。今年9月末に25周年を迎え、今までの活動で得た知見をもとに、新たな事業を立ち上げます。
釜ヶ崎は、戦後大阪が貧困対策に力を入れたことから、生活に困った多くの方が集まり、日雇仕事などで生活を続けてきた歴史があります。そのため、年齢層の高い労働者が多い地域というイメージが定着する一方、生活に困った人にとって「釜ヶ崎に行けば何とかなる」という認識が広がり、最後の拠り所としての一種の信頼も得てきました。
https://youtu.be/Hg3YnLSU3yw?si=dgFHVNA72bRB2nhi
野宿生活者や困窮者に対する一時的な生活支援(シェルターの提供)、炊き出し、および伴走型の相談支援事業に加えて、ホームレス状態に陥りやすい人々向けに、就労機会の創出や、社会復帰を促進するための居場所づくりにも取り組んでいます。
2019年頃からは、居住支援事業を中心とした若年層に特化した支援(ヨリドコハウス、ヨル・ベース)やインターネットを活用した情報発信の強化にも力を入れ、孤立を防ぐための取り組みを進めています。
若者への支援の必要性。25年の団体の知見を活かす
今まで、私たち釜ヶ崎支援機構はいわゆるホームレス状態の方々を支援してきましたが、年齢としては比較的40代~60代の方々が多く、その人たちの過去を紐解いていくと、 幼少期の家庭が困難な環境であったり、10~20代の頃の生活が孤独であったり、孤立した状態の方が多かったんです。
たとえば、Aさんのようなケースです。
若い間はどうにか仕事で食いつなぎながらギリギリの生活をしていても、年を重ねることによって、求職市場の中での価値が下がってきてしまったり、 本人の肉体面や精神面が不調となってしまって仕事に就きづらくなり、ホームレス状態に至ってしまう方がとても多いんです。
だから孤独状態の若者たちが頼れる場所を若いうちに見つけたり、つながれることによって、将来の生活が危機的状況になることを未然に防ぐとともに、そうなりそうになった時にリカバリーできる、誰かに頼ったり、必要な情報を入手できる場所をつくりたいというのが1つ目の思いです。
そんな私たちが活動する大阪・釜ヶ崎において、若い世代で生活に困難を抱えた人が近年増えてきています。
子どもや高齢者向けの支援団体は数多く存在しますが、若者、特に10代後半から30代の世代に特化した支援団体は地域によっては限られています。彼らは、子どもでも大人でもない「隙間世代」として扱われ、支援が届きにくい状況にあります。
また、インターネットやスマートフォンの普及により、若者は情報を得やすくなった反面、孤立した状態に陥りやすくなっています。かつてはコミュニティの中で人々が助け合って生きていましたが、今の若者は関係性が希薄になり、困難な状況に直面した際に頼れる存在が少ないのです。これにより、ネットカフェ難民やホームレスといった形で、住居や安定した仕事を持てずに困窮する若者が増加しています。
さらに、新型コロナウイルスの影響で、特に若者は不安定な労働環境や住居問題に直面しました。彼らの多くは、コロナ禍で仕事や住まいを失い、社会的なつながりも弱まっています。このような状況では、短期的な支援だけではなく、長期的な視点での支援が求められています。
大阪は、東京に次いでネットカフェで夜を過ごす人数が多いと言われています。そこに寝泊まりする若い世代の多くは、安定した住居を持てないまま働き、ギリギリの毎日を過ごしています。
彼らは、特に仕事や住居、社会とのつながりに関して不安定な状況に置かれやすく、その背景には、この年代への支援が手薄であることや情報発信の不足が影響しています。
そこで、若者たちが早い段階でつながりを持ち、困難な状況に陥ってもリカバリーできる場所を提供することが重要です。
また、釜ヶ崎では子育て支援や40代以上を対象とした支援は充実していますが、若者世代の支援が不足しているため、この隙間を埋めることで彼らの将来のリスクを減らすことも、もう一つの目標です。
どんな自立援助ホームをつくるのか
今回立ち上げる自立援助ホームは、特に支援が不足している義務教育修了後の15歳~20歳の若者たちを対象として、その「支援の隙間」を埋めるためのもの。
既に運営しているシェアハウス(ヨリドコハウス)とワンルームの居住支援に加えて、今回立ち上げる自立援助ホームがあることで、支援が手薄になっている15歳から段階に応じて自立に向けた支援をしていけるようになります。
https://youtu.be/gjgcNoDhTZs?si=MniQQ9Pmpe2l5f8V
ワンルームの居住支援について
https://youtu.be/g7cXTLZzWTc?si=qFSZE3nkj3gqnekB
シェアハウスの居住支援について
釜ヶ崎支援機構の居住支援では、住まいの支援だけでなく、若者たちが将来自立していくための就労支援を意識しています。
彼らは、働くためのスキルやマナーを学び、実際の仕事体験を通じて自信をつけていきます。
「働くこと」は、社会の一員として、自身の思いや力を表現することができる機会と環境があること。
地域の中で、働く場所を得られると、自分の居場所を見つけ、将来孤立するリスクも減らせることにつながります。
しかし、それだけではありません。
若者たちが地域に根付いた存在、いわば「町で生きていく一人のプレイヤー」になっていくことが理想の状態です。
私たち釜ヶ崎支援機構が25年間の活動で培った地域内のネットワークを活かして、ボランティア活動やイベントに参加し、町の人たちとの関わりを深めることで、彼らは少しずつ地域に溶け込んでいきます。
たとえば、近所のこども支援団体が主催する遠足に参加することで、地域の子どもたちと交流を深めていき、自分がこの町の一部であることを実感できることでしょう。
ある時は、同じ地域で活動する団体が事務所の引っ越し作業で人手が必要になり、倉庫内の書類運びなどを若者達が手伝ったりしたこともあります。
また、西成出身の若者たちを集めて、ご飯会も開いています。「同じ釜の飯を食う」という言葉があるように、いっしょにご飯を食べながら、ちょっとした会話を交わすだけでも、若者同士の横のつながりもできていきます。
一緒に何かをするという観点で言うと、釜ヶ崎に来た困窮者たちが若者たちとテレビゲームで一緒に遊んでいることもあり、それを通じて交流も度々生まれています。
意気込みメッセージ
ご支援の使い道
今回集まったご支援は、自立援助ホームの各部屋(職員室、面談室、共有スペース、屋上)の改修費や備品類の購入費、事業開始3か月分の人件費に充てさせていただきます。
部屋
共有スペース
屋上
このプロジェクトはソニー銀行の認定プロジェクトです。
このプロジェクトは「GIVING for SDGs sponsored by ソニー銀行」の認定プロジェクトです。「GIVING for SDGs sponsored by ソニー銀行」では、寄付決済時に発生する決済手数料をソニー銀行が協賛することで、寄付者の想いがこもった大切な寄付金を全額 NPOに届けます。寄付金の社会への還元性を高めることで、寄付文化の浸透および NPOの社会課題解決に向けた活動を支援することが可能です。
▼GIVING for SDGs特設サイトhttps://congrant.com/jp/corp/sonybank/givingforsdgs.html
▼ソニー銀行のウェブサイト
金額21,000円 |
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金額300,000円 |
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