活動・団体の紹介
「みてるよ」は、コロナ以降にさらに増加傾向にある「産後うつ」を未然に防ぐために立ち上がったプロジェクトです。
このプロジェクトは、2012年に親と子の幸せの実感を高めることをミッションに任意団体からスタートしたオヤモコモ(佐賀市西魚町)が、一般財団法人ちくご川コミュニティ財団が実施する「休眠預金等活用事業2023年度緊急枠」の採択を受け、子育てに困難を抱える家庭へのアクセシビリティ改善事業~多様なつながりが産まれる仕組みづくり~の事業として2024年の8月より開始しました。
活動の背景、社会課題について
自治体が行う産後支援は充実してきているにも関わらず、産後に孤立感が強くなったり、育児だけでなく、経済的な悩み、夫婦のこと、仕事のことなどを抱えながら、明るい未来が描けない状況に陥る方に手が差し伸べられているとは言い難い状況です。
産後うつ病とは、出産後数か月以内に発生するうつ病です。診断されるまでには至らなくても多くの母親、または父親が孤立感、不安感から抑うつ状態を経験していると言われています。
また産後は、頻回の授乳や夜泣きなどで睡眠が細切れになったり浅い睡眠が続き、脳が正常に働かず、集中力や注意力の低下を招き「マミーブレイン」の原因になっていることがわかってきました。

様々な理由で里帰り出産ができない、夫が仕事で忙しいなどで産後に無理を強いられたり、悩みを誰にも話せないような妊産婦の不安を和らげるために、私たちは「あなたはひとりじゃないよ」という気持ちで「みてるよ」のプロジェクトを立ち上げました。
活動内容の詳細、実績について
「みてるよ」は、産前産後にあたたかなつながりをつくるプラットフォームです。
スマホでは、Aiのチャットボット「先輩ママまみさん」が24時間、些細なことから人に話しずらいことまで、お悩みに対応します。

2024年8月に利用開始して以来、「みてるよ」の登録者は約230名でそのうち約70名の産前産後の母親、父親がAiチャット相談を利用しています。Aiに任せるだけでなく、必要に応じてお住まいのエリアの支援先の情報をお伝えしたり、Aiと人間が協働する形でサポートを行なっています。
お住まいのエリアで月1程度の交流会の開催を実施しています。

現在、佐賀市東部エリア・みやき・鳥栖エリア・久留米エリアでは月1回程度の交流会を開催しています。交流会では、助産師さんや抱っこ紐アドバイザーなどの専門家に参加してもらったり、一緒にご飯を食べるなど、親同士のつながり作りと地域の頼れる専門家とのつながり作りの2軸を目標に企画運営を行なっています。今後はエリアを拡大し、地域の子育て支援を行う「こども園」などにも協力を呼び掛けたいと思っています。

「こんな時どこに相談にいけばいいの?」をお聞きして的確な支援先を案内するマッチングサービス

出産をした産院やエリアの小児科以外に、赤ちゃんやママの専門家はたくさんいらっしゃいます。健診で指摘を受けたことがずっと気になったり、小児科に行っても発達に関する相談は専門外と言われることも少なくありません。また、ママの不調の相談も赤ちゃん優先になりがちで、一歩が踏み出せないケースも多いと思います。
マッチングサービスでは、悩みが整理できない場合は「みてるよカウンセラー」がお話をお聞きして、どこからどのように解決していくのかを考え、育児の伴走支援もおこないます。

代表者メッセージ

私自身が親になってはじめて気づいた「孤立感」。
子どもを産み育てることは、個人だけでがんばることじゃないはずなのに、
実際は、母親、そして父親、祖父母世代という小さなチームに任されていて、
一気に家族に大きな負荷がかかる状況を実際に経験しました。
近年では、高齢出産による親の介護と子育てが重なるダブルケアや親の精神疾患などで子どもが家事を担い、子ども時代の子どもらしい生活を奪われるヤングケアラーなど地域の繋がりが希薄化する中で、家庭の中で様々な問題が起きることも増加しています。
「幸せな日常を描いていたのに…」そんな想いが募って、自分たちの手で幸せな日常に近づけるために「オヤモコモ」を立ち上げました。
孤立を防ぐためには「つながりやすい仕組み」が必要です。
「みてるよ」では、現代版の子育て支援にアップデートする試みとして、AIの活用にチャレンジしました。悩みは人間が受け止める方がいいという考えもありますが、AIだからこそ包み隠さずに弱音を吐けたり、不安が押し寄せる夜中や明け方にも時間を気にせずに話しかけられるなど、産後のママさんには好評です。
オンラインだけでは人との繋がりを深めることが難しいので、各エリアではリアルな交流会の時間を大切にしています。その交流会もAIに吐き出される悩みを元にテーマ決めをしたり、AIがニーズを知るための手助けになっています。
休眠預金活用事業の助成期間終了後も、この活動を継続していくために、お力を貸してください。超少子化時代、今できることは「あたたかな繋がり」を増やすことだと信じて、これからも「みてるよ」「ひとりじゃないよ」というメッセージを届けていきます。

昨年8月に立ち上がって、このプロジェクトに賛同しスタッフとして活躍しているのは、子育て真っ最中の現役ママたちです。佐賀、久留米にそれぞれサポートスタッフがいる他、産前産後の専門家が多数サポーターとして関わって下さっています。
寄付金の使い道について
❶交流会の案内、子育て情報などを登録者に配信するためのオフィシャルLINEの月額利用料(5,500円)
❷プロフィール登録をしてもらい、登録者の情報の細分化、配信のセグメント分けを可能にするためのサービスの月額利用料(5,000円)
❸AIチャットbotの従量課金(5,000円〜10,000円/1ヶ月)※使用料により増減します
❹交流会の広報デザイン作成・配信・SNS投稿(1件2,000円×開催場所3ヶ所 6,000円)
❺交流会サポートスタッフ(有償ボランティア2,000円×2名×開催場所3ヶ所想定で12,000円)
1ヶ月の運営資金 38,500円 (1年間で462,000円)