NPO法人POSSE
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行政窓口が閉まる年末年始にも、生活に困っている方々への支援を継続するために、ご支援お願いいたします

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未曾有のインフレの中で実質賃金が低下し続け、日本社会では貧困がますます広がっています。2024年のデータでは、日本の貧困率はアメリカを抜いて先進国で最悪水準となっています。  そのなかで、全国から「食べ物がない」「家賃を払えない」「生活保護を受けたい」という深刻な相談が、POSSEの生活相談窓口に寄せられています。特にこれから年末年始にかけて、暖房代などの水道光熱費負担が増えていったり、雇い止めなどによって生活基盤を失ったりして、ますます生活に困窮する方が増えていくと予想されます。  しかし、生活保護や他の福祉制度の申請を受け付ける行政の窓口は年末年始はしまってしまい、年末に家を追い出された人がホームレス状態になってしまう可能性もあります。  そこで私たちは、行政窓口がしまることで相談先を見つけられない方たちに向けて、12月末に無料で相談できる電話・メール相談窓口を開設し、生活再建に向けた支援を継続する予定です。人々の生存が守られる公正な社会を作るため、皆様のあたたかなご支援をお待ちしております。

日本の貧困率は先進諸国において最悪水準

あまり知られていませんが、実は日本の貧困率は世界最悪水準にまで悪化しています。2024年には、アメリカを抜いて、先進諸国において最も相対的貧困が広がっています。

インフレで深刻化する生活状況

POSSEも連携している、食料支援に取り組む団体・フードバンク仙台によれば、2023年度に支援をした2864世帯のうち「2日以上、食事を全くとれていない日があった」と回答した人は約11%、「1日3食の食事をとることができていない」と回答した人を含めると、全体の65%にものぼり、まともに食べることすらできない困窮状況が広がっています。

そのなかで、POSSEには首都圏の70歳代の夫婦から以下のような相談が寄せられました。

以前は3食とれていたが、2年ほど前から苦しくなった。物価高と水光熱費の値上がりによって、夏の時期は節約しながら冷房を使用している。
水道光熱費を滞納せず支払っている結果、食費を極限まで切り詰めることになった。そのため、現在は1日1食、安いせんべいを買って水に溶かして食べたり、コッペパンを三等分して食べている。夫はレタスも噛めないほど衰弱してしまった。自身も4キロほど体重が落ちた。

行政窓口が閉まってしまう年末年始の支援の必要性

 生活困窮状態がますます広がっていくなかで、生活保護を含めた福祉制度を利用することになる方々も増えています。しかし、生活保護や他の福祉制度の申請を受け付ける行政の窓口は年末年始はしまってしまい、例えば雇い止めなどにより年末に家を追い出された人がホームレス状態になってしまう可能性もあります。
 そこで私たちは、行政窓口がしまることで相談先を見つけられない方たちに向けて、12月末に無料で相談できる電話・メール相談窓口を開設し、生活再建に向けた支援を継続する予定です。

特に若者世代が置かれている状況

・不安定な雇用

 「企業に入れば、一生安定した暮らしが手に入る」という時代はとっくに過ぎ去りました。非正規雇用の割合が労働人口の4割を超え、多くの人が、フルタイムで働いても生活できない低賃金で働いています。また、若者を使い捨てる「ブラック企業」も蔓延し、正社員として入社するも過労やパワハラによって精神疾患を発症したり、退職を余儀なくされる若者も増えています。

・社会保障の不在

 こうした働く環境の変化に伴い、多くの若者がいつ失業するかわからない、いつ貧困状態に陥るかわからないという「綱渡り」のような生き方を強いられています。ところが、若者の貧困を受け止める社会保障は不在のままです。自分の学費の工面も、家賃の支払いも、子育ても、全てを「自己責任」で賄わなければならないという状況下に置かれ、失業してホームレスとなる若者や、奨学金が返せずに自殺を考える若者が溢れています。

・「自己責任」にされる若者の貧困

 こうした「絶望的」とも言える状況が広がっているにもかかわらず、若者の貧困を受け止めるような制度の整備が十分に進まないのはなぜでしょうか。その背景には、若者の抱える貧困問題が「個人的な問題」とされ、不可視化されてきたことがあります。

 若者世代の労働問題や債務の問題は「すぐ辞めるのは若者に忍耐力がないからだ」「借りた金を返せない人が悪い」などと言われ、その人の「自己責任」とされてきました。また、こうした若者が抱える労働・貧困問題を「社会的な問題」として告発していく取り組みもまだ多くありません。

NPO法人POSSEとは

POSSEは、若者自身によって若者の労働問題を解決することを目指して、2006年に設立された団体です。東京都武蔵野市と宮城県仙台市に事務所をかまえ、大学生や大学院生が中心となり、これまで1万件を超える相談の解決支援や、労働・貧困の実態の啓発、政策の提言を続けています。

POSSEの活動

POSSEでは、こうした状況を変えるため、以下のような活動を行っています。

①労働・生活相談

 困っている若者が気軽に専門家のサポートを受け、法律や制度の「使い方」を知ることができる場を作るため、労働問題、生活相談、奨学金の相談を無料で行っています。件数は年間2000件以上を数えます。 電話やメール、面談を通じての法律知識や解決方法のアドバイス・サポートを中心に、必要に応じて労働組合や弁護士の紹介なども行っています。

②セミナーや相談会の開催

 個別で相談を受けるだけでなく、セミナーや相談会、労働法教育などを行い、当事者自身が自分の持っている権利について学ぶ機会を提供しています。2023年1月には、奨学金問題全国対策会議の岩重佳治弁護士を迎え、奨学金を返せなくなった時の対処法を学ぶセミナーを開催しました。

③調査・政策提言

 現場で相談を受けるだけでなく、調査・研究活動を行い、若者の置かれている状況を可視化し、政策提言などにつなげています。昨年9月には、奨学金返済中の20〜30代の若者3000人を対象にアンケート調査を行いました。調査結果からは、1割が自己破産を検討したことがあり、3割が延滞を経験しているという結果が明らかになったほか、返済によって結婚や出産、転職などの人生の選択肢が大きく制限されている実態が明らかになりました。

 調査結果と、それを踏まえた政策提言を行った記者会見は大きな注目を集め、多くのメディアで調査結果が取り上げられました。

埋もれがちな「当事者」の声を社会に届けるために

 今まさに困っている若者が、たった一人で個人的に声を上げることは困難です。そのため、若者世代の声を社会に届け、制度や政策の転換につなげるためには、当事者同士をつなげ、その声を届けていく回路の形成が不可欠です。

 私たちは、NPOとして2006年に設立して以来、当事者の声を現場で集め、実態を明らかにする取り組みを通じて、当事者の声を社会や政治に届けてきました。2013年には、若者を使い潰す企業を「ブラック企業」問題として位置付け、活動をつうじて社会問題化してきました。​​

 いま、未曾有の少子化やインフレなど社会的な「危機」のなかで、若者の貧困対策は喫緊の課題となっています。しかし、制度・政策の決定の場では「当事者不在」の議論がなされています。現場から実態を調査し、求められる対策を提言することを通じ、より公正で、誰もが生きやすい社会を実現していきたいと考えています。

 そのための相談・調査活動へのご支援、どうぞよろしくお願いいたします。

いただいたご支援の使い道

①相談活動に関する費用

  • 年間2000件の電話・メール・SNSによる相談の人員体制に必要な経費(専門相談員の人件費、育成費や交通費等)
  • 通信費、消耗品費(労働相談を受け付ける電話代、ホットライン代、ファックス代、コピー代等)
  • 相談員の育成にかかる経費
  • 事務所維持費​​

②セミナーの開催に関する費用

  • 登壇する弁護士や専門家の講演費
  • 会場費
  • 諸経費(配布資料の印刷代・ペンやポスターなどの備品の印刷代等)

③調査・研究・政策提言

  • 労働相談の傾向分析や統計報告に必要な費用

受賞歴

  • 2013年 POSSE代表の今野晴貴が『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』(文春新書)が​​第13回大佛次郎論壇賞を受賞
  • 2013年 ユーキャン新語・流行語大賞トップテン:POSSE代表・今野晴貴が「ブラック企業」で受賞
  • 2021年 エクセレントNPO大賞 受賞

サポートの方法

 POSSEへの寄付の種類には、①今回のみ、②毎月、③毎年の3種類があります。③は、POSSEの「サポート会員A」扱いとなり、年3回の季報、雑誌『POSSE』の無料送付を行なっています(年会費12,000円)。ぜひ継続的な寄付へご協力をお願い致します。

団体情報
このページは寄付・会費決済サービス
コングラント」で作成されています。
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