東京電力福島第一原発事故から14年が経過し、あの日に始まったできごとが風化し始めています。また、当時のことを知らない世代も増えています。
原子力市民委員会(CCNE)は2013年に発足以来、原発のない社会をめざして政策提言をおこなうシンクタンクとして、『原発ゼロ社会への道』シリーズなど、多くの情報を発信してきました。
しかし、原発問題では「わかりやすく伝える」ことがいつも課題でした。
原発やエネルギーの問題に関心がある人には、重要な情報を届けることができたかもしれません。でも、原発の問題に距離を置いてしまう人や、当時のことを知らない世代にまで、十分に伝わるような発信はできてきませんでした。
福島原発事故の風化が進み、政府は「原発を最大限活用」していく方針へと舵をきりました。その結果、地震で被災した原発や、老朽化した原発が各地で動き始めています。
今あらためて、福島原発事故とは何だったのか、そして原発のない社会が実現可能であることについて、多くの人が考えるきっかけとなる「わかりやすい情報の拠点づくり」にチャレンジしたいと考えています。
2025-07-06 13:36
まさのあつこさんから、応援メッセージをいただきました。
ジャーナリストのまさのあつこさんの記事を読むと、市民の知らないところで進められていく政策の課題をいち早く教えてもらえます。市民が早期の段階で政策決定プロセスに参加することで変えられることがあるはずという、まさのさんの「市民への信頼」を感じます。心強いメッセージ、ありがとうございます。
原子力政策の大小の転換点において、各分野の専門家の視点を交えて、問題を提起する。
原子力市民委員会(以下、市民委員会)はそれができる稀有な存在だ。
本来なら、国の原子力規制委員会は、政策決定プロセスの早期段階で市民委員会のような団体や個人を招き、多様な視点や意見に耳を傾けるべきだ。しかし、現在はすべてが決まった最終段階で通過儀礼のようにパブコメを行う。

私は取材者として、原子力規制委員会の会見で市民参加を進めさせるための質問を折に触れて繰り返してきたが、今後も諦めずに早期段階での実質的な市民参加を求めていきたい。
市民委員会の粘り強い活動に今後も期待する。
まさのあつこさんの「地味な取材ノート」 https://note.com/masanoatsuko